原付1種扱いの電動スクーターSUPER SOCO「CUX」 日常の足として気軽に使えるコミューター

手軽に乗れるのが原付1種スクーターのメリットですが、電動の原付1種スクーターはどのような特徴があるのでしょうか。じつは内燃機関のスクーターよりも、少しだけ親しみやすさがありました。

■収納は無くとも通勤通学用途を狙った電動スクーターか

「SUPER SOCO（スーパーソコ）」は、オーストラリアに本社を置く電動バイクブランドです。今回ご紹介する「CUX」は、SUPER SOCOにラインナップされる電動スクーターです。日本におけるSUPER SOCOの正規総代理店「XEAM（ジーム）」が開催する電動バイクの試乗会で、その走りを体験してきました。

「CUX」は原付1種に分類される電動スクーターなので、車の普通免許や原付免許があれば運転可能です。リチウムイオンバッテリーが1個搭載され、充電は車体に直接アダプターをつなぐか、取り外して付属の充電器で行ないます。

　バッテリーの重さは11kgで、持ち運ぶ際にそれほど苦にはなりません。充電時間は8時間となっており、毎日の通勤や通学で使うことを考えても、それほど問題はなさそうです。電源は家庭用の100Vコンセントで可能となっています。

　シート下にはバッテリーが収納されているためスペースがないのは仕方ないところですが、ハンドル下にグローブボックス、荷掛フックやUSBソケットを備えており、日常的に使うモビリティと考えれば、こうしたユーザビリティは大事なポイントと言えます。

シート下に取り外し可能な定格容量1800Wh（60V30A）のリチウムイオンバッテリーを1個搭載

　3つの走行モードを備え、ハンドル右手のスイッチボックスで切り替え可能です。モード1は、いわゆるECOモードのようで、発進時のトルクも加速もゆったりとしており、かなり出力が抑えられています。

　バッテリーの消費を考えなければ、モード2や3での走行になるでしょう。モード3ではパワーの出方が少し過敏な印象ですが、発進で少し先行したい場合などに使えそうです。と言っても、どのモードで走らせても急激な加速に怖い思いをしたり、操作に不安を感じることはまったくありませんでした。

　たとえば、電動アシスト自転車でも少しアシストを強くしたい坂道などではモードを切り替えますが、この「CUX」もそれに近い感覚で、簡単にシーンに応じた走行モードの使い分けができそうです。　

SUPER SOCO「CUX」に体験試乗する筆者（伊藤英里）。電動スクーターらしい走りにはすぐ慣れる

　カーブやUターンに近いところでは少し車体の重さを感じましたが、むしろその方が車体の安定感を得ることができるとも思えます。コンパクトかつ76kgの車体重量は小回りの良さを妨げることがありません。

　このモデルには弟分にあたる「CUmini+」（2021年6月中旬発売予定）があり、兄貴分にあたる「CUX」はスペック上の最高速度が65km／h、航続距が離65kmから70km（75kgのライダーが気温26度 45km／hで定地走行した距離）となっており、また利便性に配慮されたディテールなども備え、少しグレードが高くなっています。

「CUmini+」の体験試乗では“ご近所”という範囲で活躍しそうなモビリティという印象でしたが、「CUX」の場合は通勤や通学などにも対応できるスペックを持っていると言えるでしょう。

ディスプレイにはスピード、選択中の走行モード、バッテリー残量などが表示される。なお、時計は作動しないとのこと

　必要十分な機能を備えつつ、良い意味でバイクらしくない、気軽に乗れるモビリティとして、日常の移動手段の選択肢に加えたくなる電動スクーターではないでしょうか。SUPER SOCO「CUX」の価格（消費税10％込み）は24万9800円です。

■SUPER SOCO「CUX」基本仕様
サイズ（全長×全幅×全高）：1782×727×1087mm
シート高：720mm
最低地上高：140mm
ホイールベース：1217mm
車体重量：76kg
タイヤサイズ：90／90-12（前後）
最高速度：65km／h
航続距離：65kmから70km（体重75kgのライダーが気温26度、45km／hで定地走行した場合）
充電：100V対応
充電時間：8時間
最大登坂角度：16度
バッテリー：60V30Ah
バッテリー重量：11kg
バッテリー定格容量：1800Wh（60V30A）
バッテリー着脱：可能
充電器：4A
モーター：SUPER SOCO製
リアフォーク：アルミニウム合金
ブレーキ：前後油圧ディスク式
ヘッドライト：LED、インテリジェンス センサー
テールランプ：ウィング型LED