ヤマハのビニャーレスが突如SNSアカウント削除！ 「スペインの恥!!」と擁護のエスパルガロ兄にも騒動が飛び火

マーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）が36万3千人のフォロワーを持つTwitterアカウントを突如削除し、スペインを中心に騒動となっている。そこに至った顛末を追いかけてみよう。

■フォロワーと激論を交わしたビニャーレス

　SNSが炎上したというニュースは日本国内でもしばしば目にするが、レース界でも36万3千人のフォロワーを持つマーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）が、自らのTwitterアカウントを削除したことが話題になっている。

　ことの顛末はこういうことらしい。

　MotoGP・開幕戦のカタールGPで優勝。第2戦のドーハGPでも5位とまずまずの滑り出しを見せていたビニャーレスは、第3戦のポルトガルGPでまさかの失速。「ウィーク中、ずっとフィーリングが悪く、ペースを上げられなかった」と11位に沈み、レース後、「予選で不可解なトラックリミット違反によりラップをキャンセルされた。チャンピオンシップからの離脱も辞さない」と怒りをぶちまけているというデマが、Twitter上にて拡散された。

　するとそれに対して26歳のスパニッシュは「それはでっち上げだ……。（MotoGPを統括する）ドルナに文句をいうこともあるけど、素晴らしいチャンピオンシップを運営してくれている彼らには感謝しなければならない。ハハハハ、引退しようとしているだって？ 僕は勝つまでここから離れるつもりはない。僕はいつも真実を話しているけど、もし嘘つきだと思うのなら、それはそれで構わない」と反論し、すかさず噂を否定した。

第3戦ポルトガルGPを終え、ポイントランキング3位につけているマーベリック・ビニャーレス（モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP）

　だが、その行為が火に油を注ぐことになったのか、ビニャーレスのパフォーマンスに否定的なコメントを書き込んでいたフォロワーをさらに刺激。批判の内容には「モルビデリにファクトリー・マシンを譲れ」といった内容がどうやら含まれていたらしく、「もし誰かが僕のバイクを欲しがっているのならそうさせてあげればいい。批判したいんだったら自分のTwitterアカウントから僕を削除すればいい。そうしないんだったら僕がアカウントを削除する」と返答し、その通りに実行した。

■擁護したエスパルガロ兄にも騒動が飛び火

　様子を見かねたアレイシ・エスパルガロ（アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ）が「Twitterに多くの嫌われ者がいることが嘆かわしい。嫌われ者のせいでTwitterは閉鎖され、チームではなく自分でSNSを運営していたトップスポーツマンがいなくなってしまった。こんなことはスペインだけだ！ 恥を知れ！」と同胞のライダーを擁護すると、今度は母国スペインを離れ、アンドラ公国に居を構えるエスパルガロにも騒動が飛び火。批判の矛先が向いた。

マーベリック・ビニャーレスを擁護するも騒動が飛び火し批判を受けたアレイシ・エスパルガロ（アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ）

　アプリリアのエースは「僕がスペインを嫌っていると思いますか？ アンドラに8年間住んでいるけど、今もスペインが大好きです。でも現実を否定することはできません。他の国でも似たようなことがあると思いますが、いろいろな国のトップアスリートと一緒に過ごしてみると、スペインの方がよりひどいように感じます。憎しみに満ちたネガティブで建設的でない批判が、日々の糧になっているのだろうか？ 優れたスポーツマンや女性に対するこのようなヘイトは、もはや批判とは呼べないと思います」といき過ぎた一部のファンに理解を求めた。

　これまでもたびたびナイーブさを指摘されてきたビニャーレスだが、今年2月にはラクエル・スビラさんとの結婚を発表。新妻の懐妊も分かり、家族を持ったことで精神的に安定したと見られていたが、シーズンが始まったばかりでこの混乱。才能に見合った成績を残し続けるためには、やはりもう少し図太さが必要だろう。なお、Instagramはしばらく更新されていないものの、136万7千人のフォロワーを持つアカウントはそのままとなっていいる。