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バイクのタイヤが太いとどんなメリットがあるのか?

バイクのニュース / 2021年4月28日 9時0分

バイクにとって最も重要なパーツの一つでもあるタイヤですが、近年映画やバイク媒体などでは、極端なまでに太いタイヤを履いているバイクが登場し、我々の目を惹きつけています。しかし見た目は格好いいですが、タイヤを太くするというのは安全性の観点から見たらどうなのでしょうか。

■バイクのタイヤが太いとどんなメリットとは

 バイカーにとって愛車の見た目は大切です。特にタイヤを太くすると足回りの迫力は一変し、圧倒的なボリュームを感じさせます。しかし、そもそもメーカーが研究に研究を重ねて作り上げた最適な車体とタイヤサイズのバランスを崩すことは問題ないのでしょうか。

 ダンロップによるとタイヤの役割は、「車体やライダーの重さを支える」・「凸凹等路面の衝撃を和らげ、走行をスムーズにする」・「駆動力・制動力を路面に伝え、発進、加速、制動を行う」・「車体の方向転換や維持等、進みたい方向へ車体を導く」と記載されています。

 タイヤは唯一地面と車体が面している部分、いわばライダーの命を預けている部分と言っても大袈裟ではないでしょう。後で後悔しないためにも、メリット・デメリットを十分に理解しておく必要があります。

 今回は、メリットデメリットをそれぞれ3つずつ挙げます。

 1つ目は「ルックスがよくなる」です。冒頭でもお伝えしましたが、タイヤが太くなると迫力が増して見えるものが多いと思います。趣味で乗られている方は見た目も大切だと考える方も多いでしょう。ルックスがよくなると、それだけ所有感も満たされることでしょう。

 2つ目は「パワーが伝えやすくなる」です。バイク自体排気量が増えるにつれ、タイヤも大きくなる傾向にあります。それだけライダーと車体を動かすパワーが必要となります。そのパワーを路面に伝える役割を果たす部分なので、接する面が多くなることはそれだけ伝えられる面が多くなると言えるでしょう。

 3つ目は「タイヤの寿命が延びる」です。タイヤ幅が狭いと地面と接している部分が少ないので、それだけ摩擦を受ける部分が限定的となり、タイヤの寿命が短くなると言われています。その反対で、太くなる=面している部分が多くなると、受ける部分が広がり負荷も軽減されるようです。

 ただしダンロップは製造後10年を経過したタイヤは交換することを推奨すると記載しています。あくまで目安ではあるようですが、走行距離などはもちろん、タイヤそのものの寿命も頭に入れておく必要があるようです。

 次に反対にデメリットはどうでしょう。

 1つ目は「安定感が悪くなる」です。要は曲がりにくくなるということです。ブリヂストンによると、二輪用のタイヤは、直進でも、曲がるときでも、どんなバンク角でも接地面積が大きく変化しないように設計されていると記されています。もし、不適当なサイズのタイヤを履いていて、接地面積が本来計算されていたものではなかった場合、コーナーリングの時などに危険が生じるのではないでしょうか。

 2つ目は「燃費が悪化する」です。タイヤが太くなる=大きくなるということはそれに伴って基本的には重量も重くなります。車体を動かすのに必要なパワーも従来よりも多くなるので、それだけ燃費にも影響してくるでしょう。

 3つ目は「石ころなど、道路環境の影響を受けやすい」です。タイヤ幅が広がっていると、その分地面と接している面も多くなっています。そのため、道路が凹んでいたり、石ころが落ちていたりして踏んでしまうと、その影響を受けやすくなってしまうと言えるでしょう。

■バイク用タイヤの種類とは?

 バイク用タイヤは太さもさることながら、そもそもの構造も種類によって異なります。特徴も変わってきますので、その部分も合わせてご紹介します。バイク用タイヤの構造は、現在大きく分けて2種類あり、バイアスタイヤとラジアルタイヤの2タイプが広く流通しています。

メーカーが研究を重ねて作り上げた最適な車体とタイヤサイズは変更しないことが重要です

 チューリッヒ保険会社によると各タイヤの構造や特長を理解して適切にタイヤを選ぶことが、快適な走行につながるということです。

 各タイヤの特長をまとめると、ラジアルタイヤは高速走行時の乗り心地がよく、安定して走行することができます。適した場面は舗装された路面での高速走行です。タイヤの構造的に側面が柔軟な作りになっており、安定して路面を掴むことができるようになっています。そのため、バイアスタイヤに比べて乗り心地がよいとされています。サーキット走行や大排気量の車両の走行に適したタイヤと言えます。

排気量250cc以下のバイクには、多くバイアスタイヤが採用されています

 反対にバイアスタイヤは、ラジアルタイヤと比較すると悪路に強い設計になっています。タイヤの側面も硬いという特徴を持っているからです。これにより高い荷重への耐性を実現しています。低速走行時の乗り心地が安定しており、中程度の排気量のバイクに装備するのに適しているとされています。バイアスタイヤに採用されているバイアス構造は、バイクのほかにも産業車両や建築車両などにも使用されています。そのことからも分かるようにバイアスタイヤは、悪路走行や、大重量のバイクの足として力を発揮するタイヤです。

 タイヤにもそれぞれの特長があるので、自分はバイクをどういった目的で使うのか、そのあたりも考慮したうえで選んでいく必要もあるのではないでしょうか。

※ ※ ※

 タイヤは見た目も大切ですが、やはりライダーの命を支える重要なパーツです。どれだけ格好良くても車体との相性が悪ければ、それが一生の後悔にも繋がりかねません。タイヤの特長が分かれば、値段だけではなく自分の目的にあったタイヤを選ぶことができます。タイヤのメリットデメリットや特長を十分に理解し、より良いバイクライフを送りましょう。

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