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the「燃費」天才的官能性能!! 3気筒エンジンを搭載するヤマハ「MT-09 SP」の実燃費を測る

バイクのニュース / 2021年2月20日 11時0分

2021年のモデルチェンジを控えた2020年型のヤマハ「MT-09」のアップグレード仕様「MT-09 SP」でツーリング燃費をチェック。実際に走って計測しました。

■この顔が好きなら、今がチャンス?

 独特のトルク感、独特のサウンド、スムーズさの中に香るパワフルさ……これが直列3気筒エンジンが持つ個性です。それをアルミダイキャストフレームに搭載し、ネイキッドともストリートファイターともどこか一線を画す「ヤマハデザイン」の外装でまとめた「MT-09 SP」(2020年型)は、各部をアップグレードし、SPシリーズで統一感のある塗色とするなど、装備にもカスタムテイストを入れ込んだモデルです。

 先に試乗記でもお伝えした通り、このモデルは2021年にはフルモデルチェエンジ版へと代替を予定しています。パッケージとしてはキープコンセプトを護りながら、切れ長の目のような2灯式ヘッドライトは単眼式へと変わり、新しさと初代とのつながりも打ち出すかのようです。

 直列3気筒とMTらしいパッケージは不変なので「顔で選びたい!」という方は、このカタチが新車で手に入る時間は、そう長くはなさそうです。

 そこで現状「MT-09」の燃費はどうなの? という素朴な疑問を明かすべく「the燃費」取材班はいつものコースに「MT-09 SP」を連れ出したのです。

 the「燃費」では毎度同じルート、同じ区間で燃費を計測します。文中に出てくる距離は、テスト車のメーター内にあるトリップメーターが示した距離、燃費データは車載の平均燃費計の数値をもとに計測しています。交通の流れに合わせた走りを心がけた、燃費参考記録バラエティです。

「MT-09 SP」に搭載されているライディングモードは「STD」で燃費の計測をしています。カタログスペックでは、定地燃費値(60km/h走行、2名乗車時)は29.4km/l、WMTCモード値(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時)の数値は19.7km/lとなっています。

■市街地すら楽しい走り!

 the「燃費」市街地ルートは、都内外苑付近をスタートし、国道246号線で皇居へ。丸の内のオフィス街を経由して銀座、晴海を走り抜け、首都高湾岸線沿いの国道357号線沿いまでを計測します。朝の通勤時間帯と重なり、交通量、信号待ちは多め。移動時間に占める停止時間が多いのが特徴です。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

「MT-09 SP」のエンジンはトルクフルでスムーズ。高いギアでもスルスル進むので、低いエンジン回転数で移動が可能です。6速で流れに乗っていても、ひと開けで加速するパンチ力を持ち、退屈しません。青信号が続くと平均燃費計はおおよそ20から21km/lあたりを行き来し、12.3kmを走行して21.2km/lを記録しました。

■我慢(?)の高速道路、低回転域でスルスル走り好燃費

 市街地燃費計測をすませ、続いて高速道路と快走路の計測スタート地点となる「千葉フォルニア」(木更津市)へと移動します。

千葉県木更津エリアをスタート&ゴール地点として、ヤマハ「MT-09 SP」でツーリング想定のルートを走り、燃費を調査

 その後、アクア連絡道の「木更津IC」を出発し、館山道の南端となる「富浦IC」までを高速道路の第1区間とし、戻りの館山道「富津中央IC」からアクア連絡道「木更津金田IC」までの2区間で高速道路燃費を計測しています。往路は制限速度が80km/hから100km/hへ、また80km/hとなってから70km/hに、復路は100km/hから80km/hと変化します。

「MT-09 SP」は高速道路巡航を余裕でこなします。以前、120km/h制限の道で80km/hから120km/hまでも瞬殺で増速する力を持っていることも確認しました。加速の誘惑は、まさにこのエンジンの持ち味です。今回はそれを忘れて流れに合わせた走りに徹します。

 さて、往路区間54.2kmを走行し、燃費は27.5km/l、復路は25.6kmを走行し、28.7km/lとなりました。その平均は28.1km/lです。アップダウンの多い区間を走る距離が長い往路のほうが平均速度は低いにも関わらず、数値的には復路より低めとなったのは、6速のままどこでもスルスル走れる分、低い回転領域でトルクを出すから? と想像します。この傾向は以前「the燃費」でテスト済の「XSR900」とも共通します。

■快走路で誘惑する3気筒エンジン

 一般道のツーリング燃費は、館山道の終点「富浦IC」出口付近から開始します。房総半島のお馴染みツーリングルートは、信号が少なくまさに快走路。3区間を計測します。

ツーリングでの燃費はどうなのか? ヤマハ「MT-09 SP」(2020年型)を走らせる筆者(松井勉)

 区間1は「富津IC」出口近くのコンビニから計測スタートし、ほどなく内陸にアクセス。安房グリーンラインで南端エリアまで。区間2は南端エリアから国道410号線で海岸線を移動して途中から北上し、県道34号経由で「大山千枚田」へと向かいます。そして最終の区間3は「大山千枚田」から紅葉ロードを辿り、館山道「富津中央IC」までとなります。

 今回「MT-09 SP」は、区間1が21.9kmで29.4km/lを記録し、区間2が39.2kmを走り30.3km/lとなり、区間3の26.1kmで29.9km/lとなりました。ツーリング速度で平均29.9km/lをマークです。

 快走路ルートは海岸線を除き、アップダウンが多いのが特徴です。同速度を維持する場合でもアクセルの開閉が多く、ワインディング区間で流れに合わせた走りでもファンライディングを楽しめます。

 3気筒エンジンの真骨頂は、むしろツーリングルートを楽しみながら実感しました。交通量と信号が少ないルートなのでほとんどを6速で走れてしまうフレキシビリティとトルクが魅力です。

 時折、カーブの手前でリズムを取るのにシフトダウン、エンジンブレーキを活用する程度ながら、適度な手応えのある旋回性を持ち、曲がり出すと軽く向きが変わる特性もあって走る楽しさを存分に味わえます。「STD」モードで走ると、エンジンの誘惑をかわし続けるのに苦労しないことも解りました。

■いろいろなシーンを走り、平均燃費は27.8km/lという結果に

 ハイオクガス、14リッターを飲み込む燃料タンクを装備する「MT-09 SP」ですが、その航続距離は今回の結果から長く取れることも解りました。ただ、誘惑する3気筒の高回転サウンドを知ると、燃費のことが意識の中らから消えそうで恐いです(忘れるためのバイクかも知れませんが)。

いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

■ヤマハ「MT-09 SP」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:179.3km
市街地:21.2km/l
高速道路:28.1km/l
快走路:29.9km/l

※ ※ ※

 2020年型のヤマハ「MT-09 SP ABS」の価格(消費税10%込み)は113万3000円、標準仕様の「MT-09 ABS」は102万3000円です。

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