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the「燃費」排気量1648ccの直列6気筒エンジン搭載 160馬力に車重350kg!! BMW Motorrad「K1600B」の燃費性能は?

バイクのニュース / 2021年4月10日 11時0分

2011年にBMW Motorrad史上初となる排気量1648ccの直列6気筒エンジンを搭載した「K1600」シリーズのなかで、2017年新登場となったボバースタイルの「K1600B」でツーリング燃費をチェック。実際に走って計測しました。

■排気量1648ccの直列6気筒エンジンを搭載する大型クルーザー、その燃費は?

 バイエルンのエンジン工場(Bayerische Motoren Werke)の頭文字をとった社名でお馴染みの「BMW」。世のクルマ好きが「へー、ビーエムってバイクも造ってるのね……」なんて思うとか。社史からするとBMWはバイクの方が先で、まもなく第1号のバイクを世に出してから100年目を迎える老舗2輪メーカーでもあります。そんな“エンジン屋”が放つ現代のスペシャルマシン、それが2011年に登場したラグジュアリースポーツツアラー「K1600」シリーズです。

 一番のキモは、アルミフレームに搭載される直列6気筒エンジンです。過去、プロダクションバイクとして世に出た直列6気筒モデルと言えば、ベネリ「750/900」、ホンダ「CBX1000/1100」、カワサキ「Z1300」等が有名ですが、どれも1980年代に姿を消しています。

 BMWの「K」シリーズは、1983年に水冷直列4気筒エンジンを搭載して登場して以来、直列エンジンを搭載したスポーツツアラー、ラグジュアリーツアラーとして進化してきました。

 その系譜の中で2011年以来、全く鮮度を失わない走りと緻密なエンジンの回り方、アイドリングからトルクバンドと言えそうな滑らかなパワー特性、そして回した時に訪れる“キューン”というパワーの高まり。まるでその巨体がウソのように加速するパワー感は直列6気筒ならでは。その設計にはBMWの4輪用6気筒エンジンを設計した人も携わったと言います。

BMW Motorrad「K1600B」(2017年登場モデル)

 バガースタイルにまとめた「K1600B」のお値段は305万8000円から。リアフェンダーのカタチに合わせたパニアケース、そのラインと反目するようにスラッシュカットされたマフラーエンド。「B」専用に仕立てた一文字のハンドルバーをプルバックさせたポジションもリラックスしたもの。カラーリングはダークに。豪華さ推しではなくストリートマインドで推すプレミアム……ワルな感じが際立つバイクで燃費を気にする人は一体ダレ? そんな自問に手を上げるthe「燃費」取材班なのです。

 見立てとしては過去最低な数値が出るのでは、という邪推を胸に、いつものテストコースに走り出します。ちなみに、WMTC(クラス3-2)のテスト数値は17.5km/lとなっています。

■the「燃費」計測のルール
ひとつ 市街地、高速道路、快走路はいつもと同じ道を行くべし
ひとつ ペースは流れに合わせるべし
ひとつ 区間距離、平均燃費計を使いデータ収集すべし

 ということで、今回も出発します。

■意外とスイスイ走る、市街地ルート

 the「燃費」の市街地ルートは都内の外苑周辺をスタート。青山通りから皇居へ向かい、丸の内、銀座を経て晴海方向へ。そのまま直進して首都高湾岸線沿いの国道357号線東雲付近までの11.9kmで計測します。

いざ、ツーリング燃費の計測へ。都心の石畳のブティック通りから朝の通勤時間帯の大通りへ

 午前10時に出発したため渋滞は一段落。とはいえ適度な交通量がある状況でした。ここまでの燃費は14.9km/lと、排気量1600cc超、6気筒というコトを考えたらまずまず。過去データから比較すると、ホンダ「CB1300SF SP」が14.3km/lだったことから同等に走る、とも言えます。

 さすがに軽快と言うには車重はありますが、市街地で持て余すほどではありません。意外とスイスイ走れるのに感心。750mmというシート高と足付き感の良さも安心材料のひとつ。ちなみに今回の計測は全てダイナミック、ロード、レインとあるライディングモードはロードで走行しています。

