放置していた不動バイクを復活させる方法とは
バイクのニュース / 2021年5月7日 9時0分
しばらく乗らずに放置していたせいで、動かなくなってしまったバイクを復活させたい。そのためには、一体どんな方法があるのか。不動バイクを復活・リニューアルさせる方法と、乗れるようになるまでにかかる費用について解説・検証します。
■不動バイクを復活させる方法とは
不動車の復活には、バイクが「動かない原因」を探り、発見して、その問題点を修正していくことが基本です。キャブレターをはじめとしたエンジン内部の状況や、燃料タンク内部や外装及びフレームなどのサビや腐食などの除去、またチェーンやサスペンションなどの駆動部分のリフレッシュのほか、消耗品であるバッテリー、プラグ、オイル、タイヤなども状態に応じて交換が必要です。
まず、不動の主な原因として考えられるのは、「燃料系」あるいは「点火系」のトラブルでしょう。燃料系ではキャブレターのなかで、古いガソリンが腐食凝固して詰まっていたりします。これをオーバーホールなどの清掃作業で除去することから始めます。タンク内のサビは燃料ラインを詰まらせる原因になるため、タンク内のサビ取りを溶剤などを使って行ないます。
点火系のトラブルは、まず使用期間が長い、あるいは不明な「バッテリー」については新しい製品を用意します。同時に「プラグ」も新品に交換します。ほかにも「エンジンオイル、冷却水、ブレーキフルード」や、油圧クラッチならば「クラッチフルード」も交換しましょう。「チェーン」は使える状態であればメンテナンスして、使用期間が不明なパーツは新しい部品と交換します。
タンク内の錆び取りは、燃料ラインを詰まらせる原因になるので溶剤などを使い錆を落としましょう
長期放置されたバイクで気をつけたいことは、「いきなりエンジンをかけようとしない」ことです。エンジン内部がどうなっているかわかない状態でセルを回すと、長期放置により油膜の切れた状態でピストンが動いてシリンダー内壁やピストン自体を損傷させる恐れがあるからです。加えて、腐ったガソリンや内部で発生したサビが余計なところにまで回る可能性もあります。
不動と言っても、外観は今にも走り出しそうな状態なのにエンジンに不具合がある個体や、長期放置によってあちこちに不具合が生じ動かなない個体など、状態は大きく分かれます。当然ですが、バイクの状態によって修正・修理するポイントは異なり、排気量によっても修理費用が異なるので、注意が必要です。
■リニューアル費用の目安、場合によって売却した方がメリットがあることも
不動バイクを動かせるようになるまでには、修理だけでもそれなりの費用がかかりますが、実際にバイクが動くようになったときにも、「軽自動車税」の納付や「自賠責保険」「任意保険」の加入も加わり、車検が必要な250cc超の排気量のバイクであれば「車検費用」も加算されます。
長く放置した車両は、キャブレターのオーバーホールを行いましょう
実際にどのくらいの費用がかかるのか。まず、キャブレターのオーバーホールだけでも1気筒あたり1万円前後の費用が目安であり、4気筒車であれば4万円程度必要となります。バイク屋さんに依頼するときには、不動車をショップまで輸送する輸送費用についても考えておかねばなりません。また、タイヤやブレーキパッドの交換などを一緒に依頼すると、部品代を除いた工賃だけで最低限1カ所3000円程度必要です。
油脂類や消耗品類を自分で交換できる人であれば、状態により原付で消耗品の部品代のみで2~5万円程度で何とかなるようです。しかし、排気量ごとに部品のサイズもコストも大きく異なり、大型バイクになるほど経費がアップします。250ccクラス以上になると、前後のタイヤの価格だけでも、原付に比べて高額なのは当然で、安く見積もっても2万円ほど必要です。
不動車のエンジンがかかるようにするまでの費用の見込額は、キャブレターのオーバーホールと、バッテリーなどのエンジン周りの消耗品の交換で済む場合で、原付でおおよそ2~3万円程度、大型車で5~10万円前後です。
タイヤやチェーン交換、その他のパーツもメンテナンスしましょう
ただし、この費用のほかに、状況によってはタイヤやチェーンの交換費用やフロントフォークやリアサスペンションのメンテナンス費用、外装の修理やサビ除去の費用なども別途必要なこともあります。実際にバイクを乗り出すときには、法的に「自賠責保険」へ加入しなければならず、もっとも短い12カ月契約の場合、125cc以下の原付7070円、125cc超250cc以下7540円、250cc超7270円です。
ほかにも、250ccを超えるバイクが公道を走るには「車検」を受けなければなりません。その車検費用として約3万5000円~5万円前後。抹消している状態から登録し直すときには年間の「軽自動車税」の納付も加わり、排気量ごとに原付(90cc以下)2000円、90cc超125cc以下2400円、125cc超250cc以下3600円、250cc超6000円の費用が必要です。
なかには不動車の状態によって売却した方が良い場合もあります。修理代が車両購入費用を超える時や、次に乗る機会を特に明確に定めていないときなどです。知識や技術がないと自分で復活させるにはなかなか困難な作業で、仮に復活させても各部の劣化により不具合が出ることもあります。よほどの希少価値がある車両、あるいは愛着のあるバイクを除けば、一旦手放して新しいバイクを購入する方が良いかもしれません。
その際には、バイクの車体を廃車にするにも費用がかかりますので、バイク買い取りセンターなどを活用して、無料ででも引き取ってもらう方法が得策でしょう。
不動のバイクを復活させるためには、まずどのくらいの費用がかかるのかをバイク屋さんなどに相談してから決めても遅くはありません。自分で作業するにしても、必ず動くようになる保証はありません。途中でやめてしまうと使った費用だけが無駄になってしまうというリスクもあり、実際に乗り出すまでにはそれなりのコストと手間を覚悟しなければなりません。
※ ※ ※
安くバイクを購入するために、個人売買などで不動車を購入して修理しようと考える人もいるかもしれません。しかし、知識も技術もない初心者には逆に高くつくことが多いので避けた方が賢明です。
もし、今乗っているバイクが動かなくなってしまい、修理せずに放置する際には、乗らない期間次第で「一時抹消」手続きをしないと税金だけがかかります。この点にも注意が必要です。
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