the「燃費」容量24Lタンクで夢見る冒険ツアラー ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツES DCT」実走計測!!
バイクのニュース / 2021年1月23日 11時0分
ホンダの大型アドベンチャーバイク「アフリカツイン」は“True Adventure”をコンセプトにツーリング性能にこだわった冒険マシンです。2020年モデルとなったDCT仕様の実走燃費はどれくらいなのでしょうか?
■意外にもビッグファミリーな「アフリカツイン」たち
2016年、長い沈黙を破って復帰したホンダの大型アドベンチャーバイク「Africa Twin(アフリカツイン)」を、世界のアドベンチャーバイクファンは喜んで迎えました。その人気をしっかりキャッチアップすべく、2018年にはマイナーチェンジを果たし、そして2020年モデルとして、現行の「CRF1100Lアフリカツイン」シリーズへとキープコンセプトのフルモデルチェンジを受けています。
2021年1月現在、国内で販売される「アフリカツイン」ファミリーは、燃料タンク容量、サスペンション、クラッチ付きMT、DCTなどの装備違いにより、全10バリエーションから選択できます。
今回は、冒険ツアラーあるあるで「満タン〇〇kmは走る」という夢広がる皮算用を実際にthe「燃費」ルートで調べてみました。乗り出したのは、前185mm、後180mmというホイールトラベルを持つ「CRF1100Lアフリカツイン・アドベンチャースポーツES<DCT>」で、売価的には税込205万7000円という、シリーズのトップランカーです。
■嬉しい容量24Lタンク、しかもレギュラーガソリンOK!!
海外ブランドのアドベンチャーモデルのほとんどがプレミアムガソリンを要求するのに対し、アフリカツインはレギュラー指定です。ガソリンスタンドにあるデジタル表示されたレギュラー、ハイオクの価格表示や、好むと好まざるとに関わらず単価の高い高速道路のサービスエリアでの給油も、ちょっと嬉しい気分になるのも事実。もちろん、それは「燃費がよければ」という条件も加わりますが。
いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ
カタログによると「CRF1100Lアフリカツイン」シリーズの燃費は、定地燃費値(60km/h走行、2名乗車時)が32km/lで、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時)が21.3km/lであり、これはMT、DCT、スタンダードモデル、アドベンチャー・スポーツともに共通です。
先代より排気量は998ccから1082ccへと増えていますが、カタログ値では定地燃費値は同じ、WMTC値も21.6km/lからコンマ3ポイントダウンにとどめたのは立派と言えるでしょう。
the「燃費」では走行距離、平均燃費とももメーター内にあるトリップメーターと平均燃費計の数値をもとにしています。燃費計測は、市街地1セクション、高速道路2セクション、ツーリングルートである快走路を3セクションで計測。毎回同じテストルートを走り、他機種でテストをしたペースとムラがないよう心がけ、低燃費記録に特化した運転はせず、交通状況とその時の流れに合わせた走りをしています。
■市街地燃費は意外に伸びず……な印象
クラッチ操作不要のDCTモデルでは、もっともベーシックな「AT」モードの「D」モードで走行しました。ライディングモードは「TOUR」です。市街地走行燃費は都内外苑周辺から国道246号線を都心方向へ、そのまま数寄屋橋、銀座、晴海を抜け首都高湾岸線沿いの国道357号線東雲周辺までを計測しています。
走行モード切り替えやニュートラル、クルーズコントロールなど、ハンドル右のスイッチボックスで操作
午前9時半スタートだったので、朝のラッシュは一段落。2500rpmほどでシフトアップを続けるDCTは、低い回転域を使いながら持ち前のトルクが生む加速はなかなか。燃費も期待したのですが、信号待ちが長く、結果は15.3km/lという結果に。同区間でスズキ「V-Strom 1050XT」の場合は16.3km/lでした。市街地走行は12.2kmと短く、イッパツ勝負で信号待ちのタイミングも影響するため、過去の経験では青信号が連続すると燃費も2km/lほど伸びることもあるので、印象としては「だいたい同じぐらい」とうものでした。
■高速道路でクルーズコントロール機能は、やっぱりありがたい!
