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【バイクのミライ! Vol.2】百花繚乱の電動バイク、その課題と注意するポイント

バイクのニュース / 2020年9月13日 13時0分

クルマの世界ではスタンダードになりつつある電動車(電気自動車やハイブリッドカー)ですが、バイクの世界ではまだまだガソリンエンジンが優勢です。しかし、近年各社から多くのモデルが登場しています。百花繚乱の様相を見せる電動バイクですが、ポイントはどこにあるのでしょうか?

■電動化のメリットはたくさんだが…

 電動バイクには、電動アシスト自転車の延長線上とも言えるものもあれば、原動機付き自転車(原付)そっくりのもの、また、最近では大型バイクに近いものも登場するなど、そのスタイルは千差万別です。しかし、いわゆるバイクが内燃機関(エンジン)や変速機を搭載しているのに対し、当然ですが電動バイクは、モーターとバッテリーを中心に構成されているという点が大きく異なります。

 電動化によるメリットは少なくありません。例えば、エンジンに比べてモーターは静粛性が高いため、夜間や早朝の住宅密集地でも、それほど騒音を気にすることなく走行することが可能です。この点を利用して、一部の新聞配達業者では配達車両に電動バイクを採用しています。

 燃料コストに関しても電動バイクのほうが有利であり、ガソリンエンジンのスクーター、ヤマハ「Vino(ビーノ)」はガソリン1Lで航続距離約80kmに対し、電動バイクのヤマハ「E-Vino(イー・ビーノ)」は、1回の充電で約14円、最大航続距離が29kmとなるため、80km走行するためには約39円となります。ガソリン1Lの価格が125円とすると、およそ1/3程度のコストとなります。また、ほとんどの電動バイクは、100Vの家庭用電源で充電できるため、ガソリンスタンドで給油する必要がないことも魅力のひとつです。

 さらに、一般的に部品点数も電動バイクのほうが少ないとされています。そのため、事故や故障で修理をする際のコストも低く抑えられる可能性があります。

電動スクーター「ヤマハ・E-Vino」

 一方で、デメリットも多くあります。最も大きなものは、やはり航続距離でしょう。先述のE-Vinoは満充電で29kmの走行が可能ですが、Vinoであれば360kmもの距離を1回の給油で走行することができます。いずれも理論上の数値ではありますが、航続距離に大きな差があることは間違いないでしょう。

 また、電動バイクは部品点数が少ないため修理の際に有利だと述べましたが、実際には電動バイクをメンテナンスできる工場は通常のバイクに比べると少なく、交換部品の流通も通常のバイクのほうが多いのが実状です。

 こうしたことを考慮すると、現時点では電動バイクとガソリンエンジンを搭載したバイクを同列にあつかうことは難しいと思われます。

 したがって、電動バイクを購入する際は、通常のバイクの代わりとして考えるのではなく、あくまで電動バイクという乗り物として検討することが重要です。

■見た目は自転車でも「こがずに進める」ものは電動バイク

 実は、電動バイク自体は現在でもかなり多くの種類が販売されています。しかし、一見すると自転車に見えるものや、ガソリンバイクと同様のデザインのものが多いため、電動バイクだと認識できないことも多いようです。

FANTICの電動アシスト自転車

 電動アシスト自転車は、原付免許や二輪免許を保有している必要はありません。しかし、あくまで自転車の走行をアシストするためにモーターが装着されているため、モーターの力だけで走行することはできません。一方の電動バイクは、モーターの力だけで進むことが可能です。ペダル付きの電動バイクは、一見すると自転車のように見えますが、定格出力が0.25kW以上のものは電動バイクとなります。「定格出力が0.25kW以上」の目安ですが、簡単に言えば「こがずに進める」ものがおおよそそれに該当します。

自転車と違い電動バイクには、本部品、ヘルメット、ナンバーの取得が必要です

 ECサイトなども含めれば、日本で購入できる電動バイクは少なくありませんが、その中には日本の道路交通法や関連法を遵守していないものもあります。電動バイクを公道で走らせるためには、保安基準に沿った部品(ブレーキランプやウィンカー、ホーンなど)を装備している必要があります。また、ナンバープレートの装着が必須です。もちろん、走行時にはヘルメットを装着しなければなりません。それらが満たされていないと道路交通法違反となります。

 自動車の場合は、「電気自動車なら普通自動車免許は必要ない」と考える人はまずいないでしょう。しかし、バイクの場合は、外見上自転車との境界線があいまいなことから、免許に対する意識が低くなりがちな点は注意が必要です。ちなみに、最近ではキックボード型やホイール型の電動モビリティも登場していますが、海外から輸入したものはほとんどが日本の法律に適合していないようです。

※ ※ ※

 電動バイクは、開発や製造が電気自動車と比べて比較的容易なことから、大手企業のみならずベンチャー企業も多く参入しています。様々な製品が登場することは消費者にとってもメリットがありますが、一方で法規対応がじゅうぶんでなかったり、品質が低いものも散見されます。

 電動バイクは自転車の延長ではありません。あくまでも、バイクです。それは便利であると同時に、バイクと同等の危険性を含んでいることも意味します。電動モビリティに対する日本の法整備が進んでいないという課題もありますが、まずはユーザー側の意識向上が重要と言えるでしょう。

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