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「カスタム」と「改造」、言い方ひとつで話が合わない!? ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.68~

バイクのニュース / 2020年10月28日 17時0分

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、バイクのカスタムショップに立ち寄ったところ店主と話がかみ合わなかったと言います。どういうことなのでしょうか?

■アレ? もしかして話がかみ合ってない?

 先日、とある山深い森の中をスポーツカーでドライブしていたら、なかなか雰囲気のあるカスタムショップが目に飛び込んできた。緑が深い避暑地に溶け込むような、ウッド基調の小さな店だった。バイクを売る……と言うより、一緒にカスタムを楽しむ……といった雰囲気の、気の利いたカフェのようなショップだった。

 入店すると、奥から品の良い店主が姿を現した。

 店主「うちはバイクショップですが……」

 クルマでやってきた僕(筆者:木下隆之)を見て、怪訝な顔をした。

 木下「はい、素敵なお店だと思ったもので……」

 レトロ感を意識したカスタムが得意のようで、シートやガソリンタンクは60年代のレースマシン風のオリジナルであり、時代が遡ったようなオシャレなバイクが並んでいた。高橋国光がマン島を戦ったかのようなレーサータイプも展示されていた。

 しげしげと眺める僕に店主がこういった。

 店主「うちはSR専門ですが?」

 木下「はい、カスタムですよね」

 一見さんお断りのような、壁を感じた。

 店主「普段は何にお乗りですか?」

 木下「はい、モンキーに乗っています」

 店主「それはカスタムのしがいがありますね」

 木下「はい、でもフルノーマルです」

 店主「フルノーマル? モンキーなのに?」

 木下「はい、まったく改造していません」

 店主「珍しいですね。モンキーをカスタムしないなんて……」

 木下「そのうち改造しようかと考えているんですけどね」

 店主「改造ですか? うちはカスタム専門です。改造はしません」

 木下「でもタンクを変えたり、シートを載せ替えたり……」

 店主「カスタムです。改造ではありません」

森の中をドライブしていたら雰囲気の良いカスタムショップを見つけたので立ち寄ってみたのだが……

 いつしか“カスタム”と“改造”の違いに話が及んでしまった。面倒になって、早々に店を離れた。こだわりの店主にとっては、違法改造を想像させる“改造”と、時代を遡って雰囲気とオシャレを追求する“カスタム”は、まったく意味合いが異なるのだろう。

 なんとなくわかるような気がしたけれど、ちょっと面倒だったね。

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