バイク用のドライブレコーダーは必要か？クルマとの違いは？

運転中の映像や音声を記録してくれる「ドライブレコーダー」は、車の普及率が高く、最近では新車のオプションで選択できるようになりました。「あおり運転」が社会問題となっている昨今では、バイクにもドライブレコーダーが必要と言えますが、バイク用のドライブレコーダーはあるのでしょうか？

■バイクに使えるドライブレコーダーはあるの？

　車では一般的になった「ドライブレコーダー」ですが、バイクにも二輪車用ドライブレコーダーが存在します。二輪車用ドライブレコーダーは、車で取り扱われているものとは違ってバイクの特性に合わせた製品となっており、電源をバイクから取る「分離型（直結型）」と、カメラ部分やバッテリーなども内蔵した「一体型（内蔵型）」の2種類があり、分離型は前後にカメラを装着できるものもあります。

　購入する際はバイクパーツ販売店やネット通販で手軽に探すことができ、取り付けも自分で行うことも可能ですが、知識がなく不安に感じる人はお店の人と相談しながら決めるのも良いでしょう。

　ドライブレコーダーの主な機能としては、運転中の周囲の状況を映像で記録することで、トラブルの際に客観的な事実確認が可能になり、問題解決に大きく貢献します。また、視界以上の広い範囲で映像を撮影し、自分からは見えない死角に対する情報も、しっかりと記録し、製品によっては速度などの走行記録も記録できるGPS機能が備わっていたり、駐車中のイタズラや盗難を監視するものもあります。

　特に、バイクの場合はヘルメットをかぶるので視界に制限があり、死角の情報が乏しくなります。そのため、ドライブレコーダーを装備し周囲の状況が音声や映像を残すことで、もし相手が事実と異なる証言を述べたとしても惑わされずに済むだけでなく、スムーズなトラブルの解決にも繋がると言えるでしょう。

　車では一般的なドライブレコーダーですが、バイクの普及率は一体どれくらいなのでしょうか。オートバイ用品販売チェーン大手の株式会社ナップスが2019年に行った「バイク用品に関する意識調査」によると、アンケート対象者500名のうちドライブレコーダーの所有率は全体の3割程度と、実に低い普及率になっています。

　しかし、「バイク用のドライブレコーダーが欲しい」と回答した人は62.7％となっており、これは、車間を縮められたり幅寄せされた経験のあるライダーが対象者全体の72.6％存在していることが大きく影響しているようです。ほかにも、ドライブレコーダーの映像が保険利用時の証拠資料として有効性が高いことが挙げられています。

　最近は「あおり運転」が社会問題となっており、その影響で保険会社自体が「ドライブレコーダー特約付き」の自動車保険を販売するなど、ドライブレコーダーの存在は年々重要視されてきています。

■クルマ用のドライブレコーダーとの違いって何？

　バイクのドライブレコーダーは、車のものと比べて何が違うのでしょうか。二輪車専用のETC車載器やドライブレコーダーを製造、販売している「MITUBASANKOWA（ミツバサンコーワ）」の担当者は以下のように話します。

MITUBASANKOWAのドライブレコーダーには、スクーター用もあります

「弊社はクルマ用のドライブレコーダーの製造はしていないので、あくまでバイク用として商品開発をした際の話になりますが、まずバイクという利用環境を考えて室内ではなく『屋外の過酷な状況にも充分に耐えられるものであること』というのが大きな違いと言えます。

　弊社のドライブレコーダーは、バイクでの利用に対しカメラなどの機器が露出する前提で作られており、直接の日光や雨・風などを受けても、常に正しく機能できる状態を維持できるようになっています。また、バイクという環境を考えて、カメラ本体をできるだけ小さくして「広角での撮影」を可能にしています。

　バイクは機器の設置可能な場所が、車に比べて少ないため、あまり大きなカメラは使えません。そのため、できるだけ小型化したカメラで撮影方法を広角にすることで、より広い範囲の映像を残すことができます」

　バイクは車と違ってバイクならではの特性に合わせたドライブレコーダーであるということが分かります。

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　ドライブレコーダーは、ライダーの安全を守るためだけではなく、自身の走行記録をデータとして残すこともできるので、ツーリングの楽しい思い出を記録するのにも有効です。

　バイク用のドライブレコーダーには、無線LANを利用してその場でスマホから映像をチェックできるものもあり、走行動画をツーリング先で仲間とリアルタイムに楽しむというのも良いかもしれません。