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ママライダーがヤマハの最上級スポーツモデル「YZF-R1M ABS」に挑戦してみたら、スポーツライディングできる楽しさで若返った気分に!

バイクのニュース / 2021年3月7日 13時0分

サーキットを征する走行性能を追求したヤマハのフラッグシップモデルYZF-R1のスペシャルバージョン「YZF-R1M ABS」を、スーパースポーツに憧れるママライダーが試乗してみました。

■サーキットでの走破性を追求したヤマハのフラッグシップ

 20代でバイクに目覚め、いろんなバイクに乗ってツーリングしたり、サーキットの走行会に参加したり…なんてしたのは昔のハナシ。今ではスクーターにコンビニ袋やトイレットペーパーを積んで走っていたりします。そんな日常を送る私が、ヤマハのフラッグシップモデル「YZF-R1」のハイグレードバージョン「YZF-R1M ABS」に試乗させていただくことになりました。いいんですか? 私が乗ってしまっても…と、恐縮しつつも「今を逃したら一生乗れないかも!」ってことで、噛みしめるように乗らせていただくことにしました!

 ベースとなる「YZF-R1」は、MotoGPマシン「YZR-M1」から技術やデザイン、そしてスピリッツがフィードバックされており、サーキットでの高い走行性能を追求したモデルです。排気量997ccの水冷4ストロークDOHC直列4気筒4バルブエンジンは、ユーロ5排出ガス規制に対応しつつ、最高出力は200馬力/13,500rpm、最大トルクは113Nm/11,500rpmを発揮! 200馬力超えの

 上級モデルの「YZF-R1M」では、オーリンズ製電子制御サスペンションを前後に装着。カーボン素材の軽量カウルなどの装備が採用されています。豪華なスペックと300万円超えの車体価格におののいてしまいますが、一番の心配はシート高が860mmもあること。足つきが悪くて立ちゴケでもしたら、どうしましょう…。想像しただけでもヒーッて感じです。身長158cmでバイク歴だけは長いリターンライダーの私にも果たして乗れるモノなのでしょうか?

■高級な質感にウットリしつつ、高い性能に気が引き締まります

 第一印象はとにかくシブい! YZF-R1との大きな違いの1つがカラーリングです。カーボン素材のカウルを装備したブルーイッシュホワイトメタリック2のカラーリングが、なんとも言えない高級感とオトナの雰囲気を放っています。

カーボン素材を多用したYZF-R1Mはなんとも言えない大人の雰囲気を放つ

 カーボンの質感とダークブルーのコントラストが絶妙。フロントフォークにはガスシリンダー付きの電子制御のオーリンズ製サスペンションをおごっていて、ゴールドのアウターチューブがキラめきを放っています。そしてタンクの上にはシリアルナンバー入りのエンブレム。特別感たっぷりでウットリ酔いしれてしまいます。

 そしてYZF-R1/YZF-R1Mのエンジンといえば、並列4気筒の各クランクピンを90度ずつずらしてレイアウトするクロスプレーン(不等間隔燃焼)型クランクシャフトを採用していることで知られています。余分な「慣性トルク」を軽減し、思い通りのリニアなトルク特性を得られるのがメリットなのだそう。私のような人間でも体感できるのか、楽しみであり、不安でもあったりします。

■ポジションのハマり具合は気持ちいいけど、足つきの悪さに戦々恐々!

 いざ、またがろうとYZF-R1Mを目の前にすると、意外と大きく感じる車格。身長158cmの私で860mmもあるシート高は結構怖いです。シートの幅が広めなこともあって、足つき性はよくありません。傾けて片足のつま先がようやく接地。あと数cm足が長かったら着くのに! この数cmの差にはいつも悔しい思いをします。

身長158cmの私では、車体を傾けてようやくつま先が着く程度、足つき性は、よくありません

 重心バランスがよくて車体をサイドから支えることは難しくありません。走っている分には足つき性は関係ないので、走行環境がわかっているサーキットなら大丈夫そう。でも、車や自転車、歩行者もいて、渋滞もあって、路面の状況が選べない一般道ではそうはいきません。そして「一回コケたらウン十万円」というプレッシャーがスゴい(笑)。取り回しにはだいぶ慣れが必要だと思います。私ならローダウンは必須です。

