けっこう厳しい自転車のルール違反。自転車運転者講習制度とは?
バイクのニュース / 2020年12月18日 9時0分
自転車に乗っている人のなかには「自転車運転者講習制度」を知らずに走っている人も多いのではないでしょうか。誰でも気軽に乗ることができる自転車だからこそ危険行為を理解しておく必要があります。自転車運転者講習制度とは一体どんな内容なのでしょうか?
■自転車運転者講習制度とは?
平成27年6月1日より施行された自転車運転者講習制度は自転車に乗るすべての人が対象になる制度となります。制度が施行された背景には、スピードの出やすいスポーツバイク人口の増加や、スマホの普及によってながら運転による事故が目立つようになり、自転車での安全運転の大切さを促すことが目的とされています。
警視庁による自転車運転者講習制度の概要は「自転車の運転による交通の危険を防止するための講習(自転車運転者講習)制度は、自転車の交通ルール遵守を徹底するため、自転車の運転に関し一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上行った者に対し、都道府県公安委員会が講習の受講を命ずるもの。」とされています。
一定の違反行為には15項目の違反行為があり、3年以内に2回以上の違反行為をした場合には自転車の利用責任についての安全講習受けなければなりません。この講習はただ聞き流していれば良いといった訳ではなく、どれだけ自転車の交通ルールや安全責任を理解しているかのテストも実施される重要なカリキュラムとなります。このテストに合否はなく、点数が低いからと言って再テストや再講習はありませんが、最後には講習で学んだことについての感想文を書かなければならず、真剣に反省しているかどうかの良心が問われる講習と言えます。
受講命令は各都道府県の公安委員会が受講命令書を交付し、3ヶ月以内に講習を受講する必要があります。受講時間は約3時間で、手数料として6000円が徴収されます。この命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金が科せられることになります。
■実はこんなにある!対象となる15の違反行為
子どもから大人まで多くの人が気軽に乗れてしまう自転車だからこそ、安全快適に乗るためにルールがとても重要となってきます。昨今ではコロナウイルス感染症の影響により「密」が避けられる需要のある乗りものとして注目され、自転車ユーザーも増加傾向にあるようです。違反行為の15項目はどれも事故につながりかねない危険な行為となりますが、何気なくやってしまっていないかいまいちど確認しておきましょう。
自転車にも道路交通法が適用されます
まず、道交法第7条で定められている「信号無視」は、信号機に従わなかった場合に違反となります。道交法第8条第1項の「通行禁止違反」は自転車の通行禁止の標識がある道路を通行するのを禁止しています。道交法第9条の「歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)」は、歩行者と一緒の道路を走行する場合は徐行しなければなりません。道交法第17条第1項、第4項又は第6項の「通行区分違反」は、条件に当てはまる人以外は歩道の走行を禁止しています。
自転車での踏切進入時は停止と安全確認を行わなければなりません
道交法第17条の2第2項の「路側帯通行時の歩行者の通行妨害」は、路側帯を走行する際は歩行者の歩行を妨げるのを禁止しています。道交法第33条第2項の「遮断踏切立入り」は、踏切進入時は停止と安全確認を行わなければなりません。道交法第36条の「交差点安全進行義務違反等」は、信号機がない交差点でも交通ルールを守る必要があります。道交法第37条の「交差点優先者妨害等」は、交差点内では左折車を優先しなければなりません。
道交法第37条の2の「環状交差点安全進行義務違反等」は、環状交差点では他の車両の交通妨害を禁止しています。道交法第43条の「指定場所一時不停止等」は、一時停止の標識がある場合は無視をしてはいけません。道交法第63条の4第2項の「歩道通行時の通行方法違反」は歩道を走行する際は車道側を徐行走行することとなっています。また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければなりません。
道交法63条の9第1項の「制動装置(ブレーキ)不良自転車運転」は、ブレーキがないピストバイクの走行を禁止しています。
道交法第65条第1項の「酒酔い運転」は、アルコールを摂取しての運転を禁止しています。道交法第70条の「安全運転義務違反」は、運転者が遵守事項を守り安全運転に務める必要があります。道交法第117条の2の2第11号、第117条の2第6号の「妨害運転」は、交通の危険の恐れがある運転を禁止しています。
※ ※ ※
自転車運転者講習制度が施行した平成27年6月~平成28年5月までの1年間に講習を受講した人数は24人で、多くみられた違反行為は「制動装置不良自転車運転」が26件、「信号無視」が15件となっています。なかでも自転車の運転に慣れているはずの20代の受講者が多く、交通ルールを再確認する機会を増やしていくことがこれからの課題となります。講習を受けたからと言って反省していなければ意味がなく、自転車も死亡事故につながる危険な乗りものだと再認識することが必要ではないでしょうか。
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