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即免許取り消しも!あおっていると勘違いさせてしまうバイクの運転とは?

バイクのニュース / 2021年3月12日 9時0分

近年多くのメディアで取り上げられる「あおり運転」。走行中の状況や対応によっては相手にあおり運転と勘違いされる場合もあるかもしれません。そうならないためには、運転中にはどういった点に気をつけると良いのでしょうか。

■あおり運転は即免許取消し!あおり運転の定義とは

 あおり運転とは、具体的に後方や左右から車間距離を極端に詰めたり、幅寄せや前方を走っているところ急停止して周りの車両に妨害する行為のことを指します。近年、メディアではあおり運転について多く取り上げられ、2019年のあおり運転をした上、相手の男性に殴りけがをさせた「常磐道あおり殴打事件」は記憶に新しい人も多いでしょう。

 こういった危険行為が頻繁に増加したことで、2020年6月に道路交通法が一部改正され、新たに「妨害運転罪」が創設されました。この罪は、明確な定義を持って直接的に「あおり運転」を取り締まる法律となり、刑事罰と行政罰の両方が科せられ、その処罰もかなり厳しいものになり、違反すれば免許は一発で取消しになる場合もあります。

「妨害運転罪」にあたる行為は、「通行区分違反」、「急ブレーキ禁止違反」、「車間距離不保持」「進路変更禁止違反」、「追い越しの方法違反」、「減光等義務違反」、「警音器使用制限違反」、「安全運転義務違反」、「最低速度違反」、「高速道路駐車違反」といった10類型が厳しい取締りの対象となります。

 上記に該当する内容で取り締まりを受けた場合には、刑事罰では「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、行政罰として違反点数25点(免許取消・欠格期間2年)となります。さらに、高速道路上で相手を停車させるなど、著しい危険を生じさせたと判断される場合は「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」となり、違反点数35点(免許取消・欠格期間3年)と、より重い処罰が科され、どちらにしても免許取消しは避けられません。

 自分は普段から安全運転だから大丈夫とたかをくくっていても、思わぬ形であおり運転にまきこまれることもあります。現に、危険なあおり運転に対する知名度の高まりもあり、あおられない工夫をしているドライバーも多いものの、それでもあおられた経験がある人は少なくありません。

 バイクに乗る際には、自分も気づかないうちにあおり運転だと勘違いさないために、気をつけておかねばなりません。

■あおっていると勘違いさせてしまうバイクの運転とは?

 あおり運転であるかの判断は、結局のところ「相手の感覚」によるものが大きいのが特徴と言えます。バイクを運転していると、ふとした運転方法でも、相手に「あおられている」と勘違いさせてしまう可能性が高い場合もあります。それが発端となり、あおり運転のトラブルに巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。このような状況を避けるためには、バイクの運転では常に「車から見た自分の姿」を意識して、相手の勘違いを誘発しないようにすることが大切です。

 まず、ライダーが注意すべきなのは「車間距離不保持(車間距離を極端につめる)」です。バイクに乗っていると、自分では一定の車間距離を空けているつもりでも、山道や信号付近では相手の減速により、どうしても気づかないうちに前車との間隔が短くなりすぎてしまうことがあります。車のルームミラーから見えるバイクは、実際の距離よりも接近しているような印象を与える傾向にあるため、「適切な間隔」を常に把握しておくことを意識する必要があります。

 道路交通法第26条では、車間距離について「その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるための必要な距離」と記されており、明確な基準数値は書かれていません。ですが、適切な距離について警視庁では、交通心理学会の実験データをもとに「すべての速度で走りやすい間隔は約1.8秒」という検証結果から「車間距離は2秒が目安」として推奨しています。

 さらに、埼玉県警が実施する「ゆとり車間距離0102運動」では、この「時間」を目安にした計測方法をわかりやすく述べた解説ビデオも提供しており、2秒の数え方についても「イチ・二」ではなく、「ゼロ・イチ・ゼロ・二」とゼロを含めて数えるのが適切であるとしています。バイク走行中は、こうした時間でのカウントを意識して、車間距離が相手にとって近すぎないか考えてみるのも必要と言えるでしょう。

 また、車の近くで急な加減速を繰り返したり、並走時に幅寄せと相手に思われるような、並走しているクルマを追い越して前に出る行為は、「進路変更禁止違反(急な進路変更を行う)」や「追い越しの方法違反(危険な追い越し)」に問われることになりかねません。車のドライバーから見て、悪い印象を持たれると、それがあおり運転として通報される原因になります。

 運転中は些細なことでカッとしたりせず、何かあっても「自分も勘違いしているかもしれない」というくらいの、おおらかな気持ちを持つことが大切です。

※ ※ ※

 あおり運転が厳罰化された今、自分の何気ない運転があおり運転になってるかもしれないと、常に相手の身になって考えてみる必要があると言えるでしょう。あおり運転の被害者として巻き込まれないことはもちろん、意図せず加害者にもならないためにも思いやりを持った運転を心がけましょう。

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