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バイクで転倒…その原因と対処法とは

バイクのニュース / 2021年5月14日 9時0分

バイク乗りにとって「転倒」は、停車時から走行中までさまざまな場面で起こりうる出来事であり、転倒への警戒は常に必要となります。では、実際にどのような転倒の仕方があり、転倒してしまったときにはどう対処すべきなのでしょうか?未然に知っておくことで防げる失敗や迅速な対応につながるので確認していきましょう。

■転倒の原因と種類とは

 バイクの転倒の種類には大きく分けて「立ちゴケ」・「スリップダウン」・「ハイサイド」と呼ばれるものがあります。初心者にもっとも多いのが「立ちゴケ」で、バイクが静止した状態のまま転倒してしまう状態を指します。

「立ちゴケ」の主な原因は、停車時に足を接地するタイミングを誤ったときや、予想外の傾斜があって足が着かない、Uターン時や発進時のクラッチ操作のミスによるエンスト、サイドスタンドを出したつもりが出ていなかった、靴の紐やズボンの裾が車体に引っかかってバランスを崩すなどのほか、突然強風に煽られて倒れてしまうこともあります。

 走行中におこる「スリップダウン」は、バイクとライダーが一緒に滑るように転倒する状態を指しています。原因としては、濡れたマンホールや白線、落ち葉や砂などをタイヤで踏んでしまったとき、路面が凍結している状態であったり、急ブレーキなどでフロントタイヤがロックしてしまうことで起こることもあります。

ハイサイドは、バイクのコントロールができなくなりライダーが放り出されてしまうほどの勢いがあります

 バイクの転倒のなかで、もっとも危険だと言われている「ハイサイド」は、カーブを曲がろうとしているときの荷重変化と前後タイヤのグリップ力のバランスによって起こる状態です。バイクのコントロールができなくなり転倒してしまい、ライダーがバイクから放り出されてしまうほどの勢いを持っています。

 バイクの転倒の原因は、ライダーの技量不足や疲労からくる集中力の低下も含めた不注意によるものになります。では、転倒を防ぐための対処法や普段から気をつける防止策はどのようなものになるのでしょうか?

■対処法や防止策とは

 バイクで転倒をした際は、どのような状況においても慌てず、まずは自分の怪我の状態と周囲の安全を確認しましょう。バイクのエンジンがかかっている場合は、速やかにキルスイッチで停止させてから車体を引き起こすようにしてください。

 では、先述したバイクの転倒の種類ごとに、防止策をご紹介していきます。初心者がもっとも警戒すべきバイクの「立ちゴケ」は、バイクの重さを傾きによって支えきれなくなり起こるため、低速時や停車時にバランスを崩さないようにするしか防止策はないでしょう。

転倒を防ぐには、足付き性の良いバイクを選択したいところです

 立ちゴケを防ぐためにも、地面に両足が完全に接地する「足付きの良いバイク」であることが理想です。もし、完全な接地が難しい場合は、車重が軽く両足のつま先が同時に着ける程度のバイクを選びたいところです。

 また、Uターンや発進停車時に、バランスを保てるようにバイクの重心を掴んでおくことや、雨の日の濡れた路面では滑りやすい場所に足を着かないようにすることで防ぐこともできます。

 不安な時は「エンジンガード」や「スライダー」を装備しておくと、立ちゴケしたときにバイクへのダメージを軽減してくれます。

スリップダウンを防ぐためには、路面状況やタイヤの状態を確認することが重要です

 走行中に起こる「スリップダウン」の防止法としては、走行中に唯一、地面に接地しているタイヤの状態に気をつけておくことが重要です。雨天で道路が濡れているときには、タイヤが滑りやすくなる道路の白線やマンホールの蓋などを踏まないようにしておきましょう。路面が乾いていても、タイヤのゴムの残量状態によっては性能が十分に発揮されない可能性もあるため、タイヤの性能状態を示す「スリップサイン」が出ていないかは常に確認しておくと良いでしょう。

 もっとも注意すべき転倒である「ハイサイド」の防止法としては、コーナーへの進入速度に注意するということで、必ず手前でスピードをしっかり落としてから進入し、曲がっている最中は急にアクセルを戻したり開けたりしないようにしましょう。

 ハイサイドは、曲がっているときに横滑りをしている状態からアクセルを戻すことで、滑っていたリアタイヤがグリップ力を急激に回復することが原因で起こるものになりますが、起こってしまうとプロのレーサーでも制御できません。

 そんな、ハイサイドの唯一の対処法は、「ハイサイドが起きてしまう状態を避けること」しかなく、カーブへの進入速度を抑えて、曲がっているときは急激なアクセルワークやブレーキング操作をしないことです。

 慣れない道で、思ったよりコーナーが深かった際などにも、冷静に対応できるように、普段から安全運転を心がけることが非常に重要なポイントになります。バイクでの転倒は、停車時から走行中まであらゆる場面で遭遇する可能性があるため、スタンドを立てて完全にバイクが駐車するまでは、気を抜かないようにしておきましょう。

※ ※ ※

 転倒の仕方によっては、バイクが走行不能の状態になってしまうときもあります。まず、バイクを安全な場所に移動することが最優先ですので、一人で運ぶことが困難な場合は、加入している任意保険のロードサービスなどを活用して移動させるようにしてください。

 余談ですが、ホンダ技研の新車保険では「立ちゴケ補償」の利用もできるようになっていて、新車購入から最大6ヶ月の間に起こる立ちゴケによる軽微な損傷について、修理金の一部を負担してくれるサービスがあります。免許をとったばかりで「バイクに慣れるまで心配」という人は、このようなサービスを利用しておくのも良いのではないでしょうか。

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