エイリアン顔の3輪モデル! NIKEN GTは空想と現実のボーダーラインを超えたモデル
バイクのニュース / 2020年10月27日 11時0分
ヤマハが2015年に発表したコンセプトバイク「MWT-9」が市販化された「NIKEN(ナイケン)」。その上級モデルとして、2019年に追加された、「NIKEN GT」に試乗しました。
■カッコイイけど実用性はゼロ! 非現実的に見えたコンセプトモデルを市販化
ナイケンは、ヤマハが開発した、リーニング・マルチ・ホイール(LMW)という技術が搭載された、トリシティに続く第2弾モデルです。
LMWは、フロントの2輪によって高いグリップ力や路面からの衝撃吸収力、制動安定性を持ちながら、自然な操作感や軽快感、スムーズなハンドリングなどを実現する技術で、近年ヤマハがラインナップする、リーンして旋回する3輪以上のモビリティに搭載されています。
そして、今回試乗したNIKEN GTは、そんなLMW搭載モデルのなかでも、高次元のコーナリング性能と上質なクルージング性能を併せ持つNIKENをベースに、ツーリングでの快適性を向上させるさまざまな装備が追加された上級モデル。
防風防塵機能に優れた大型ハイスクリーンや防寒用のグリップウォーマー、長時間のライディングによる疲労度を軽減する専用シートや12V DCジャックなど、快適で便利な機能が標準装備されています。
東京モーターショー2015に登場したMWT-9
私はNIKENのコンセプトモデル「MWT-9」の発表を、東京モーターショーの会場で見ていたのですが、その見た目のインパクトと大きさなどから、まさか本当に市販化されるとは思えなかった上に、市販化されたとしてもアメリカなどの遠い異国。そんな、どこか現実味の無い存在に感じてしまい、それほどの興味は持てなかったことを覚えています。
といっても、今にも襲い掛かってきそうなエイリアンルックの迫力あるデザインは、私の中二病心をくすぐるには十分でしたが、魅力的だからこそ余計に、アニメや映画で悪者が乗っているカッコイイ乗り物というような、「架空感」が大きく、現実と結び付けることができなかったのです。
しかしヤマハはその後、NIKENを実際に発売し、さらにはNIKEN GTまで登場させました。
この一連の流れは、私に「架空の乗り物は、実現できる」という大きなワクワク感を与えてくれたと同時に、「きっとこれを開発した人や販売を決めた人は、私と同じ中二病だな(笑)」という、ヤマハという企業への期待感と親近感を感じさせてくれました。
そんな色々な意味で、私の予想を超えてきたヤマハがラインナップする、「NIKEN GT」に初めて試乗しました。
まず、ヤマハがLMW技術を搭載した市販車をラインナップし始めた当時、トリシティを見て、勝手に自立するものだと思い込んでいた私は、トリシティ125に初めて試乗した時に、前が2輪の3輪モデルは自立する訳ではない事を知ったので、NIKEN GTの大きさと重さにビビりまくり。
乗ってみたい好奇心と立ちゴケへの恐怖心が葛藤し、またがってはみるものの、なかなか発進をすることができませんでした。
バイクはどんな排気量でも、基本的に走り出してしまえばそれなりに楽しく乗ることができるのですが、怖いのは信号待ちや停車などで足をつかなくてはいけないタイミング。足つきの悪いバイクのほとんどは車体も大きいために重量が重く、気を付けていても、ふとバランスを少し崩してしまっただけで、そのまま転倒しかねません。
タンクが張り出ていることで両足もつま先がギリギリ着く程度
そのため、足つきの悪いバイクで停車する時は、足元に細心の注意を払うのですが、NIKEN GTは、前2輪がボディの外側に付いていることもあり、タンク部分がかなり大きくなっているので、またがると自分の足元を見ることができないのです。
身長165㎝の私で両足のつま先がギリギリ付くレベルの車高に、全身で引き起こさないとサイドスタンドからすら起こすことが困難な車体の重さ。このふたつの要素だけでも、停車にはかなり気を遣うのに、さらに足元が目視できないとなると、ビクビクは最高潮です。
「でも、乗ってみたい。」
加速すると自然に安定感が増し、思い通りに操作できます
立ちゴケへの恐怖より、この架空に近い乗り物を操ってみたいという好奇心が上回った瞬間に、アクセルを開けて前に進みます。
「軽い!!!」
車体が進み始めると、走り出す前の車体の重さや大きさが嘘のように一気に軽くなり、加速すればするほど、どんどん安定感が増していくため、思い通りのラインで走ることができます。
しかも、走行中は前2輪のグリップ力やサスペンションのクッション性などがハッキリと感じられ、コーナーにバンクさせながら進入しても、絶対に転ぶことはないという確信が持てるほどの安心感を得られるため、小回りも楽々。
今まで乗ってきたバイクのなかで、見た目と走りのギャップが一番大きいといっても過言ではないレベルです。
コーナリングでの安定感は、新しい乗り味を感じさせてくれます
さらに、コーナリング時の前2輪のグリップ感が通常のバイクとは異なっていて、車体と自分の重心がズレているかのような、それでいて高い安定感を感じられる不思議な感覚が新鮮で面白く、バイクのようでバイクじゃない。NIKEN GTは、そんな新しい乗り味を楽しませてくれる1台でした。
とはいっても、停車しようと足を付くと全身に一気に重力が戻り、細心の注意が必要となる緊張感と、無事に止まれた安心感で気疲れすることは変わらず、「もう1回乗る?」と聞かれると、躊躇してしまう存在であることは否定できない事実ではあるのですが・・・。
それでも、アニメや映画に登場する架空の乗り物に実際に乗っているような特別な感覚を味合わせてくれる最高の存在! NIKEN GTの価格(消費税込)は、198万円です。
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