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乗り手の技量不問! ホンダ新型「CBR600RR」なら操作ミスの不安なしにサーキットも心底楽しい!!

バイクのニュース / 2020年10月7日 9時0分

国内仕様では2016年式をもって生産終了となったホンダ『CBR600RR』が、新型となってカムバック! ウイングレットや電子制御など最新の装備を身にまといながらも、アイデンティティであるセンターアップマフラーを踏襲しています。サーキットに不慣れなバイクジャーナリスト、青木タカオが試乗しました。

■レースで勝つために! 目指すのは表彰台の中央

 こんな贅沢なライディングスクールがあっていいのでしょうか! まるでマンツーマンレッスンのように、こちらのペースに合わせて現役チャンピオン小山知良選手がベストラインで前を走り、安全な減速のタイミングもブレーキランプで知らせてくれます。ロードレース未経験の筆者(青木タカオ)はいま、ホンダの新型『CBR600RR』で、菅生サーキットを“ストレスフリー”で駆け抜けております!!

 嬉しさのあまり、勢いよく冒頭から述べてしまいました。まずはフルモデルチェンジして帰ってきた『CBR600RR』について、説明しなければなりません。初代が2003年にデビューして以来、600ccスーパースポーツクラスを牽引するだけでなく、2010~18年のMoto2クラスではオフィシャルエンジンサプライヤーとして全参戦チームに供給するなど、ポテンシャルの高さと信頼性を証明してきた『CBR600RR』。その新型ですから、ホンダ開発陣も一切の妥協がありません。

 報道向け試乗会は菅生サーキットにて開かれ、エンジニアたちも勢揃い。開発責任者の石川 譲さん(本田技研工業株式会社 二輪事業本部ものづくりセンター)は「スーパースポーツを志向するすべての人に、経験値やライダースキルの異なる幅広いライダーに向けて、ジャストサイズの操る楽しみを提案したい」と言います。

 テスト領域責任者の堂山大輔さん(本田技研工業株式会社 二輪事業本部ものづくりセンター)によると、目標としたのは「レースでのポテンシャルをいかに上げるか」で、アジアロードレース選手権600ccクラスでは、2016年にチャンピオンに輝いて以来タイトルを獲得しておらず、新型の開発はレーシングマシンから着手したとのことです。

 開発テストにはアジアロードレース選手権に参戦するライダーはもちろんのこと、2019年全日本ロード選手権ST600チャンピオンの小山知良選手を開発ライダーに起用し、課題を抽出、方向性を確認。テストを繰り返した末にレースマシンの基本仕様が決定し、その後に今回の量産型へとそのまま開発は移行したのでした。

■直4サウンドに武者震い!

 資料にも、開発の目標は「圧倒的なサーキット性能の実現」とありますので、ロードレース未経験の筆者(青木タカオ)がレーストラックを走っても持て余すばかりでまったく面白みがないのではないでしょうか。

ホンダ「CBR600RR」テストライダーの小山知良選手(左)と筆者(青木タカオ)

 そんな不安を口にすると、なんとチャンピオンの小山選手が先導してくれるとのこと。ペースを大きく落としてくれるのは言うまでもありませんが、日本一の走りを目の前で見れるとあっては感情のたかぶりを抑えきれません。意気揚々と、チャンプの背中を追いかけるのでした。

 こちらの技量を見極め、最適な間合いで前を走っていただいたので、最高に気持ちよくサーキットを走ることができましたが、『CBR600RR』の扱いやすさに助けられた部分もかなりあったことも報告しておきましょう。

 まず車体にまたがりサイドスタンドを払うと、すっと軽く、相変わらずサイズ感もちょうどいい印象です。車体重量は194kg、従来型はABS付き199kgでしたので、5kgの軽量化を果たしています。シート高は820mmのまま変わりません。

 乗ってすぐに感激したのは、直4エンジンならではの伸びやかな吹け上がり。従来型からセンターアップマフラーを受け継ぎ、菅生のストレート上り10%勾配を駆け上がるときの排気音は官能的で、もうそれだけで武者震い。風切り音の大きい先代に対し、スクリーンに上半身がすっぽり収まる新型は防風性能が高く、頭部が振られません。小山選手は「直線で休めます」と言います。

 エンジンはスロットルボア径を40→44mmに大径化し、スロットルバタフライからIN側バルブまでのポート断面形状をスムーズに。シリンダーヘッドまわり(動弁系)やクランクシャフトの材質を変更し、最高出力121PS/14000rpmを発揮。

 走行中でも切り替えが可能な「ライディングモード」は予め3モード設定され、スロットルレスポンスがもっともクイックなのが「モード1」、「モード3」はスムーズな味付けで、筆者は「2」あるいは「3」を多用します。聞けば小山選手も「パワーセレクターは低いほどアクセルを開けることができ、結局タイムが安定して出せる」とのこと。過激なパワーを緻密にコントロールして走るより、ぐいぐいワイドオープンできた方が速いってことなのでしょう。「2」か「3」がオススメとのことです。

■アクセルワークとブレーキに集中できる!!

 また、オプションのオートシフターのおかげでクラッチレバーの操作は不要となり、さらにトルクコントロール、ウイリー挙動緩和、セレクタブルエンジンブレーキなど電子制御が走りをサポートしてくれます。

ホンダ「CBR600RR」新型モデル。優れた走行性能を実現しています

 乗り手はブレーキ操作やスロットルワークに集中でき、ミスもケアしてくれますから、筆者のようなサーキットビギナーにはなおさら有効。小山選手も「最初は電子制御など不要と思っていましたが、効果は予想を超えていました。すべての制御があった方が楽しく走れます」と言うほどです。

 もちろん、もともとの素性が秀逸で、継続採用の中空アルミダイキャスト製ツインチューブフレームが俊敏なハンドリングをもたらし、SHOWA製ビッグ・ピストン・フロントフォークと150gの軽量化を実現したスイングアームなどが抜群のトラクション性能と接地感を生み出しています。

 注目のウイングレットは、「旋回中も継続的に発生するダウンフォースにより、フロントタイヤに掛かる荷重をより安定させることで高いコーナリング性能に寄与しています」と、石川さんが教えてくれますが、その効果は「乗り比べないとわからない」と小山選手は言います。比較すれば、ウイング付きは「フロントの接地感がまるで違う」とのことで、前輪荷重が増え旋回力アップは間違いないようです。

ホンダ「CBR600RR」新型モデル。ウイングレットの採用によりフロントタイヤに掛かる荷重を安定させています

 新型CBR600RR乗り終えて思うのは、どんな技量のライダーもスポーツライディングを心底楽しめるってことです。もし、一昔前のスーパースポーツならもっと肩に力が入り、ストレート後のブレーキングではヒヤヒヤしたこともあったかもしれません。

 しかし、新型CBR600RRでは、不慣れなサーキットも終始リラックスして走れ、もっと攻めてみたい、もっと直線で速度を上げてみたい、もっとブレーキを詰めてみたいと、無理せずチャレンジしていけるのでした。

「サーキットで勝利のために」と開発された新型CBR600RRですが、スポーツライディングをこれから学びたいという人にもうってつけと言えるでしょう。

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