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バイクを長期保管する際の注意点とは?

バイクのニュース / 2021年5月2日 9時0分

未だに収束の見込みがみえないコロナ禍。これによって自粛生活を強いられ、バイクでツーリングに出かけるのも難しい状況が続いています。そのため、気がつけば大切な愛車を長期間放置してしまっている人も多いのではないでしょうか? 現在の状況を含めて、毎年冬場のオフシーズンには数カ月乗らないこともあるバイカーにとって、大切なバイクをベストな状態で保つための保管方法、その情報は知っておくべき大切な事柄でしょう。

■バイクを長期保管する際の注意点

 バイクを長期保管するには、事前の準備をしっかりと行わないと、再び乗るときに不調の原因にもなりかねません。しっかりとした対策をせずにバイクをしばらく放置するとどうなるか、問題点を挙げてみます。まず、放電による「バッテリーあがり」や、ボディやフレームに出るサビなどの「腐食」のほか、電極の酸化や腐食などによる「接触不良」やゴム部品の劣化による「ひび割れ(裂傷)」などのトラブルが考えられます。

 バッテリーはエンジンをかけていないときでも、セキュリティ装置や電子機器を備えたバイクなどで、常時通電して機能維持に必要な電力供給を行っています。それだけでなく、バッテリー本体からも微弱ながら自然放電もします。消費した電力を補うには走行して発電~充電をしないと、放置期間が長い場合、バッテリーあがりが起きてしまいます。

 また、注油をしていない状態が長く続くと、金属パーツが多く利用されているためサビの発生箇所も多く、屋外では風雨に晒されることで、サビなどの腐食が進行しやすい状態になります。これはコネクター類の接続部分の金属にも言えることで、端子が腐食すると電極の接触不良や漏電の原因にもなりかねません。

長期保管では、タイヤなどの劣化も起こる可能性があります

 屋外保管では紫外線の影響で、電極をカバーするプラスチックやゴムパーツの劣化を早めてしまいます。加えて、タイヤのひび割れなどの損傷で、空気が漏れて使用できなくなるなどの問題も発生します。また、エンジン回りのゴム製品に穴や裂け目ができて吸排気が漏れている状態に気付かず、走行中に大きな不調に陥ってしまうトラブルが起きかねません。

 バイクに乗らない期間によっては「任意保険の休止」をしないと、余分なお金を払い続けることにもなり、一年以上乗らないと判断できるなら、バイク登録「一時抹消(廃車)」をしておけば、無駄に一年分の軽自動車税を払わなくて済みます。軽自動車税は4月1日の所有車に課税されるので、抹消登録は3月末までに終えることが肝心です。

 バイクは乗らなくても必ず劣化していきます。どうしても乗れない期間が出てしまうときに、少しでも状態の良いままで保管するには、一体どうすれば良いのでしょうか?

■お勧めの保管方法とは

 バイクのお勧めの保管方法として、長期間乗らないときはバッテリーを外し、燃料タンクは「空」にして潤滑スプレーで内部にコーティングをしておくと、タンク内のサビの発生を抑えられます。燃料を完全に抜けない場合は「満タン」にして、空気が入り込む隙間をなくしておけば寒暖差による結露が発生しにくく、サビが発生するのを防ぐことができます。

 長期保管の前には、わずかな汚れでも必ず洗車と各部の入念な清掃を行いましょう。腐食を防ぐためチェーンなどの駆動部分の注油作業だけでなく、レバーやシフトペダルなどの可動部分にもグリスアップを忘れず実施しておきます。

 エンジン内部に沈澱するゴミを取り除くために、エンジンオイルを新しいものと交換します。タイヤも同じ面をずっと接地させていると荷重負荷によりタイヤの変形や痛みが発生しやすいので、メンテナンススタンドなどで浮かせておくことが理想です。浮かせられないときは定期的に接地位置を変えること、そして変形を防ぐために空気圧点検を行ってください。

タンク内のガソリンやキャブレター仕様車の場合は、ガソリンも抜いておきましょう

 乗らない間はフューエルコックをオフにしておき、キャブレター仕様車の場合はキャブ内のガソリンも抜いておくとガソリンが腐ってジェットに詰まることも避けられます。クラッチの張り付き防止のためにはレバーを引いた状態にして結束バンドなどで留めておくのも有効です。保管時にはバイクカバーをかけておくことは必須です。できれば屋内保管で、紫外線や風雨による影響や、屋内保管の埃から守りましょう。それだけでなく、ガレージ保管はパーツ盗難などを防ぐうえでも有効です。

 長期保管していたバイクに再び乗る前に、軽く前後に動かして「固着している部品がないか?」「ブレーキは正常に効いているか?」「オイル漏れなどの跡がないか?」の確認をし、タイヤもひび割れなどがなく、安全に走行できる状態であることを空気圧とともにチェックしてください。

 タンクに残っている古いガソリンは、エンジンをかける前に捨てて新しい燃料と入れ替え、エンジンオイルや冷却水も交換しましょう。それを怠ると、放置期間に発生したゴミや不純物が混ざった状態で循環して機関に悪影響を及ぼす恐れもあります。

 目視による点検後も、すぐには走り出さず、暖気運転をしながら各部の異音や排気漏れなどの症状が出ていないかのチェックを忘れずに行います。安全な状態が確認できるまでは遠出は避け、不調になったときにもすぐ戻れるように近場で試走行を行いましょう。

※ ※ ※

 センタースタンドがあるバイクだと、タイヤを浮かすだけでなくサスペンションへの負荷も軽減できるメリットがあります。しかし、強い横風の影響や、保管場所がマンションなどの共有部分だと、ほかのバイクの出入庫時に接触してバイクが転倒しやすくなるリスクがあります。

 また、乗らないことでバイクへの意識が薄れていくことや、昼夜問わずバイクがいつも定位置にある状態が続いて、盗難の危険性が高くなることにも気をつけておかなくてはなりません。

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