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the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走テストで得た結果とは!?

バイクのニュース / 2021年3月27日 11時0分

好燃費で知られるホンダ「スーパーカブ」シリーズから、「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」の実走燃費を調査しました。どのような結果が得られたのでしょうか。

■テーマは「好燃費なのはどっち?」

 1リットルのガソリンで何km走れるの? という素朴な疑問を走って確かめるthe「燃費」取材班、否、研究班が、今回は燃費業界で常に話題をふりまくあのバイク、しかも同門対決でどうなのか? を確かめることに。キャストはホンダ「スーパーカブ110」(以下110)、そしてオシャレ系カブとして人気の「スーパーカブC125」(以下125)です。

 2機種のカタログデータを見ると次の通りです。

■定地燃費値(60km/h、2名乗車時)
スーパーカブ110 62km/l
スーパーカブC125 69km/l

■WMTC(クラス1、1名乗車時)
スーパーカブ110 67km/l
スーパーカブC125 66.1km/l

■ガソリンタンク容量
スーパーカブ110 4.3リットル
スーパーカブC125 3.7リットル

 排気量は110が109ccで125が124ccとなっており、その差15ccです。車体重量は125が11kg重たいのが解ります。

 さあ、2台のカブによる「どっちが燃費イイの?」検証。今回のスタート地点は、道路の起点「日本橋」。ここからなら道に迷わず西に向かえるハズ、と考えたからです。

the「燃費」取材班。日本橋からスタート

 朝の空気の中、走り出します。日本橋、銀座と日本屈指の素敵なストリートを抜けるとそこは新橋。どことなく街の周波数帯が庶民的に。ホッとしつつ走らせます。信号からのスタートを小気味よく加速する110、さすが働くバイク。荷物を積んでもしっかり走るようファイナルレシオは低く、青信号でスタートしたらすぐに2速へ。40km/hで4速トップへ。

ホンダ「スーパーカブ110」で走る筆者(松井勉)

 このあたり、125は全く別物感があります。20km/hで2速、40km/hで3速、4速へは60km/h手前でしょうか。110と比べると普通のバイクに乗っているようです。

 新橋の先でアクセスした国道15号では、左側の車線を60km/hで巡航します。110のエンジンはけっこう回っている印象。対する125はドドドと低い回転域で走ります。もしやこれが定地燃費値で110が125に数値上7km/l負けた要因か! などと考えている間に街の景色は流れ、大田区へ。その先に県境となる多摩川を越える橋が……と、書くとあっという間ですが、すでに小1時間が経過。それでも街の変化を感じながら走るのは意外や楽しいのです。

 神奈川県に入ると国道15号はさらにワイドになり、交通の流れは速くなります。110はそれでも60km/hで巡航中。本当は50km/hから55km/hの速度で4速クルーズが気持ち良さそうです。

ホンダ「スーパーカブC125」で走る筆者(松井勉)

 対する125は、110の感覚で走らせるとスピード感が違います。余裕しゃくしゃく。制限速度が60km/hでなければ、80km/h巡航もラクラクできそうなゆとりです。

 川崎市から横浜市へ。埠頭へのアクセスにも便利な国道だけに大型コンテナを積んだトレーラーや港へアクセスするトラックが多く、110の進む道は時にアスファルトがうねり、そのギャップでシートからお尻が浮きそうになることも。それでも進路を乱すこと無く平然と走る110なのです。125はそうした道も重厚な足裁きで切り抜けます(良いバイク)。

 国道15号を進み横浜みなとみらい地区へ。燃費計もトリップも無いのでオドメーターで距離と時間の記録を取る110に対し、125はトリップメーターがあるので記録がラクです。針式の110に対し、125はデジタルの燃料計を備えます。ともに、スタートから動いてもいません。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走で燃費を比較。ここは横浜みなとみらい地区

