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ときどき見かけるバイクでの大音量音楽…これって違反になる?

バイクのニュース / 2020年11月30日 11時0分

街中を大音量で音楽を聴きながら走行しているバイクを見かけたことはないでしょうか?クルマと違って室内があるわけではないため、音漏れするのはしかたがないけれど「少し音量が大きすぎるのでは?」と思うこともあります。バイクでの大音量スピーカーは、違反にはならないのでしょうか。

■周囲に響きわたる大音量スピーカーはゆるされる?

 バイクに乗って好きな音楽を聴きながら走行したいと思っているライダーも多く、実際にスピーカーを装着しているバイクも少なくはありません。しかし、バイクの場合はクルマと違い室内がないため、走行音やエンジン音など周りの騒音が入り混じり意外とうるさい状況にあります。タンデム走行中に同乗者との会話をまともにするのが難しいほどです。

 そのため、バイクで音楽を聴くとなれば必然と大音量になってしまうのは避けられないのかもしれません。また、若者の中には外側にスピーカーを向け存在をアピールするように、意図的に大音量にしている場合もあるようです。

 この大音量が違反になるかどうかについては、実は明確な基準がないのが現状です。実際に何デシベル以上であれば違反になるといった法律もなければ、車外に音漏れするような音量で音楽やラジオを聴くことのすべてが違反となるわけではありません。

 実際に大音量で音楽を聴いていて警察官に違反切符を切られたといったライダーは「安全運転義務違反」を犯していた可能性が考えられます。安全運転義務違反は道路交通法第70条に明記されており「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定められています。

 この中で記載されている他人に危害を及ぼさない方法には、周囲の音を聞いて状況判断するといったことも含まれています。そのため、大音量の音楽のせいでパトカーや救急車などの緊急車両のサイレンが聞こえなかったり、他の車両のクラクションに気付かない状態にあってはいけません。安全運転義務違反を犯した場合、二輪車は違反点数2点・反則金7,000円となり、反則金を支払わなかった場合には3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金に科せられることになります。

■バイクで音楽を聴くための方法は?

 バイクが走行中に周囲の音を確認できる音量となれば、スピーカー音量はとても小さくしておかなければならず、まともに音楽を聴くことは難しいのかもしれません。そこで、どうしてもバイクに乗って音楽を聴きたいというライダーの中には、イヤホンといった手段を取っているライダーも多いようです。

バイク乗車中にイヤホンで音を聴くことは可能なのか?

 イヤホンで両耳を塞ぐのは違反では?と思っている人も多いようですが、バイクで走行中のイヤホンに関しても道路交通法上には明確な記載はありません。ここは警察官によっても違反になるかどうかの判断が曖昧で、グレーゾーンといった状況にあるのが現状です。

 両耳を塞いでいるのだから周囲の音が聞こえるはずがなく、安全運転義務違反に当たるといったケースもあれば、イヤホンをしていても会話が成立していたので注意だけで済んだといった事例もあるようです。JAFによる運転中のカーステレオの音量制限には、「大音量やイヤホン両耳着用で運転すると、違反対象になる可能性あり」「違反対象は、警音器や緊急自動車のサイレンなどが聞こえない状況」「密閉型イヤホンなど外界の音が遮断される場合は、小音量でも違反」の3つのポイントが挙げられています。

 また、神奈川県では道路交通法施行細則が改正され「自動車等の運転中にイヤホン等を使用して大音量で音楽を聴く等」が禁止されましたが、片耳のイヤホンは周囲の音が聞こえない状況には当たらないとされ、両耳のイヤホンも安全な運転に必要な音や声が聞こえる状態であれば違反にならないとされているようです。

※ ※ ※

 バイクで音楽をまともに聴くためにはイヤホンが一番手軽な方法と言えます。しかし、両耳が塞がっていることには変わりがないため、警察の判断によっては取り締まりの対象とされてしまうこともあるでしょう。また、イヤホンの音楽に集中するあまり、状況判断が鈍くなるといったことも考えられるため、事故やトラブルのきっかけにもなりかねません。

バイク用Bluetoothインカムは話すことも音楽を聴くことも可能

 最近はヘルメットスピーカーといったアイテムも登場しており、ヘルメット内部のスピーカーから音が流れる仕組みのため、耳を塞ぐイヤホンよりは安全といった考えもあるようです。インカムで周囲のライダーと会話するのではなく、聞くだけのインカムといったイメージでしょうか。

 しかしながら、どのようなアイテムであっても周囲の音が聞こえない状況は違反には変わらないため、ライダー自身がそれぞれの安全な基準を決めておくことが大切と言えるのではないでしょうか。

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