バイクのドライブチェーンとは? メンテナンスはどうやるの?
バイクのニュース / 2021年4月3日 9時0分
バイクのドライブチェーンがどのような役割を果たしていて、どんな構造になっているのかご存じでしょうか?正しいメンテナンス方法と交換時期も合わせて見ていきましょう。
■バイクのドライブチェーンとは
ドライブチェーンとは、バイクの「重要保安部品」に指定される部品のひとつで、エンジンの動力を後輪に伝える役割を果たしています。
ドライブチェーンを構成するパーツは、チェーンに掛かる荷重を支えるピン、そのピンを支えるブシュ、歯車であるスプロケットとの噛み合いや衝撃を吸収するローラー、強度部材である内外のプレートで構成されています。
ドライブチェーンには大きく分けて2つの種類があり、「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」と呼ばれるタイプがあります。
「シールチェーン」は、潤滑油を閉じ込めておく「シールリング」というパーツがピンとブシュの間に備わっているため、ピンの摩耗が少なく寿命が長いという特徴を持ちます。逆に、「ノンシールチェーン」はシールリングを持たない単純構造のため安価で、フリクションロス(摩擦抵抗)が少なく、レスポンスが良いのが強みですが、寿命が短いことが特徴です。
ドライブチェーンを交換するタイミングとしては、チェーンメーカーのD.I.D(大同工業株式会社)によると「ノンシールで走行距離5000km、良くメンテナンスされたシールチェーンで走行距離1万5000~長くて2万km」となっており、整備状況や使用状況で劣化するスピードは変わるとなっています。
交換時のチェーンの選び方としては、バイクのメーカー・車種・排気量・年式から純正指定の品番を調べて、各メーカーの適合表で照合するか、装着しているチェーンのサイズを刻印などから確認する方法があります。
バイクのスプロケット自体が純正サイズであるかも影響してくるので、スプロケットサイズ(歯車の数)が純正のものであるかをあわせて確認しておきましょう。
実際に、劣化してくると完全に固着してしまい動かなくなるので、錆が出ているような場合は、たとえ走行に問題がなくとも断裂の恐れがあり危険な状態なので速やかに交換するべきと言えます。
ほかにも、チェーンはピン・ブシュの潤滑が切れた状態だと金属磨耗が進行し、伸びが発生します。 チェーンが伸びるとスプロケットと上手くかみ合わなくなり、歯飛びやチェーン折損等の原因となりますので注意しましょう。
このようなトラブルにならないために、普段からのメンテナンスを行い、ドライブチェーンを正常に稼働させていくことが重要になってきます。
■ドライブチェーンを長持ちさせるメンテナンス方法
ドライブチェーンのメンテナンスは、「清掃」と「潤滑」の2つの項目で行い、必要に応じて「調整」をしていきます。チェーンメーカーであるD.I.Dでは、「500km走行ごとまたは雨天走行後」のメンテナンスを行うように推奨しています。
ドライブチェーンの清掃方法は、「チェーンクリーナー」・「ブラシ」・「ウエス」を準備
ドライブチェーンの清掃方法は、「チェーンクリーナー」・「ブラシ」・「ウエス」を準備の上、センタースタンドやレーシングスタンドでバイクが倒れないように固定して行います。
簡単な清掃手順としては、水洗いで泥や砂埃などを落とし、クリーナーをチェーンのリンクに吹き付けていきます。このとき車輪を少しづつ動かしてチェーン全体にクリーナーが行き渡らせるようにします。下に落ちる汚れやクリーナーの受け皿をおいて、他の部品にかからないように注意すると良いでしょう。
汚れがひどい部分はブラシでこすって汚れを落とし、清掃後にクリーナーはウェスなどで完全に拭き取ってください。
ドライブチェーンの清掃が終わったら、次は「潤滑」のための注油作業を行います。「チェーンルブ(潤滑油)」・「拭き取り用のウエス(布切れ)」を用意し、清掃のときと同様に、全てのリンクに吹き付けて染み込ませていき、余分な油をウェスで拭き取れば完了です。
注油作業については、潤滑油がドライブチェーンに浸透する時間も考えて、走行直前よりも乗る予定がない日に作業しておいた方が、チェーンが動いたときの油の飛散を防げます。また、メンテナンスとしての「調整」は、走行距離1000~2000kmごとに行い、チェーンのたるみ量を確認するようにします。
バイクごとに定められた規定値にあるかのチェックを行い、緩んでいたり張りすぎているときには、規定に収まるようにたるみ量の調整をします。特に、新しいチェーンに交換したときは、こまめに馴染んだ状態であるか確認をすると良いでしょう。
※ ※ ※
チェーンの清掃は定期的に行うことで、異常をすぐに発見することに加え、寿命も伸ばすことができるので一石二鳥と言えます。
チェーン交換時には、メーカーによって特性の違うグレードを選択することも可能ですが、強度や寿命が伸びる代わりに、幅が広くなり駆動部に干渉する恐れや、重量自体が増すなどのデメリットもあるのでバイクに合った正しいものを選ぶようにしましょう。
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