高速道路燃費の計測は2回行ないます。1回目の往路はアクア連絡道「木更津IC」から、館山道「富浦IC」出口直近のコンビニエンスストアの駐車場まで、53.4km区間で計測します。
ホンダ「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」(2020年型)カラー:パールグレアホワイト(トリコロール) ※スタンダード設定のローダウン仕様
制限速度は80km/hから100km/hへ、また80km/hとなってから70km/hへと変化する区間で、アップダウンが多く、平坦路が少ない印象です。この往路区間では26.7km/lを記録しました。
スロットルバイワイヤーとなりアクセル操作力が先代よりも軽くなったものの、やはりクルーズコントロールの恩恵は有り難く、ほぼ全線で活用しています。また、ウインドプロテクション性能が高いアドベンチャースポーツだけに、快適度はさすがです。
高速道路燃費計測2回目となる復路は、館山道「富津中央IC」からアクア連絡道「木更津金田IC」までの区間25.2kmです。この区間の制限側道は100km/hから80km/hとなり、アップダウン区間が100km/h制限、平坦路が多いアクア連絡道が80km/h制限となります。この区間の燃費は25.9km/lでした。2区間の平均燃費は26.3km/lとなり、以前計測した「V-Strom 1050XT」は平均25.9km/lでした。
■DCTならでは! シフトプログラムの違いが数値に出た!?
快走路燃費は、房総半島南部の一般道を3つの区間に分けて計測しています。
the「燃費」の設定ルート。房総半島最南端エリアにて
区間1は、高速道路燃費計測後の「富浦IC」直後からほどなく内陸に入り、安房グリーンラインを経由して半島南端エリアへ。一部平坦区間があるものの、グリーンラインはアップダウンが連続するルートです。この21.6km区間ではのんびり走る車の追走時間が長く、その速度と上り区間の関係でDCTのシフトプログラムが4速、5速走行が多かったためか意外に伸びず、22km/lでした。
「AT」モードから「MT」モードにすれば6速に入るのですが、「AT」モードの「D」モード選択だと5速ホールドが多かったのが印象です。そのためか、MTミッションで6速走行ができた「V-Strom 1050XT」がこの区間で記録した25.2km/lと差が出る結果になりました。ちなみに「CB1300SF SP」では、この区間6速走行がほとんどで22.5km/lでした。
DCTは燃費悪いの? と結論付けるにはまだ早い! ということで、区間2の南端エリアから国道410号、県道34号を経由して「大山千枚田」まで。アップダウンはありながら流れが良く(といっても、この日の区間1とメーター読み5km/hから10km/h程度の差)、6速ホールド区間が多かったこともあり、38.6kmを走行して燃費は26.4km/lでした。ここでは「V-Strom 1050XT」の25.7km/lを上回り、「CB1300SF SP」の23.6km/lもラクラク超えています。
快走路区間3は「大山千枚田」から県道183号線もみじロードを経由し、館山道「富津中央IC」までの26kmで計測します。この区間もアップダウンが多く、ワインディングがあるためライダーには人気のルートです。区間1同様ペースと上りの関係から5速ホールドの時間が長く、結果は23.9km/lに。「V-Strom 1050XT」が26.8km/lだったことから、わずかにペースアップしても6速を多用することで燃費が好転する傾向が解りました。
■一度、MTモデルでも検証してみたい
DCTモデルの特性が解った今回、アフリカツインのMTモデルがどうなのか、興味が沸きました。参考まで、市街地走行の燃費計測後、アクアライン経由で木更津まで移動した37.3km区間、交通量が多いながらも70km/hから80km/hで移動できた区間では27.7km/lと、ポテンシャルは確認ズミ。ペースが落ちるとしっかりシフトダウンするDCTの特性が、結果的に下振れする場面もあった、というのが今回の結論になります。
クラッチ操作不要のDCTタイプはハンドル左にクラッチレバーは無く、パーキングレバーを装備
■ホンダ「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES DCT」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:177km
市街地:15.3km/l
高速道路:26.3km/l
快走路:24.1km/l
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