 みなとみらいから新春の箱根駅伝でお馴染み、戸塚中継所を経て西に向かいます。その先、自動車専用のバイパスがあるので、125cc以下が通行できる一般道で湘南の海岸方面へ。110で走った日は良い波らしく、サーフボードを持ったウエットスーツ姿があちこちに見えます。都内から湘南、すでに遠出感たっぷり。最高な気分です(仕事ですが)。

 海沿いの国道から大磯周辺で国道1号線へ。海の匂いはするものの、海の姿は見えたり隠れたり。路線バスを先頭に長い車列が国道を進みますが、110や125のペースだとのんびり走れます。そして城下町の小田原へ。街道の風情を残す景観に感心しつつ進むと、次第に山が迫ります。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走で燃費を比較。ここは湘南エリア

 国道沿いの箱根湯本駅を過ぎると芦ノ湖までは山岳路に。スーパーカブにとっては試練の時! と思ったら意外にスイスイと登ります。110は低いギアレシオの恩恵でしょう。それでも4速でもグイグイ登ります。逆に125は早めに3速へ入れたり、ヘアピンカーブを2速で立ち上がったり、ここでギア比の違いが表れました。ちなみに登坂速度は同じですが……。

 いずれにしても、これはこれでなかなかのライディングプレジャーです。途中、箱根登山鉄道の駅に寄り道。さすがにこの距離を走ると110も125もお尻が痛い!

 峠を越えると芦ノ湖へは下りながら到着です。燃料ゲージはともに半分ほど減ったことを教えてくれます。ここまでスタートから5時間経過。のんびりしている余裕はありません。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走で燃費を比較。ここは国道1号最高地点

 帰路は往路と違うルートを使って箱根湯本へ。基本下りゆえ、上りで使ったエネルギー分は相殺されたか? 小田原、大磯を経由して湘南エリアへ。燃料計はさら傾き、精神衛生上良くないので、そろそろセルフのスタンドに飛び込みます。

 オドメーターから割り出すと、110はここまで160.7kmを走行。横浜で撮影場所を探して少し走ったのもありますが、125の156.3kmよりも距離が多く出ています。110は2.58リットル給油し、125は2.55リットルでした。正直、前回の満タンレベルと全く同じかは自信がありません。給油量が100cc多くても、少なくてデータは意外に変化するのがカブ燃費の難しいところ。とにかく計算すると、110が62.3km/lで125は61.3km/lでした。

 さらに湘南から曲がる場所を間違え、気が付けば江ノ島が。こうなったら鎌倉を抜け、朝比奈峠を経由して国道16号を目指し、横浜でオンルートに復帰、都内を目指すほかありません。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走で燃費を比較。ここは朝も走った横浜

 途中、日も暮れて黙々と走るのみ(お尻が痛い!)。横浜まできたら帰ったも同然。そんな気分で都内に戻った頃にはすっかり夜。スタート時にいれたガソリンスタンドへ急行します。

 ここまでの走行距離は83.8kmに。110、125とも全く同じでした。給油量は110が1.38リットルで125が1.34リットル。燃費は110が60.7km/lで125が62.3km/lと逆転しました。後半110の燃費が落ちたのは、国道16号と国道15号で、ペースが速くアップダウンが多かったのも影響したのかもしれません。125はラクラククルーズ速度でしたから。

■走行距離と給油量から算出した最終結果

 今回のテストは、110の平均が61.74km/lで125が61.72km/lと、別日に一部別ルートにも関わらず、ほぼ一緒という結果に。満タン計測という誤差は、10ccレベルの差が影響するとは言え、スーパーカブという同門でありながら、乗った印象はかなり異なり、それでいてどちらも楽しめるバイクであることに間違いありませんでした。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「スーパーカブ110」と「スーパーカブC125」 日本橋と箱根の往復実走で燃費を比較

 しかし、箱根往復決戦の結果はドロー。次戦、さらに距離を伸ばした決戦の日を待つ、と書いてリポートを締めたいと思います。

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