失敗しないバイク用ヘルメットの選び方とは?
バイクのニュース / 2021年4月7日 9時0分
バイク用ヘルメットには、様々な種類があり、購入時にどれにするか迷う方も多いと思います。ヘルメットごとの特徴を理解して、自分にあったヘルメットをかぶらないと安全面で本来の機能が発揮されないこともあり、適当に選ぶのは危険と言えます。今回は、ヘルメットの選び方や重要性について紐解きます。
■自分にあったバイク用ヘルメットの選び方とは?
ライダー装備のなかで、最も重要な「ヘルメット」は、事故時に致命傷となりうる頭部や顔の保護(防護・防風)を目的としています。
では、たくさんの種類の中から、どのようにヘルメットを選ぶのが良いかについては、ヘルメットメーカーのSHOEIによると、「どのようなバイクで、どのようなライディングスタイルであるかを考えて最適な機能や特徴を持ったヘルメットを選ぶこと」と推奨しています。
「最適な機能や特徴」を知るには、ヘルメットごとのメリット・デメリットを理解して利用状況を想定するとわかりやすいでしょう。まず、もっとも安全性が高いと言われているのが、「フルフェイス」タイプで、頭部と顔全体を覆う形をしています。サーキットなど過酷な場面で活躍する防風性能と安全性を誇ります。
フルフェイスタイプは、安全面や防風性能ではもっとも優れていて、顔を覆うスタイルはプライバシー保護としても有効になりますが、着脱の手間や夏場は熱がこもりやすく視界が狭くなることがデメリットです。
また、フルフェイス同様に顔全体を覆うタイプのものでは、木の枝や泥・砂利など特殊な環境からライダーを守ってくれる「オフロード型」や、顎の部分が持ち上がりオープンフェイスになる機能が備わった「システムヘルメット」と呼ばれるものもあります。
木の枝や泥・砂利など特殊な環境からライダーを守ってくれるオフロードタイプ
オフロードタイプは、軽量でシールドもないため開放感はフルフェイスに比べありますが、バイザーの影響もあり、一般道では強風に巻き上げられる恐れがあります。
構造上、部品点数が多いので重さがあるシステムヘルメット
システムヘルメットは、走行時の防風性能はありますが、構造上、部品点数が多いので重さがあり、疲労しやすいことがデメリットです。
ほかにも、頭部をしっかり守りつつも、顔の部分が大きく解放されたものは「ジェット型(シールド・ストリート)」と呼ばれ、同じ形状で頭部の保護のみですが、軽量であることが強みの「ストリート型」、顔に対する防護は薄くなりますが、防風性能を高めるためにシールドで顔を覆う「シールド型」があります。
「ハーフキャップ」型は、ストリート型よりもさらに頭部の保護面積が少なくなり、軽量で開放感はありますが、安全面ではもっとも劣るタイプになります。ジェット型やハーフキャップ型は、軽量で価格も安く開放感がありますが、フルフェイス型に比べて極端に顔の部分の保護性能に劣ります。
このように、ヘルメットは種類によって一長一短な部分があるので、自分のライディングスタイルに合わせて選ぶのが良いでしょう。また、種類以外にも「正しいサイズ」のヘルメットを着用していないと、機能を十分に発揮できないばかりか、締め付けや緩みが運転のストレスにつながるので注意しましょう。
ヘルメットサイズを測る時には、おでこの1番高い部分を起点にしましょう
サイズを測る時には、おでこの1番高い部分を起点にし、水平に一周回した長さで測り、長さに見合ったものを選びますが、初めて購入される方は、実際にお店で試着して確認することをオススメします。
■ヘルメットの重要性と注意点
ヘルメットの装着は、道路交通法第71条の4で義務付けられており、違反した場合は、違反点数1点となります。また、警視庁の「二輪車の死亡事故統計2014年~2018年統計」によると、二輪乗車中の死亡事故における損傷部位のうち「48.1%が頭部」となっており、義務だからというだけではなく、ライダーの安全性の面からもヘルメットの重要性が窺える数字となっています。
また、この数字にはヘルメットが離脱したことによるものも含まれ、大阪府警が出している2012年~2014年の二輪車における死亡事故データによると、約3割がヘルメットの離脱(脱落)によるものとなっていました。
いくら機能が良いヘルメットであっても、正しい着用をしていないと効果が発揮できず、モノである以上は老朽化もしていくので、正常に機能できる期間には限りがあります。
海外メーカーのヘルメットには耐用年数を5年とするメーカーもあります
ヘルメットの交換時期については、国内のアライヘルメットやSHOEIなどのメーカーがSG規格の有効期限である3年を推奨しており、海外メーカーのAGV・HJC・SIMPSONなどは耐用年数を5年とするメーカーもあります。たとえ3年や5年の耐用年数内であっても、ヘルメットとしての防護機能が損なわれるケーズもあります。
機能が損なわれる原因としては、手に持っていた状態か過って落下させてしまったぐらいであれば、「硬いコンクリートの上に落としてしまい、塗装面が剥げる程度の状態でも問題はない」としていますが、かぶった状態で受けた衝撃については、「内部の発泡スチロールや緩和材などが壊れることで頭部を守るように作られていますので、表面に傷がなくとも交換を必要とする場合がある」と、アライヘルメットでは伝えています。ヘルメットの内部構造に支障をもたらすような衝撃を与えた時は、すぐに交換するか点検してもらった方が良いとのことです。
ヘルメットには、多くの種類がありますが、自分の特徴にあわせて正しいサイズの選択と、正しい利用方法や交換サイクルを守っていくようにしましょう。
※ ※ ※
バイクのヘルメットには安全規格というのがあり、日本で杏全基準を満たしたことを証明する「SG規格」「PSCマーク」「JIS規格」の認定がないものは、一般公道での利用は不可となっています。
また、モータースポーツでレースに参加するような場合も、参加レースによって異なる必要な安全基準を満たしたヘルメットの着用が義務付けられるほど、ライダーにとってヘルメットというものは重要な役割を果たしているのです。
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