 ちなみに困ったのは、サイドスタンドの位置がわかりにくいこと。足つきの悪さもあってか、最初はサイドスタンドが外せずに困惑してしまいました。フックがついているのですが、もっと大きめのサイドスタンドアシストが欲しいところです。でも、ワイズギアのオプションパーツにはレーシングスタンドしかない…。でも、そこがスーパースポーツらしく、割り切れていて逆にいいと思いました。

思ったよりもキツさを感じないライディングポジション

 ライディングポジションは前傾姿勢ですが、思ったよりもキツさを感じません。体をタンクに伏せた時に自然とフィットし、肩や首に負担がかからないような姿勢を取りやすい印象です。ハンドルを握ってコックピットから前を見ると、アドレナリンが出るような気がします。調子に乗らない大人の冷静さも必要かもしれません(笑)。

■モータースポーツする楽しさでテンション爆上げ。5年は若返った気分です

 イグニッションキーをオンにするとフルカラーの4.2インチTFT液晶メーターが起動。モーショングラフィックスが展開し、センサー類が正常に作動するのを待ちます。起動からの待ち時間もスーパースポーツに乗るための演出のようでワクワクします。

電子制御スロットル(YCC-T)には電子式のアクセル開度センサーグリップ(APSG)を採用

 右グリップの手元にあるセルボタンでエンジンスタート。鼓動感のあるクロスプレーン独特のエンジン音に、さらに気持ちが高ぶります。電子制御のドライブモードは4パターン。最もレーシーなAモード、さまざまな走行条件に対応したスポーティーなBモード、市街地走行やツーリングに適したCモード、悪天候に対応したDモードが選択でき、個別でも調整可能。左側のハンドコントロールで選択します。

 電子制御スロットル(YCC-T)には電子式のアクセル開度センサーグリップ(APSG)を採用しており、より自然でダイレクトな操作感が得られるのだとか。実際にスロットルをひねってみると、リニアにパワーを発揮。瞬時に軽やかにスピードが上がって行きます。いきなりドッカンパワーが出るようなイメージでしたが、スロットルを開けたら開けた分だけスピードに乗る感じでとても感覚的です。モードを変えていくとスロットル操作によるエンジンフィールはよりマイルドになって、スピードと心にゆとりが生まれます。

 電子制御はローンチコントロール、トラクションコントロール、スライドコントロールシステム、リフトコントロール、クイックシフトシステム、ブレーキコントロール、エンジンブレーキマネージメントなどのシステムを採用。高度なテクノロジーが落とし込まれていいて、メーターのパラメーター表示で管理できます。パラメーターをイジって、自分の感覚と答え合わせをしていくのは楽しそう! マスターすれば自分だけの設定ができそうです。

YZF-R1Mの素直なコーナリングは、意思を持ってコントロールができ練習を重ねればもっと速く曲がれそうです

 コーナリングは素直で、目線の先へとステアリングに意識を向けると、その方向へとスムーズに曲がっていく感じがします。勝手に見た方へ曲がっていくというよりも、意思を持ってコントロールする方向へ曲がっていく感覚です。安定した接地感があり、もっと乗り込んで練習すればもっと速く曲がれそう。求められるのはアスリート感! 身体的な運動能力、スタミナを要求されるスポーツと同じで、トレーニングを積んで技術を磨く楽しさがあります。

 こうして、憧れのスーパースポーツで走れる幸せな時間はあっという間に過ぎてしまいました。200馬力というポテンシャルを発揮させることは私のテクニックではできませんが、スーパーマシンをコントロールしてスポーツする楽しさを再確認。感覚が呼び覚まされて、5年は若返った感じがします(笑)。いつか…なんて未来を語るほど若くはないですが、それでもやはり憧れるのです。いつか乗りこなしてみたい! あと、も少し背が欲しいです。

■YZF-R1M ABS
全長×全幅×全高:2,055mm×690mm×1,165mm
軸距:1,405mm
最低地上高:130mm
シート高:860mm
車両重量:202kg
エンジンタイプ:水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 直列4気筒
総排気量:997cc
内径×行程:79.0mm x 50.9mm
圧縮比:13.1
最高出力:147kW (200PS) / 13,500r/min
最大トルク:113N・m (11.5kgf・m) /11,500r/min
燃料タンク容量:17L
タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後200/55ZR17M/C 78W(前後チューブレス)
ブレーキ形式:前 油圧式ダブルディスク、後 油圧式ディスク
懸架方式:前 テレスコピック式、後 スイングアーム(リンク式)
フレーム形式:ダイヤモンド
■メーカー希望小売価格:319万円(消費税10%込)

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