カワサキ×ビモータ「KB4」はいつ登場？ ビモータ車取り扱い世界No.1のモトコルセに直撃インタビュー！

川崎重工業が49％の株式を取得し、ブランドメインオーナーとなったことで誕生したビモータ「TESI H2」ですが、その後には自然吸気の4気筒エンジン搭載車「KB4」の登場が控えています。いったいどのようなモデルになるのでしょうか。2006年以降、世界で一番ビモータ製品を取り扱ってきたモトコルセの近藤会長に伺ってみました。

■KBシリーズ最新作はいつ登場？

　2019年11月に開催されたバイクの見本市「EICMA（エイクマ）2019」で突如公開されたビモータ「TESI（テージ）H2（エイチ・ツー)とともに、新たに開発中であることが明かされた「KB4」は、1978年登場のKB1、1981年登場のKB2、1983年登場のKB3に続く、カワサキ×ビモータの4つ目のフルカウルスポーツモデルです。

　2020年10月1日にイタリア市場で発売が決定したTESI H2を含めれば、カワサキとビモータにとって5つ目のモデルとなるKB4ですが、いったいどのような仕様になるのでしょうか。

　2006年以降、世界で一番ビモータ製品を取り扱ってきたモトコルセの近藤 伸会長に話を伺ってみました。

―――TESI H2に対して、KB4はどのような位置づけのモデルになるのでしょうか。

　TESI H2がブランディング・イメージ重視のモデルであるのに対し、KB4はいわゆるビジネスとしてのモデルという考えですね。

2006年以降、世界で一番ビモータ製品を取り扱ってきたモトコルセの近藤会長

　ですから、価格帯もTESI H2が800万円を超えるのに対して、KB4はもっと購入しやすい価格帯に設定されるはずです。

　もちろんKB4もブランディングには貢献するでしょうが、目指すところは量産であり、もっと気軽にビモータに乗ってもらうという狙いがあります。

―――2019年のEICMAではKB4はイメージ画像のみでの発表でしたが、現在はどこまで開発が進んでいるのでしょうか。

　ビモータからは年内に発売したいと聞いています。エンジンはすでにホモロゲも取れているカワサキのNinja1000 SXなどに搭載されているものと同じと聞いていますので、開発から登録までスムーズに行えるでしょう。

―――スタイルや車体構成などはどのようになるのでしょうか？

　彼らの説明では過去に販売したDB1（ドゥカティエンジン搭載モデル）のようなコンパクト車体で、ピークパワーよりも乗りやすさ重視のモデルになるようです。いわゆるのんびりとスポーツ走行を楽しめる車両ですね。

　価格、品質を含め、カワサキ製エンジンをこういうふうなモデルに使うことは非常に有効で、マーケットでの競争力は格段に上がります。

―――KB4はTESI H2と同じく、エンジン以外はすべてビモータ製となるのでしょうか。

　そうですね。外装のデザインなどは外部に以来しているようですが、TESI H2と同じく車体はすべてビモータ製になります。

　また、さきほどお伝えしたように、KB4のイメージに近いDB1はビモータで2番目に売れたモデルで、当時、それまでのビモータ製品の2／3程度の価格で販売し成功を収めました。参考までにDB1の日本での価格は278万円程度だったと記憶しています。

―――過去に販売されたKBシリーズは未だに根強いファンがいますが、KB4が登場することで、どのような効果が期待できますか？

　新しい車両が発売され、それをユーザーが購入してくれることでメーカーが存続し、残り続けるからこそ、初めてブランドの価値になります。

モトコルセのショールムに展示されたビモータ製バイク。希少なモデルをみることができます

　ですから、相乗効果といいますか、KB4が出てくることで過去のKBシリーズの価値がまた上がってくるんですよね。TESI H2を含め、カワサキとはじつに35年以上ぶりの取り組みですので非常に楽しみですね。

　また、ビモータのユーザーは搭載されているエンジンのメーカーにとらわれず、“ビモータ”を好きな方が多いので、すでに多くの反響を頂いています。

　たしかに、今のマーケットでビモータほど個性の強いブランドは少ないと思いますし、新旧、両方のモデルを大事にして頂きつつ、新型車がいいセールスを記録することを願いたいですね」。

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　大きな話題を集めたTESI H2に続き、フルカウルのスポーツモデル「KB4」の開発も着々と進めているビモータ。今後どのようなモデルが登場するのか、ますます期待がかかります。