■低い回転域から湧き出るトルク、高速クルーズはまさにラグジュアリー

 次なるステージは高速道路での燃費計測。スタート地点となるアクアラインを渡った先、千葉県袖ケ浦へ向かい、アクア連絡道の「袖ケ浦IC」から館山道方向へ。ジャンクションを南下し、館山道の終着点「富浦IC」直近のコンビニまで52.3kmで高速道路パート往路区間を計測。そして快走路計測を終えた後、館山道「富津中央IC」からアクア連絡道「木更津金田IC」までの24.6kmで復路区間を計測しています。

計測はメーターに搭載されるトリップメーター、平均燃費計を使用。「K1600B」はキーシリンダーを必要としない「キーレス・ライド」標準装備

 前半、制限速度は80km/hから100km/h、また80km/hとなり、70km/hへと変化します。後半は100km/hから80km/hへと変化し、比較的平坦なアクア連絡道とアップダウンの絶えない館山道を走ります。

「K1600B」の高速道路移動はまさにラグジュアリー。ETCゲートをくぐったら本線合流前に6速へと早々にシフト。それでも1500rpmも回っていれば最大トルク値の70%を生み出すエンジンの力量から、流れに乗るように合流もスムーズに完了。あとはクルーズコントロールにお任せ。

 電動で高さ調整ができるウインドスクリーンは、シートが低いこともあり最も低い位置でも快適性は上々。雨が降ったら雨よけに上げるかな、というレベル。オーディオを愉しむ時、ヘルメットに入る風切り音調整に使うという手もあり、なるほど便利です。

 燃費の結果は往路区間が22.3km/lで復路が21.5km/lでした。容量26リットルの燃料タンクをハイオクで満たせば、かなりの距離を巡航できる計算です。

■郊外のツーリング快走路、細かい道でも巨艦なりに楽しい

 高速道路燃費からして一般道ツーリングペースでは20km/l程度か、と思いました。しかし「K1600B」はアップダウンの多い一般道移動速度でも6速でラクラクとこなし、同時にエンジン回転数を2000rpm以下で流せることから、意外にも燃費記録が伸張します。

実際の燃費はどうなのか? BMW Motorrad「K1600B」(2017年登場モデル)を走らせる筆者(松井勉)

 3区間で計測した快走路燃費。最初のパートは「富浦IC」出口付近から房総半島南端エリアまでの21.4kmで23.6km/lをマーク。この区間、安房グリーンラインではアップダウンとカーブが絶えない場面でも、6気筒エンジンはスルスルと走ります。

 快走路パート2は房総半島南端エリアから国道410号で北上。途中、県道34号で保田方面に曲がり、大山千枚田までの区間です。パート1同様、アップダウンが多く道幅が一部狭い区間があり、アジリティーも求められます。平均速度的には快走路区間中もっとも遅い場面もあります。この区間、37.7kmの移動で燃費は23.9km/lでした。

 続く快走路最後の計測区間、大山千枚田から県道34号、紅葉ロードを経由して館山道「富津中央IC」までは、アップダウンとワインディングが気持ち良い区間です。25.1kmを走行して23.8km/lとなりました。

 3区間でほぼ同様の燃費データとなり、房総の小径でも体躯を持て余さない「K1600B」との一体感はとても満足感高し。おいそれと手の出るお値段ではありませんが、これは楽しいバイクです。

■排気量、シリンダー数、重さ、どれも跳ね返す燃費性能!!

 the「燃費」で計測した過去データを見直すと、「K1600B」の燃費性能はホンダ「CB1300SF SP」の記録と同等の区間が多いことに気が付きます。高速道路でこそ「CB1300SF SP」は24.1km/lと「K1600B」を上回りましたが、市街地、快走路では同等となり、排気量、車重、エンジン気筒数のどれもハンディではなかった、ということが解りました。

いつものツーリング想定の計測ルートを走り終え、ゴール地点の千葉県木更津エリアに到着

 でも、K1600Bのオーナー様で、燃費で選ぶ方は少ないはず。そう、市販車で唯一無二の直列6気筒エンジン搭載モデル、まさにソコです。それがもたらす走り、楽しさこそ、このバイクならではの魅力だからです。

■BMW Motorrad「K1600B」燃費結果
総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)
総走行距離:172.7km
市街地:14.6km/l
高速道路:21.9km/l
快走路:23.8km/l

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