ピレリの新しい250cc用タイヤは最高にピレリらしかった
バイクのニュース / 2020年12月8日 13時0分
ピレリ・ジャパンは、250ccロードスポーツ用の新タイヤ、バイアスの「ディアブロ・ロッソスポーツ」とラジアルの「ディアブロ・ロッソIII」の発売に当たり、タイヤを販売する2りんかんのスタッフ向きに、白糸スピードウェイで試乗会を開催。ここではジャーナリストの和歌山利宏にその特性を綴ってもらいました。
■バイアス、ラジアルそれぞれの新タイヤ登場
ピレリ・ジャパンは、250ccロードスポーツ用の新タイヤ、バイアスの「ディアブロ・ロッソスポーツ」とラジアルの「ディアブロ・ロッソIII」の発売に当たり、タイヤを販売する2りんかんのスタッフ向きに、白糸スピードウェイで試乗会を開催。ジャーナリスト向けの走行時間枠を設けて頂き、私、和歌山利宏が参加いたしました。
ミニバイクコースの白糸スピードウェイは、試乗車のニンジャ250やYZF-R25でも2速か1速でコーナーを回る低速コースながら、コーナーはバラエティに富み、シビアにハンドリングを見ることができます。さらに、比較用として、250cc用の定番バイアスであるIRC「RX-02」と、このクラスのラジアルタイヤとして定評を得ているブリヂストン「バトラックスTS100」も用意され、タイヤの特徴とポジショニングを知る良い機会となりました。
結論を先に言ってしまうと、ピレリのバイアス、ラジアルそれぞれの新タイヤは、実にピレリらしいスポーティさが印象的だったのです。
■シャープな旋回性が特徴のロッソスポーツ
ロッソスポーツはバイアスらしく進入からフルバンクまでリニアに特性が変化、素直な特性で、誰もがすんなり身体に馴染むはずです。ラジアルのように荷重を掛けてタイヤを潰し接地感を高めてやるといった意識を持つこともなく、日常走行にも向いています。
ピレリ製の最新バイアスタイヤ「ディアブロ・ロッソスポーツ」
ところが、このロッソスポーツは、一般的なバイアスとは一線を画すスポーティさを備えています。シャープにコーナーに切り込んでいくのは胸が透く気分です。
その点、IRCのRX-02はスポーティさの中にマイルドさがあります。攻める意識を強要せず、乗り手に優しく、疲れないかもしれません。そして、一昔前のバイアスとは違い、バランスの取れた柔軟性による接地感が伝わってくるのが好印象です。
このロッソスポーツも当然、今日的に進化したバイアスを思わせます。でも、コーナーに進入していくと、タイヤから「もっと寝かし込みながら早く向きを変え、スロットルを開こうよ」と挑発されるかのようです。もっとも、挑発に乗らなくともハンドリングはニュートラル性を維持、スパルタンなわけではありません。コーナーをさらに攻めるためのポテンシャルを秘めているということです。
ピレリ製の最新バイアスタイヤ「ディアブロ・ロッソスポーツ」。腰で狙ったラインを狙いすまし、トレースしていく感じがいいでしょう
走り方としては、腰で狙ったラインを狙いすまし、トレースしていく感じがいいでしょう。バイアス時代のレーシングマシンの走りを思わせ、なかなか趣きがあります。ラインを躊躇すると、シャープな旋回性と軽快さが災いしてか、やや不安定になるきらいがありますが、それだけに乗りこなす面白さも奥が深いと言えましょう。
■フルバンクに向かって高い接地感と旋回性が維持されるロッソIII
ラジアルタイヤは、柔軟なサイドウォールが撓(たわ)んで情報と吸収性を高めてくれる一方、ベルトで固められたトレッドが安定した接地力を提供してくれます。「タイヤをツブして曲げる」と表現されるのも、そうした剛性バランスゆえです。
ピレリ製の最新ラジアルタイヤ「ディアブロ・ロッソIII」
このロッソIIIは、一次旋回が終わるタイミングの荷重の高まりで、タイヤのツブレ感とそれによる接地感が強く明確に感じられます。しかも、ピレリの他のラジアルにはない柔軟性です。同じロッソIIIでもビッグバイク用とは異なり、軽量級向きにアレンジされていることは明らかです。
もちろん、そのことで挙動を乱すことはありません。接地感と旋回力が高まるだけでなく、さらにはフルバンクに向かって接地感と旋回力が維持されていきます。この特性は、一次旋回が終わるタイミングで身体をコーナーに飛び込ませるように、大きく上体をインに入れていく走りに導いてくれます。今回は条件もあって私の走りはそうはなっていませんが、今風のレーシングスタイルに導いてくれそうなワクワク感があります。
これからすると、バトラックスTS100はラジアルらしいツブレ感と接地感の高まりに勝るとも劣らないものがあっても、それが乗り手への安心感に生かされています。いざ本格的に寝かし込まんかというタイミングで、自信を与えてくれるのです。その意味で、多くのライダーに支持されそうな印象です。
ラジアルのロッソIIIがコーナーをもっと攻め込もうという本能に応えてくれることは、バイアスのロッソスポーツにも通じる持ち味ですが、両者のライディングは異質です。
ピレリ製の最新ラジアルタイヤ「ディアブロ・ロッソIII」。ロッソスポーツに対し、ロッソIIIはダイナミックに身体を動かしていくことになります
腰でラインをトレースしていくロッソスポーツに対し、ロッソIIIはダイナミックに身体を動かしていくことになりますし、そうした大胆な走りにもマシンは安定性を維持、寛容性を持ち併せています。
これらはどちらもピレリらしいうえに、バイアスとラジアルの特徴が生かされるだけでなく、軽量級向きに昇華されています。そのことはタイヤを技術的に注目すれば明らかなのですが、それはまた次の記事に譲りましょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
上質な乗り心地が最高! 軽二輪クラスのスクーター5選
バイクのニュース / 2024年11月22日 9時10分
-
ホンダの「ド迫力“ウィング”」の効果がスゴイ!? 日常でも“効果アリ”な「実効空力」ってホント? 進化したエアロパーツを試してみた
くるまのニュース / 2024年11月13日 22時10分
-
どちらが正解!? 細いタイヤと太いタイヤ、太さを変えると走りに違いは生まれるのか?
バイクのニュース / 2024年11月7日 9時10分
-
ヤマハの自動変速機構「Y-AMT」搭載車に注目が集まるが…… 「MT-09」の最上級モデル「SP」は何が凄い?
バイクのニュース / 2024年11月5日 8時10分
-
「これは“走るミニバン”だわ!」静かでパワフル! 日産セレナAUTECH SPORTS SPECが生み出す“走る喜び”とは?
レスポンス / 2024年10月28日 10時0分
ランキング
-
1風邪の初期症状の正しい理解と市販薬の使い方を知る…「ひき始めに服用する」わずか4%
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月26日 9時26分
-
2「空中ドローン空母」をウクライナ軍が公開 自爆ドローンを複数搭載可能 創作物の話が現実に?
乗りものニュース / 2024年11月26日 11時42分
-
3「運転する夫に『間違えてばっかり!』と怒鳴ったら、路肩に急停止。怖くて大ゲンカしましたが、私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「お前が運転しろ」「料理してる時に言われたらどうする」の声も
くるまのニュース / 2024年11月26日 12時10分
-
4「50代でモテている男性」3つの特徴。見た目が渋くてカッコいい「イケオジ」じゃなくてOK
日刊SPA! / 2024年11月26日 15時52分
-
5とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください