the「燃費」ヤマハ最強ネイキッド「MT-10 SP」が叩き出した燃費性能の意外な結末

バイクのニュース / 2020年10月24日 11時0分

ヤマハが誇るスーパースポーツモデル「YZF-R1」のエンジン、フレームをベースに仕立てられたネイキッドスポーツ「MT-10 SP」のツーリング燃費を計測してみました。

■「MT」シリーズ最強のツーリング燃費はいかに!?

 ヤマハが誇るスーパースポーツモデル「YZF-R1」のエンジン、フレームをベースに仕立てられたネイキッドスポーツ「MT-10」は、160馬力を生み出すクロスプレーンコンセプトの直列4気筒エンジンを搭載し、特徴的なデザインで他と一線を画する存在感に乗る前から少し緊張させられます。

“THE KING OF MT”を掲げるシリーズトップモデルならではの威厳、さらに今回連れ出したのは、電子制御セミアクティブサスペンションやヤマハライドコントロールセッティングを搭載した「SP」モデル、その機能面も最強なのです。そしてつぶさに見ると、そこはヤマハらしさをふんだんに探せます。足元で光るリアスイングアームなどは、パネルを組み合わせた手間の掛かる製法に所有感も醸成されるはず。

 なにはともあれ、超がつくほどの高性能スペックはバイク乗りには刺激的。さあ、ツーリングでの燃費を検証しに出かけましょう。

 the「燃費」では、毎度同じルート、流れに合わせたペースとすることで、そのバイクの燃費性能を確認すると同時に、過去にテストをしたバイクたちとの比較も含め、燃費性能ならこのあたり、というモノサシでもあります。しかし燃費は乗り方によって激変するもの。バイクの性能のひとつに過ぎません。一種のバイクエンターテインメントとして活用くださればなによりです。

 と、いうことで「MT-10 SP」のカタログ記載の燃費データは、国土交通省届出値(定地燃費値)が23.4km/l(60km/h走行、2名乗車時)で、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時)によりはじき出された数値は14km/lとなっています。使用する燃料はプレミアムガソリン、ハイオクです。

 いつもの市街地、ツーリング快走路、高速道路といったシーンでどんな数値を見せてくるのでしょうか。the「燃費」では、車載の平均燃費計とトリップメーターの数値を元に燃費と距離をお伝えしています。

■信号待ちの多い市街地、やはり苦戦

 the「燃費」の市街地燃費は、東京都内、外苑周辺から国道246号線で皇居外周の一部を走り、銀座、築地を抜け首都高湾岸線沿いの国道357号線に出るいつもの場所までで計測をしています。朝、通勤時間帯に走る大通りというイメージです。片側3車線の道が多く、右折信号のある交差点では赤信号の待ち時間は長めです。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

 市街地で乗りやすい「MT-10 SP」は、低回転からしっかりトルクが出ているため押し出されるように発進し、不等間隔爆発のエンジンが奏でる特徴的な排気音を楽しみつつ、並列4気筒エンジンがもたらす滑らかさも加わり、低速での移動すら気持ち良いものです。

 ブレーキも鋭過ぎず扱いやすいのが嬉しいところ。しかも、サスペンションの作動性が素晴らしく、ギャップ通過時のあたりがマイルドで乗り心地が良いのです。「YZF-R1M」で走った時と同様に、停止時にギアをニュートラルに入れよう思うと、ギア操作が硬い(渋い)のが唯一の難点でしょうか。

 肝心の燃費は、平均燃費計を眺めているとやはり信号待ちでの数値の低下は早く、スムーズに走っている時は14km/l程度ながら、信号待ちが続くと10km/l台に下落し、結果的に11.8km/lでした。

■移動速度が速いほうが好燃費?

 房総半島南端エリアへの出発点、千葉県木更津エリアにやってきました。ここから高速道路を使って南下し、その往復で高速道路の燃費ログをとります。

高速道路移動では80km/h以下にならない方が燃費は良かった

 スタートのアクアライン連絡道「袖ケ浦IC」から館山道「富浦IC」までを往路とし、復路はツーリングセクションを終え、館山道「富津中央IC」からアクアライン連絡道の「木更津金田IC」までとなります。

 アクアライン連絡道以外ではアップダウンが多く、往路は80km/hから100km/hへ、また80km/hとなってから70km/hへと制限速度が変化します。復路ではそれが100km/hから80km/hとなります。

 ネイキッドながら適度な前傾姿勢となる「MT-10 SP」では、通常のポジションでも制限速度領域までは風圧も気になりません。6速で巡航する時、やはり制限速度が上がるほどエンジントルクが増す印象で、燃費データもアップダウンの連続と後半の速度が低くなる往路より、距離は短いものの、80km/h以下にはならない復路の方が結果も良好でした。

 往路53.8kmで18.4km/l、復路25.3kmでは19.5km/l、平均で18.9km/lを記録しています。

■乗りやすい、けど燃費は伸び悩み

 いわゆる下道ツーリングセクションです。南房総の一般道を3区間に分けて計測します。1区間目は「富浦IC」出口近くのコンビニから房総半島南端エリアまで、内陸をゆく安房グリーンラインで目指します。アップダウンとワインディングを組み合わせた、まさに快走路といった具合。

the「燃費」の設定ルート。房総半島最南端エリアにて

 2区間目は南端エリアから太平洋を右手に眺め、国道410号線で北上し、途中から山間を通過して県道34号を経て「大山千枚田」へ。

 3区間目は「大山千枚田」から県道34号、184号を経て館山道「富津中央IC」まで。2区間、3区間ともアップダウン、ワインディングを含む心地よいルートです。

 流れに合わせ「MT-10 SP」は6速巡航もこなしますが、エンジンはもう少し回したほうが活気に満ちます。1区間目は21.7kmの走行で燃費は17.1km/l、2区間目は38.9kmを走行して18.3km/l、3区間目は26kmを走行して18.4km/lでした。走行ペースから想像するほど伸びず、快走路平均燃費は17.9km/lという結果に。

■燃費と楽しさは無関係

 各区間総平均で16.4km/lという結果でした。このバイクの本領は加速の伸びやそれに呼応するライダーの気持ち、ワインディングを集中して走る時に感じる車体の素晴らしさにあります。

計測に集中せず楽しいと感じられるエンジン回転領域で走ったところ燃費に響かないことを確認

■ヤマハ「MT-10 SP」燃費結果
総合評価:☆☆☆★★(ホシ3つ)
総走行距離:178km
市街地:11.8km/l
高速道路:18.9km/l
快走路:17.9km/l

 ちなみに、帰り道でペースを変えずに6速巡航にとらわれない走りをした一般道、高速道路のミックスでは、平均燃費計が19.7km/lでした。エンジンの領域を多少上げても、燃費に響かないということが確認できました。

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