爽快な走り!! スズキの油冷単気筒ロードスポーツ「ジクサーSF250」が秀作なワケ
バイクのニュース / 2021年2月9日 11時0分
スズキ「ジクサーSF250」は、排気量250ccの油冷単気筒エンジンを搭載する、同クラスのモデルラインナップでは独自路線を貫くロードスポーツモデルです。その特徴をライターの伊丹孝裕さんが解説します。
■これぞスズキの真骨頂!! 2輪にも貫かれたメーカーの姿勢
スポーツシングルやライトウェイトスポーツ、ボーイズレーサーという言葉を思い浮かべ、キュンとしてしまうのは例外なく元ボーイズ、つまりは現オッサンでしょう。パワーを持て余しているビッグバイクを軽量マシンで追い回し、タイトなコーナーでインをズバッと刺す。実際に公道でやってはダメですが、スペックより腕で優位に立つシーンを想像すると心躍るものがあります。
こんなことを思ったのは、スズキの250ccスポーツ「ジクサーSF250」(以下、ジクサー)に乗ったからです。このバイクには、そういうイメージを掻き立てる一体感があり、爽快そのもの。250ccクラスの在り方として、とても健全なものに感じられました。
実際、車重は158kgに過ぎません。この数値は、ホンダ「CBR250RR」=168kgや、ヤマハ「YZF-R25」=170kg、スズキ「GSX250R」=178kg、カワサキ「Ninja ZX-25R SE」=184kg、カワサキ「Ninja250」=166kgといった同排気量モデルより圧倒的に軽く、ヒラヒラと軽快なハンドリングを披露。その様は、ホンダ「CB250RS」(1980年)や、ヤマハ「RZ125」(1982年)、「SDR」(1987年)といった往年のコーナリングマシンを彷彿とさせます。
搭載されるエンジンは単気筒です。それゆえ最高出力は26PSと控えめながら、低回転域から厚みのあるトルクが引き出されているところが好印象です。スロットルを開けるとすぐさま「タタンッ」と力強く反応し、力不足を感じる場面はありません。その冷却方式には油冷が採用され、水冷に対してシンプルな構造を実現。軽さとスリムさを追求することによって高い機動力が確保されているというわけです。
新開発の排気量249cc油冷単気筒エンジンを搭載するスズキ「ジクサーSF250」
そして、なにより見逃せないポイントが48万1000円という価格(消費税10%込み)ではないでしょうか。車重同様、他モデルを引き合いに出すと次の通りです。
■車両価格(消費税10%込み)
ホンダ「CBR250RR」 85万4700円
ヤマハ「YZF-R25」 65万4500円
スズキ「GSX250R」 54万8900円
カワサキ「Ninja ZX-25R SE」 91万3000円
カワサキ「Ninja250」 65万4500円
ご覧の通り、イニシャルコストのお得感はぶっちぎり。2020年のヒット作、ホンダの「CT125・ハンターカブ」が44万円なことを思えば、スズキのがんばりは大いに評価されるべきでしょう。
いつぞや、スズキの鈴木修会長は「軽は貧乏人のクルマ」とぶちかまし、物議をかもしたことがあります。もちろんこれはユーザーをさげすむものではなく、「軽は人々の足として手に入りやすい価格であるべき。付加価値をつけてやたらと高く、重くなっていくのはいかがなものか」というのが真意でした。中小企業のおやじを自称する会長らしく、ユーザーの立場に寄り添った発言だったのです。
装備重量158kgのスズキ「ジクサーSF250」はコンパクトなエンジンとフレームにスポーティなデザインのフルカウルを装備。スイングアームマウントリアフェンダーを採用
そういう姿勢は2輪にも貫かれていて、例えばジクサーの燃費は37.7km/l(WMTCモード値)を公称。超高回転型の4気筒エンジンを搭載する「Ninja ZX-25R SE」は18.9km/lですから、ほぼ2倍なのです。それぞれのモデルの立ち位置は異なるとはいえ、 ランニングコストの面でも企業努力が伺えます。
単気筒という形式上、それほど高回転までは回りませんが(レブリミットは10000rpm強で作動)、6000から8000rpmあたりの鼓動感はとても心地よく、小まめなシフトチェンジでその領域をキープする醍醐味はスポーツライディングそのもの。のんびり走りたい時は力強いトルクに任せておけばよく、いかように応えてくれる懐の深さが魅力です。
切削加工が施されたホイール、上質な塗装を持つエンジン、グリップ力に優れたラジアルタイヤの採用、クラス唯一のスイングアームマウントフェンダーなど、その仕上げや装備にも見どころが多く、「この価格だからこんなもの」というあきらめを必要としません。
スズキ「ジクサーSF250」に試乗する筆者(伊丹孝裕)
ビギナーが初めての1台に選んでも、ベテランが手軽なセカンドバイクとして手に入れても不満のない、秀作スポーツバイクが「ジクサー」なのです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
やっぱりカッコいい! 1970年代生まれの空冷ネイキッド5選
バイクのニュース / 2024年7月28日 9時10分
-
バイクはやっぱり4気筒!と思っているライダーが今乗っておくべき国産マシン
&GP / 2024年7月28日 7時0分
-
レトロな単気筒から電動バイクまで注目マシンが続々!普通二輪免許で乗れるトライアンフが最注目【GP2024上半期AWARD】
&GP / 2024年7月25日 20時0分
-
バイクのハンドル「セパハン」と「クリップオン」何が違う?
バイクのニュース / 2024年7月16日 11時10分
-
2024年も折り返し! 暑い夏を乗り越え、下半期に乗りたい新型バイクたち〜高梨はづきのきおくきろく。〜
バイクのニュース / 2024年7月8日 18時10分
ランキング
-
1「上司が怖い」と思うときランキング、上位は? - 対処法1位は「できるだけ関わらない」
マイナビニュース / 2024年8月5日 9時18分
-
2落語界最長老の桂米丸さん死去、99歳…テレビ番組の司会でも活躍
読売新聞 / 2024年8月5日 10時17分
-
3やってはいけないお米の保存方法とは? 正しい保存場所や賞味期限を詳しく解説!
オールアバウト / 2024年8月3日 20時45分
-
4なぜ?株主優待廃止を発表した4社 それぞれの理由を比較
MONEYPLUS / 2024年8月5日 7時30分
-
5「がんが消える」「血液サラサラ」を信じてはいけない…専門家が指摘「買ってはいけない健康食品」を見分ける方法
プレジデントオンライン / 2024年8月5日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)