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「スーパースポーツでツーリング」はどうなの? 超絶高性能なホンダとヤマハのフラッグシップで走ってみた

バイクのニュース / 2020年10月20日 13時0分

市販車をベースに戦うスーパーバイク世界選手権(SBK)。各メーカーがしのぎを削る2020年スーパースポーツモデルのカテゴリーは、まさに話題のホットゾーンです。ツーリングではどうなのでしょうか? 試しに走ってみました。

■ロードスポーツ最高クラス、市販車だからってツーリングもイケる?

 2020年、スーパースポーツモデルのカテゴリーはそのエンジン性能、頂点レースで培った電子制御技術のフィードバック、最新空力性能の搭載などなど、まさに話題のホットゾーンです。市販車をベースに戦うスーパーバイク世界選手権(SBK)では、搭載されるエンジンの性能がレースにも影響するだけに、市販車の完成度はまさにガチンコな性能競争の最前線なのです。とはいえ、サーキットオンリーの人は少ないはずだし、カッコいいストリートバイクとしてツーリングもするユーザーが少なくないハズ。

 そこで、超絶高性能なバイクが日常の速度域とのフィット感はどうなの? というところを、ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」(以下、RR-R SP)とヤマハ「YZF-R1M」(以下、R1M)の2台で確かめてみました。

 まずは簡単にバイクの紹介を。ホンダのフラッグシップ「RR-R SP」は、MotoGPの開発技術を応用することで、市販車としては驚異的な218馬力を生むエンジン、最新の電子制御を満載。さらにダウンフォースを生むウイングも備えています。跨がればサーキット性能を予感させる前傾姿勢。この「SP仕様」には、オーリンズ製電子制御セミアクティブサスペンションやブレンボ製のブレーキシステムが搭載される上級機種となります。メーカー希望小売価格は278万3000円(消費税10%込み)です。

 もう1台、ヤマハのフラッグシップ「R1M」は、ドライカーボン製の外装や電子制御セミアクティブサスペンションを装備する上級版であり、メーターパネルやライディングモードのインターフェイスもR1M専用。MotoGP由来のクロスプレーン直列4気筒エンジンが醸し出すパワーフィールは、このバイクならでは。存在感があります。メーカー希望小売価格は319万円(消費税10%込み)です。

■まずはヤマハ「YZF-R1M」から

 テスト1日目、R1Mで走りだします。クロスプレーンエンジンは2気筒的なバサバサした排気音と4気筒らしい滑らかさが混在する排気音。発進時のトルク感も充実。電子制御スロットルがリカバーしてくれているのだと思いますが、坂道発進ですらエンストする気がしません。クイックシフターを使って小気味よいシフトアップも可能です。

“サーキット最速マシン”をコンセプトに開発されたヤマハ「YZF-R1M」

 そして電子制御サスペンションがもたらすソフトな乗り心地が市街地走行ではハナマルです。前傾姿勢の強いライディングポジションで視線も低目になるので、上半身を意識して起こし、出来るだけ周囲に注意を払って走ります。

 高速道路に流入すると走行風圧が高まるため、上半身を支える腕の力は少し楽になります。フェアリングも低く、タンクに伏せるとライダーが覆われるデザインのため、ネイキッドよりは快適というレベル。高速移動が30分を過ぎる頃から手首や肩に疲れを感じます。制限速度が120km/hの道では風圧が強まる分、さらに快適さがアップするのも、ネイキッドとは逆転現象です。

 ワインディングに入ると、その走りはさすが。ブレーキのタッチと制動力、そしてサスペンションの性能の確かさ、タイヤがもたらす旋回性、グリップ感もスポーツマインドをくすぐり続けます。そんなご機嫌になった帰り道、再び高速道路から市街地へと戻るワケですが、ここで肩の疲れ、そして腕から力を抜くために意識的継続してキュっとタンクをニーグリップした影響か、足の内転筋がジワジワと疲れてきます。それでも、R1Mとのツーリングはなかなか楽しいものでした。

 気になったのは、信号で停止をする時などニュートラルに戻す操作に対し、シフトタッチがシブかったこと。改善お願いします、ヤマハさん。

■走りたいのはサーキットだけ! 伝わってくる本気の姿勢

 テスト2日目、RR-R SPに跨がります。その瞬間、ステップの位置、ハンドルの位置がR1Mよりさらに強い前傾姿勢だとわかります。

シンプルにレーストラックでのパフォーマンスを追求したホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」

 スマートキーをポケットに忍ばせ、スターターを回します。アクラポビッチのサイレンサーから出る乾いた音は紛れもなく直列4気筒の音。ブォーと野太い音に刺激されます。

 市街地で使うエンジン回転域はRR-R SPとしては常に「低回転」域。発進時など明確に電子制御スロットルのアシストが入るので、エンストの心配は少ないものの、トルク感そのものはR1Mよりも細さを感じます。しかしそれは3000rpm以下に限ります。ついつい4気筒の滑らかなエンジン回転にシフトアップしたものの、というところです。

 電子制御サスペンションの乗り味はR1Mほどソフトライドでありませんが、充分許容範囲です。市街地では前傾姿勢から前をゆく4輪車のウインドウ越しに前方を見るような印象で、自然と車間距離があきます。

 高速道路では80km/h、100km/hと速度が上がるほど風圧で上体が押されるため、腕にかかる上体の重みは軽減しますが、R1M以上に「風圧を浴びたい!」と思ったのは事実。

 さて、ワインディングではツーリングペースでも、曲がるたび、加速するたびに走る楽しさ、操る本質のような部分をしっかりと味わえます。ツーリング中、なんら不満がなかったので電子制御の設定変更は何もしません。それでもRR-R SPとの対話は楽しめました。

 もちろん、帰路は足の内転筋、首の痛みも加わり、正直しんどいものの、R1M同様、ツーリングでは多めに休憩を入れることで、問題の無いレベルになるでしょう。

ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ、それぞれ市販車ベースで戦うスーパーバイク世界選手権に参戦し、速さを追求したフラッグシップモデルをラインナップしている

 結論としては、2日続けてツーリングは行かないほうが良いかもしれません。しかし、疲れにくいポジション探しや体幹トレーニングの必要性を教えてくれるので、スポーツライディングに向けてツーリングは良いエクササイズかもしれません。楽しいテストでした。

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