大手二輪メーカーからも発売を期待せずにはいられない! 電動原付2種スポーツバイク「Super Soco TSx」
バイクのニュース / 2021年1月4日 11時0分
電動バイクはスクータータイプが主流の中、スポーツモデルのようにまたがって操るのが「Super Soco(スーパーソコ) TSx」。原付2種や電動モデルの試乗経験が豊富なバイクジャーナリスト青木タカオさんが試乗しました。
■小柄な車体に前後17インチの足まわりをセット
「Super Soco」はオーストラリア Vmoto社の電動バイクブランドで、定格出力1000Wの「TSx」は日本では原付2種登録。AT小型自動二輪免許があれば運転可能です。
メイン/サブフレーム分割タイプのフレームに、インナーチューブ径35mmの倒立式フロントフォークとアジャスタブル式モノショックリアサスペンションを備え、前後17インチホイールを組み合わせた車体は本格的。サイズ感はホンダCB125Rよりひと回り小さく、グロムよりは大きいといった印象です。
車体寸法(全長?全幅?全高)
TSx=1895×703×1066mm
CB125R=2040×820×1055mm
グロム=1755×730×1000mm
シート高は770mmとスペック値は高めですが、スリムな車体もあって足つき性は良好。身長175cmの筆者だと、両足カカトまでベッタリ地面に届きます。
電動原付二種モデルSuper Soco「TSx」
車体重量はバッテリー2つを積んでも約84.5kgと軽量なので押し引きは容易く、取り回しに不安はありません。ゆったりとしたライディングポジションながら上半身がゆるやかに前傾し、スポーティな構えと言えるでしょう。
LEDヘッドライトは楕円6角形で、デイライトがロー/ハイブームを取り囲むようにレイアウト。先進的かつ戦闘的なフロントマスクで、軽快な走りを期待せずにはいられません。外装はメインカラーとクリアがダブル塗装され、美しい光沢と発色を実現しました。
電動原付二種モデルSuper Soco「TSx」。燃料タンクに相当する位置にリチウムイオンバッテリーが搭載されています
従来なら燃料タンクに相当する位置にリチウムイオンバッテリーが格納され、最大2つのバッテリーを積み込むことが可能です。航続距離は1バッテリーなら55~60kmのところ、2バッテリーなら110~120kmとそのまま倍増。ただし、2つ搭載しても航続距離が伸びるだけで、最高速やパワーフィールには影響しません。税込み車体価格は1バッテリーモデルが32万7800円、2バッテリーモデルが43万7800円となります。
充電は家庭用100V電源ででき、バッテリーを車載したまま車体右側シート下にあるプラグに充電器をつなげるか、あるいはバッテリーを外して単体でチャージすることも可能です。いずれもバッテリー1つをフル充電するのに8時間を要します。
■3つのモードで走りをコントロール
リモコンでロックを解除し、ステアリング下のPOWERボタンを押せば、起動を知らせる軽やかなサウンドとともに電源が入ります。さらにサイドスタンドを格納し、ハンドル右の赤いボタンを押せば発進可能に。駐車状態の「P」、アクセルをひねれば走り出す「READY」、それぞれをインジケーターが知らせてくれるので誤発進を防ぎます。
電動原付二種モデルSuper Soco「TSx」。視認性に優れたメーターが採用されています
無音のままスムーズに走り出し、車体の動きも軽快。発進加速が鋭いのは電動モーターの特性で、低速域が力強い印象です。走行モードが「エコ」「ノーマル」「スポーツ」と3つあり、その名の通り「エコ」では電力消費を抑えて走り、「スポーツ」では動力性能をフルに発揮してくれます。
アクセル開度と比例するように電流値(アンペア)がメーターディスプレイにバーグラフ式で表示され、まるでタコメーターのよう。外気温や走行モードのほか、バッテリー残量も絶えず見ることができ、電力が少なくなれば「エコ」モードでアクセル開度を控えめになどと、状況に応じたライディングができます。
BOSCH製モーターは後輪をダイレクトに駆動するインホイール式で、FOCベクトルコントローラーが効率的に高出力を引き出せるよう制御。前後サスペンションが衝撃を吸収し、減速時もディスクブレーキが余裕を持ってストッピングパワーを発揮してくれます。
■バイク初心者にもとっつきやすい
アクセルを捻るだけで進み、クラッチレバー操作やギヤチェンジは一切不要。TSxではスクーターのようなイージーな操作性を実現しつつ、スポーツバイクのようにシートに跨って車体を操ります。バイクビギナーにも気軽に乗れ、電動から入門しガソリンエンジン車へステップアップという新しい流れも今後予想されます。
電動原付二種モデルSuper Soco「TSx」と筆者(青木タカオ)
固定概念にとらわれないフレッシュなエントリー層が、バイクの楽しさに気づく。そんなことになったら嬉しいではありませんか。「Super SocoTSx」に期待するとともに、大手二輪メーカーからもこういったモデルが登場するのを待っています。
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