一歩間違うと大怪我に!覚えておきたいバイクでの転び方
バイクのニュース / 2020年11月25日 9時0分
バイクはちょっとしたことで転んでしまう可能性がある乗りものです。初心者だけではなく、経験を積んだ熟年ライダーでもさまざまな原因によって転倒することもあります。転倒をしない技術を身に着けることはもちろんですが「怪我をしない転び方」を習得することはとても重要です。
■転倒の種類と原因
スノーボード初心者はまず上手な転び方から練習を始めるそうです。転び方が上手い人ほど怪我をしにくいためであり、これはバイクのライダーにも言えます。バイクが転倒する理由は大きく分けて、「立ちゴケ」「スリップダウン」「ハイサイド」といった3つが挙げられます。
その中でも一番多い原因は「立ちゴケ」です。立ちゴケは停車や低速時に起こるもので、文字通り立ったまま倒れてしまうことを言います。車体重量のあるバイクほど足だけでは支えきれず、バイクの重さに耐えられなくなった瞬間にバタンッと倒れてしまいます。普段から慣れたバイクであっても、その時にはいている靴や路面状況によっても大きく左右され、濡れた路面や砂が多い路面は特に足を取られやすくなっています。
次に多いのは「スリップダウン」です。これは走行時に起こる転倒で、主にコーナリング中にタイヤがグリップを失ってしまうことで起こります。走行中のポジションを保ったまま転倒するため、ライダーとバイクが一緒に横滑りをするようなイメージです。水たまりやマンホール、落ち葉などでタイヤが一瞬浮いたことが原因で転倒することが多いようです。
最後に「ハイサイド」は、タイヤがグリップを失いスリップダウンしそうになった瞬間、急にグリップを取り戻してしまったために、コントロールが出来ずに転倒してしまうことです。コーナーリング中に起こりやすい現象で、曲がる方向とは逆方向にバイクからライダーが投げ出されるため最も大怪我をしやすい転倒の仕方です。
バイクの転び方は停車時でも怪我をしてしまう場合もあれば、スピードが出ていたにも関わらず擦り傷だけで済んだといったこともあり、やはり正しい転び方を出来たかどうかで大きく左右されます。
■正しい転び方とは?
「立ちゴケ」は、硬い地面と重いバイクの間に片足を挟まれてしまうこともあり、最悪の場合は骨折といった怪我をすることもあります。これを防ぐためには、まずはライダーとバイクの相性が大切となります。自分の力量ではコントロールできないくらい、重いバイクを選んでしまうとリスクは大きいので、バイク選びもポイントです。もし立ちゴケをしそうになったらまずは、両足を広げてバイクに足をはさまれないようにすることが最優先となります。バイクを倒したくない一心で足を踏ん張り続けてしまうと、エンジンやフレームなどの硬い部分に挟まれてしまうこともあり大変危険です。
限界の速度域で走行するレースの世界では、ハイサイドやスリップダウンも起こります
「スリップダウン」は、転倒したまま慣性の法則で滑り続けるため、実際に転倒した瞬間は痛みを感じることは少ないようです。また、「ハイサイド」は一瞬の出来事となり体に振り落とされるくらいの力が加わるため、転び方を瞬時に判断するのは困難かもしれません。この2つに関しては正しい転び方というよりも、転倒そのものを防ぐ方法を知っておくのが良いでしょう。引きずられる摩擦によって擦り傷ややけどが生じることもあり、場合によってはその勢いで木やガードレール、最悪の場合は対向車線で走行しているクルマに衝突する危険もあります。無理なコーナリングをしないことと路面状況に応じた運転をすることが重要です。
転倒の原因や仕方にもさまざまな種類がありますが、正しい転び方として共通していることがあります。転倒時の被害を最小限にするテクニックはJAFによるとこのようにアナウンスされています。
まず、「ぶつかる可能性が高くても最後までブレーキをかけ続ける」。転倒すると分かっていてもブレーキをかけ続けることで可能な限り速度を落とすことがポイントとなります。必ず前後のブレーキを同時にかけ、ABS装置が搭載しているバイクであればためらわず全力でブレーキをかけましょう。
そして、「手足が広がらないよう身体を丸めましょう」。転倒後もライダー自身がどこかへ転がる可能性があるため、手足を丸めて自然に転がりが収まるのを待ちます。無理に手足を出して踏ん張ると、かえって関節などを痛めて怪我をする場合が考えられます。また、余裕がある場合は装着しているプロテクターを地面に擦り付けて身体にブレーキをかけたり、障害物に衝突しそうな場合はプロテクター部分が当たるようにコントロールするといったテクニックも有効になります。
最後に「まずは安全性の高いライディングウェアとプロテクターを装着」となっています。転倒時の怪我防止に重要なこととされ、負傷した場合の損傷部位は、1位が脚部、2位が腕部、3位が頸部と、腕と脚に怪我を負うことが多いようです。少しでも大怪我に繋がらないように、もしもの転倒時をシュミレーションし対策をしましょう。
※ ※ ※
すべてのライダーは転倒だけは避けたいと考えるのは当たり前のことです。たとえ停車時の立ちゴケであっても、愛車に傷がついてしまったというケースも少なくはありません。また、バイクの転倒事故では転倒時の怪我よりもその後の衝突先が生死を左右することも多く、カーブの多い山道ツーリングでは運悪く崖下に落下してしまったり、対向車に轢かれてしまったという悲惨な事故も発生しています。実際のバイクを使用して転び方の練習をするのは現実的な方法ではありませんが、いつでも転倒のリスクが潜んでいることを忘れずに乗車するように心がけましょう。
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