オフロード性能がしっかりしてる!! トライアンフ「スクランブラー1200XE」は伝統的な意匠も見応えアリ!
バイクのニュース / 2021年4月17日 11時0分
トライアンフ「スクランブラー1200XE」は、ストリートからオフロードまで、圧倒的なパフォーマンスを発揮するモダンクラシックなスクランブラーモデルです。どのような特徴があるのでしょうか? 試乗しました。
■アレコレ盛り込んだら至極のモダンカスタムに!? 走りが楽しいスクランブラー
トライアンフモーターサイクルズ(以下、トライアンフ)の「Scrambler 1200 XE(スクランブラー1200XE)」は、ストリートからオフロードまで、圧倒的なパフォーマンス発揮するモダンクラシックなスタイリングのスクランブラーモデルです。
斜めのグリーンライン入った丸みを帯びた燃料タンクは、中央を走る金属ベルトで車体に固定されているかのようで、アルミ製のタンクキャップは60年代のムードを高める意匠……タンクだけでも見応えの塊です。
エンジンは車体左側に大柄なクランクケース、上から見ると6角形の冷却フィンは伝統のトライアンフらしいものだが、その空冷的な意匠ながら、エンジンは水冷になっています。丸みや逆三角形をモチーフにしたカバー類のデザインも、トライアンフを主張するものです。
トライアンフのモデル群の中でも、展開機種が多いのが「モダン・クラシック」ファミリーです。「スクランブラー1200XE」は、その中の「スクランブラー」シリーズで最上位モデルになります。
特徴としては、前後にストロークを250mmに伸ばしたサスペンションを持ち、前輪21インチ、後輪17インチと本格的なオフロードモデルのような足まわりを持っていることです。
それだけに股下(グランドクリアランス)はたっぷりあり、荒れ地に分け入っても“亀の子”状態になる可能性は低そうですし、シリンダー位置の高さで後方までまとめられたエキゾーストは60年代、70年代のスクランブラールックをなぞるモノ。まるで一流にして定番商品になっているアウトドアグッズにも通じる「良さ」を持っています。
シート高870mmの車体に身長183cmの筆者(松井勉)がまたがった状態
シリーズには前後のサスペンションストロークが200mm、シート高が840mmの「スクランブラー1200XC」もありますが、サスペンションだけではなく、スイングアームの長さを両モデルで換えるなど、しっかりとオンロードとオフロード、その両方で性能を愉しむためのこだわりも詰まっているのです。
跨がると、さすがにシートが高い! それでも、車体がスリムなので足はまっすぐ下ろせるので足つき感に不満はありません。スペック的にはシート高870mmとなりますが、世のアドベンチャーバイクのローシート装着モデルにありがちな、シート高は下げられているけど、シート幅が広がり、股関節が開いて足つき感が悪くなるケースよりは全然マシです。
ここは体格により印象が変わる部分ですが、走りの性能を突き詰めた頂点モデルとしての「XE」、少々マイルド仕立ての「XC」という選択も可能です。
ワイドなハンドルルバーやTFTモニターながら、単眼メーター風のシンプルさを持つインパネまわり。スクランブラーという言葉から想起させるネオクラシック感がここにも詰まっています。
しかし「XE」には、6つから選択できるライディングモードに(レイン、ロード、スポーツ、オフロード、オフロードプロ、ユーザー)、オフロードを強く意識したプロモードが含まれます。左スイッチボックスにあるジョイスティックで様々な選択、設定が可能なことや、スマホ連動の通信機能を持つコトなど、最新の装備を持っています。
トライアンフ「Scrambler 1200 XE」(2019年型)フュージョンホワイト×ブルックランズグリーン
並列2気筒エンジンは90度位相のクランクシャフトにより、不等間隔爆発のファイアリングオーダーを持っています。サウンドも後輪の“蹴り感”もVツインエンジンのように感じるのはそのため。1200という排気量から想像するより、鼓動感やトルク感はマイルド。回転のスムーズさが乗りやすさにつながる印象です。アシストスリッパークラッチを装備するため左手の操作力も軽く、発進、シフトチェンジ時の操作も苦になりません。
