免許取得したばかりの初心者が高速道路を走ってもいいのか?
バイクのニュース / 2021年4月27日 9時0分
せっかく二輪免許を取得したら、休日には高速道路を利用して、どこか遠くにツーリングに出かけたくなるのは当然でしょう。では、免許取得したばかりのライダーが高速道路を利用すると、何か問題となるのでしょうか? 今回は、バイク初心者が高速道路に乗り入れる際の条件や注意点について解説しましょう。
■二輪免許取得したばかりの初心者でも高速道路を走って大丈夫?
二輪免許を取得したばかりの初心者でも高速道路を走ることはできます。しかしながら、バイクの排気量による制限があり「排気量125cc超のバイク」だけが高速道路を走行でき、125cc以下の原付バイクで高速道路に侵入すると「通行禁止違反」として違反点数2点、反則金6000円が科せられます。また、高速道路で二人乗りを行う際は、「自動二輪車の運転免許を受けた期間が3年以上」かつ「年齢20歳以上」が必要条件となります。※首都高速など一部の高速道路では二人乗りでの走行は禁止されています。
また、バイクの高速道路乗り入れに関するもうひとつ規制があります。それは、2人乗り(タンデム)での利用には、排気量が125cc以上のバイクであっても、「運転車の年齢が20歳以上であること、免許取得後3年が経過していること」が条件となり、免許を取得したばかりの人や20歳未満のライダーが高速道路を2人乗りで走行すると「大型自動二輪車等乗車法違反」として、違反点数2点と反則金1万2000円が科せられます。
一般道では「免許取得後1年」でタンデム走行が解禁されるので勘違いしやすいので注意が必要です。2人乗り利用は高速道路と一般道では取得からの期間が違うこと、また年齢なども含めた条件を満たしていても、首都・都市高速の一部や高速道路上には「二輪車2人乗り禁止区間」という路線あります。利用前には事前にルートチェックをしておかねばなりません。
また、免許を取得したばかりで、初めて高速道路を利用するときには、一般道と状況の変化や運転に関する問題についても知っておいてください。
走行中にはなかなか気づきにくいですが、高速道路は標高の高い山間部などを通過することが多く、首都高などの都市高速では一般道より高い高架を走るため「走行風」が強い傾向があり、横風などの影響も大きくなります。
高速道路は標高の高い山間部などを通過することが多く、首都高などの都市高速では一般道より高い高架を走るため「走行風」が強い傾向があります
ほかにも、車線変更など一般道に比べて速度のレベルがことなり、スピードが出ている車両の流れに乗って行うために、一般道とはタイミングが異なります。安全を確保するための「車間距離」や、高速走行による「制動距離の変化」を意識する必要があります。また、一般道では車線の左に寄せて走る「車線の走行位置」についても、車線のセンター付近を走った方が良いなどの違いも出てきます。
一般道とは異なる走行方法が求められる高速道路で、状況に合わせて正しく運転するには、どんなポイントに注意しておくべきなのでしょう。
■バイク初心者が高速道路を走るときに気をつけることとは?
バイクで高速道路に乗る前には、車両の始業点検も忘れずに行うべきであり、風の影響を受けやすい荷物などの飛散防止対策や、タイヤ空気圧チェックも必要です。バイクごとのマニュアルに記載されている高速道路に適したタイヤの内圧チェックが必須です。
高速道路に入る前には、荷物などの飛散防止対策やタイヤ空気圧チェックも必要です
一般社団法人の日本二輪車普及協会による「高速道路の二輪車の理想の走り方」としては、「ブレない走り」「力を抜いた運転」「スロットルやラインの一定」を推奨していて、走行中の車体のふらつき防止のためにも、一定のスロットル開度と走行ラインの保持を意識し、ハンドルを強く握らずに肩や肘の力を抜いて視線を遠くに置くように求めています。
また、高速道路上での危険を避けるためにも、「大型車の直後など危険な位置につけない」「レーンチェンジの仕方」「追突や落下物も警戒した車間距離のとりかた」などの危険を避けるための行動を指し示しています。つまり、先行車のバックミラーに入りやすい位置を確保し、早めのウインカー点灯とレーンチェンジ後は後続車に認識してもらえるように遅めの消灯を勧めています。
高速道路でのガス欠防止のためには、事前にリザーブコックをONしてから、実際にどれくらい走行できるのかを把握しましょう
ETC車両除く、料金所での通行料受け渡しの際には、ローギアのまま停車して、手元のキルスイッチで一度エンジンを切り、その状態で車両を固定して行うことが望ましいとしており、左足は足元が滑りやすくなっているのでステップに乗せたまま、右足を料金所の縁石の上において、バイクを少し右側に傾斜させておくとバランスが取れて良いとしています。
給油については、高速道路上の最大50km間隔で設置されているSA(サービスエリア)のなかから、ルートにより給油ポイントを決めて、リザーブになる前に早めの給油を心がけてください。
できれば、自身のバイクのリザーブランプが点灯(またはリザーブコックをON)してから、実際にどれくらい走行できるのかを把握しておくと、次のSAまで余裕があるのか無いのか判断できて、慌てることも少なくなるので安心です。
一般道とは違う走行感覚・環境となる高速道路では、乗車前の一般的な始業チェックとバイクを運転するときのポイントの変化に、しっかりとした対応が必須といえるでしょう。
※ ※ ※
免許をとって初めての高速道路の運転は、一般道との違いもあるので、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、常に「安全」を優先した走行をするという点は、一般道でも高速道路でも変わりはなく、疲れを感じる前に適度なSAでの休憩なども予定に入れておくことが大切です。出発前にはバイクの始業点検を怠らずに、運転中は広い視野と遠くに視点を置くことを基本におき余裕のある運転を心がけましょう。
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