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プラグの役割と交換時期とは?

バイクのニュース / 2021年4月20日 9時0分

バイクのエンジン部品にあるプラグの役割をご存知でしょうか? なんとなく知っているという人もいるかもしれません。形は小さいですが、バイクの始動や走行性能に大きく影響する部品となっています。そんな、「スパークプラグ」の持つ役割と、メンテナンス知識としての交換時期について詳しく解説していきます。

■プラグの役割とは?

「スパークプラグ」は、エンジンを動かすために供給された混合気に「点火」するのが大きな役割です。スパークプラグの製造・販売を手がける名古屋に本社を構えるNGK(日本特殊陶業株式会社)によると、プラグは「混合気に点火するライターの役目」と表現されており、エンジンを動かすための「混合・圧縮・点火・排気」のサイクルひとつを担う重要な部品です。

 プラグは5MPa(50kg/cm2)の爆発圧力や、最大3万Vの高電圧にも耐え、エンジン内部の過酷な環境に対応できるような特殊な構造になっていて、燃焼ガスから受ける熱を放熱する度合いを「熱価」で表示し、数字が大きいほど燃焼ガスにさらされる面積が狭く熱を逃しやすい高速用の「冷え型」、数字が小さいほど燃焼ガスにさらされる面積が広く熱が逃げにくい「焼け型」と呼ばれ、この「熱価」が正しく合ってないと、異常燃焼による不調やピストンの焼きつきを起こす原因にもなります。

 プラグにもいろいろな種類があり、そのなかでも電極にイリジウム合金を使用した「イリジウムプラグ」が有名で、一般のプラグに比べると多少価格は高くはなりますが、カーボンが付着しにくいことからメンテナンスフリーかつ長寿命で、加速性や低燃費にも大きな効果があると言われています。

ホンダの4ストロークエンジンを搭載した刈払機UMK425H

 ほかにも、エンジンごとの特性に合わせたものでは、火花ギャップの範囲を広くした「ワイドギャップ」は着火性を向上させたもので、「突き出しタイプ」は発火位置を燃焼室により近づけ安定した燃焼を得られる効果があり、シリンダヘッドの冷却性の向上に貢献する「ロングリーチ」や、ネジ径の小さなものに利用する特殊な「ハンネジ」、刈払機などの小型エンジンに向けた「コンパクトプラグ」など、特殊エンジンに合わせた専用のものもあります。

■プラグの交換時期とは?

 NGKによると二輪車の基本的なプラグ交換時期は距離で見ると3000~5000kmごとで、種類によっては1万kmのものもあります。

キックでエンジンをかけるバイクの場合は、始動に失敗するとプラグがカブることがあります

 走行距離以外にもプラグの交換時期を示す代表的な不調として「エンジンのかかりが悪い」や「走行中にカブる」などがあり、このような症状が現れたときには、メンテナンスとしての清掃や、プラグ発火部の焼け具合によっては交換する必要があります。

 これを放置して乗り続けると、最悪エンジンが止まってしまうなどの恐れもあるので、症状が少しでも見えた時には、運転直後にスパークプラグを外し点検することが望ましく、プラグにとって適正な温度である状態を示す「薄いネズミ色」か「ネズミ色」程度の焼け具合を保っているかをチェックしてください。

 プラグは「焼け具合が重要」と言われ、その「焼け色」によって適合性やエンジンの状態を見ることができ、プラグの状態から不調の原因を探り、エンジンが壊れることを防ぐこともできます。

 プラグ先端部が真っ白で電極が溶解し、デポジット(燃え残り)が斑点状に付着している時は、温度が高すぎて起こる異常燃焼(プレイグニッション)による「焼けすぎ」の状態になり、プラグの熱価が適正でないだけでなく、取り付け時の締め付けすぎによっても起こる症状で、この状態を放置するとエンジン自体が損傷を受けてしまいます。

 低速走行や長時間のアイドリングのほか、空燃費調整の不具合などでカーボンが発生し、プラグの先端部が真っ黒になっているときは「くすぶり」の症状が起きやすく、付着したカーボンを伝って電気が逃げることで、電圧低下が起こり失火や始動不良の原因につながるようになるのです。

 焼け具合以外にも、電極自体の角がなくなり丸くなる「電極消耗」によっても、火花ギャップの広がりにより始動性の低下や走行中の失火などの不調も出てきますので、目視によるチェックはプラグの健康状態を知るための非常に重要なメンテナンスと言えます。プラグのメンテナンスとしては、プラグ専用のクリーナーまたはパーツクリーナーを使って、電極を痛めないナイロン製のブラシを用いてカーボン除去をしてください。

 プラグの点検や交換のために取り外すときには、外す前にプラグ取り付け位置付近の清掃をして、エンジンの内部にゴミが入らないようにしておくことが大切です。装着時に定められた締め付けトルクを守らなければ、その機能を正しく発揮できないだけでなく、内部の燃焼ガスが漏れたり、エンジンの振動でプラグが緩んだり、異常燃焼(プレイグニッション)の原因にもつながります。

 このように、プラグ交換や点検するときは必ず専用の工具を準備し、正しい知識に基づく間違いのない作業をしておかないと、逆にバイクの不調を招く原因にもなりかねないので注意が必要です。

※ ※ ※

 スパークプラグは、バイクのエンジンでも重要な役割を果たす部品のひとつで、正しく装着することでエンジン性能を最大限に発揮できるようになっています。

 新しいものと交換するときには、必ず車種ごとに異なる適応指定のものを利用し、形が小さくデリケートなものになるので、脱着時は慎重な作業を心がけましょう。

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