サスペンションストロークが長く、結果的に車体の高い位置に大きなエンジンが載っているため、市街地での低速コーナリングでは車体の重みを感じます。それは速度が20km/h以上になると次第に軽快感へと変わり、長いサスペンションを活かしつつアクセルとブレーキでリズムを取り、走り回ると程なくこのバイクがもつ運動性がけっして鈍重で無いことが解ります。
ワインディングルートでハンドルをグイっとこじるとやや重さが顔を出しますが、自然な旋回性に任せるか、むしろ思い切ってリーンアウトでリズムをとって走るとこれが楽しい! タイヤもしっかりと路面を掴みます。サスペンションも無駄なピッチングがなく安心感があるもので、設計者がしっかりとバランスをとった印象が伝わる出来映えでした。
ブレーキに関してはダートでの使い勝手も意識した印象で、舗装路では初期の制動力はマイルド仕立て。そこから力を入れて制動力を調整するスタイルです。ABSの介入も自然で、このキャラクターに見事に馴染んでいるのです。
スクランブラーと言いつつオフロードマシン寄りの足まわりで砂利道でも扱いやすい
最後にダートでの印象を少し。1200ながら開けやすいパワー特性の助けもあり、砂利道でも扱いやすさは抜群です。「オフロードプロ」モードを選択するとリアのABSがカットされ、ロックやハーフロックさせてコーナリング中の向き替えのキッカケを掴むことも簡単。ノーマルタイヤよりもグリップの高いダートタイヤに履き替えてトライしたいな、とも思いました。
左カーブの時、リーンアウトでバイクを寝かし、ニーグリップをするとややふくらはぎにマフラーの熱を感じましたが、ライディングポジションや体格でその印象は変わりそうです。これだけ大きなバイクが狭い林道でも楽しめるなんて! というのが発見でした。
帰り道、舗装路の移動が楽しく、高速道路ではゆとりがある。遠地のダートまで走るとなればこうしたバイクのパッケージは楽しさを拡げてくれる部分です。オフロードを走らなくても、カジュアルなアドベンチャーバイクとして、キャンプエクスプレスとしても、きっと良い仕事をしてくれるに違いありません。
※ ※ ※
トライアンフ「Scrambler 1200 XE」(2019年型)の価格(消費税10%込み)は205万6400円です。2021年7月には新型が登場予定となっています。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ドゥカティ現行車では唯一!? 空冷Lツインを搭載する第2世代スクランブラー「アイコン」の魅力
バイクのニュース / 2024年11月22日 12時10分
-
ロイヤルエンフィールド新型「ベア650」の乗り味は? カリフォルニアで歴史を刻んだネオ・スクランブラー
バイクのニュース / 2024年11月14日 11時10分
-
歴史ある筆記体ロゴとモダンなスタイル! トライアンフが25年に向けたモダンクラシックな限定車「ICON EDITION」を発表
バイクのニュース / 2024年10月31日 17時10分
-
トライアンフから、25年のモダンクラシック限定車として「ICON EDITIONを発表」のお知らせ
PR TIMES / 2024年10月30日 10時15分
-
トライアンフの筆記体ロゴが約100年ぶりに復活! 限定「アイコン・エディション」7車種を一挙発表
レスポンス / 2024年10月30日 9時0分
ランキング
-
1「無性にコーヒーが飲みたい…」 実は鉄分不足が原因? 疲労増&集中力低下も
オトナンサー / 2024年11月27日 8時10分
-
2「トイレでスマホ」が招く危険...長時間座りっぱなしの健康リスクとは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 17時50分
-
3カワノアユミの盛り場より愛を込めて なぜ外国人が日本人女性を買う現象が起きたか 国内外で波紋…「東京はアジアの新しいセックス観光の首都?」と題する香港紙記事
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月28日 6時30分
-
4踏んで固定、ドアを外に押すと解除。もうこれ「ドアストッパー」の理想形かも
&GP / 2024年11月28日 6時0分
-
5「ワンタッチ痴漢」と言わないで…性犯罪を軽んじる言葉に警鐘 発信源と報道された警視庁に聞いた
まいどなニュース / 2024年11月28日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください