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マニアな人気を集めているヴィンテージな鉄スクーター富士重工業のラビットS601で走ってみました!

バイクのニュース / 2021年5月14日 11時0分

一部のマニアから高い人気を集めているのが「鉄スクーター」と呼ばれているヴィンテージスクーター。金属ボディならではの独特の質感、レトロなデザイン、旧車ならではの乗り味が魅力です。そこで、ラビットオーナーのママライダーが走ってみました!

■レトロでかわいいヴィンテージな鉄スクーター、ラビットS601

 最近人気を集めている「鉄スクーター」と呼ばれるスチールボディのヴィンテージスクーター。金属ボディならではの独特の質感、レトロなデザイン、旧車ならではの乗り味が魅力です。海外ではイタリアのピアッジオ社製のベスパ、 イノチェンティ社のランブレッタ。そして、国産では富士重工業(現在のSUBARU)のラビット、三菱重工業のシルバーピジョンなどが人気を集めています。

 私もいつか欲しいなぁ~と思っていましたが、程度のいい中古車両に出会うことはなかなかできません。そんな折り、群馬県太田市の知人がラビットの「スーパーフローS601」を手放すというこということを知り、我が家へやって来ることになったのです。

 そう、群馬県太田市といえばSUBARU群馬製作所のある場所。ラビットとは深いゆかりがあるのです! 元オーナーさんは地元愛から大切に保管していたそうなのですが、諸事情により所有できなくなったため、大切にしてくれる人を探していたのだそう。

パーツ探しに苦心しつつもレストア完了、調子を確認するために近所を走行してみました

 キレイな保存状態でしたが不動車。パーツ探しに苦心しつつもレストアして動くようになりました。知人のガレージに預けていましたが、ようやく屋根付きの保管場所を確保でき、引き取ることができたのです。ちゃんと調子を確認するために、今回はソロで近所を走ってみました。

■混合燃料の割合や空気ばねの空気圧など注意点は多いけど、手がかかるだけ愛着も増します

 ラビットシリーズは1946年から1968年まで生産。スーパーフローS601は1959年に登場。改良を重ねながら1968年まで販売されました。新設計の199cc空冷2サイクル単気筒エンジンを搭載。エンジンと後輪が一体式になった片持ちユニットスイング方式が採用されています。

ラビット S601には、「空気ばね」と呼ばれるエアサスペンションが採用されています

 大きな特徴は「空気ばね」と呼ばれるエアサスペンションを採用しているところ。圧縮した空気の弾力性を利用して衝撃を吸収する機構で、空気圧を変えることによって抵抗力を調整します。この空気バネのフワフワとしたソフトな乗り心地が人気の秘密です。しかし、一方で苦労するところでもあります。中のゴムが劣化しているため、空気が抜けてしまうという症状に悩まされました。

 実は旧車で一番困るのがパーツ探しです。なんとか程度の良い中古の空気ばねを3万5000円くらいで入手。交換することができましたが、パーツ探しや動くようになるまでイベントとして楽しめないと、お金のかかる厄介者になってしまうかもしれません。

ラビットで走行するには、オイルとガソリンを混ぜた燃料が必要です

 また、ラビットはオイルとガソリンの混合燃料です。推奨では25:1とちょっとオイル濃いめです。5リットル入れたら200ccカップに1カップ分の2サイクルオイルを混ぜる必要があります。給油の時は時間がかかってとても面倒です。

 それからガソリンスタンドでは空気圧のチェックも大切です。空気ばねの標準空気圧は1.75kg/cm2で、抜けているようだったらエアを入れます。以前は数時間で抜けてしまっていたのですが、交換してからは1ヶ月も空気圧を保っています。ヨシヨシ。

ウサギをモチーフにしたエンブレムを採用しているラビットS601

 手がかかる子ですが、そんなところも愛らしい。デザインも相まって愛着がわきます。ウサギをモチーフにしたエンブレム、ハンドルグリップやブレーキペダルにもウサギのマークが施されているのもカワイイ。淡いグリーンのツートンカラーの少しヤレた風合いが、なんともいえない深い味わいをかもし出しています。ほっと落ち着くのです。

■トコトコ感とふわふわ感の乗り味ハーモニーにほっこり

 またがると両足がベッタリ着きます。大柄な車体ですが、車体は比較的軽くて取り回ししやすいです。センタースタンドも立てやすい方だと思います。ハンドルはマウントに衝撃吸収のためのクッションラバーが入っているので、ハンドルで持ち上げるように取り回すと若干グニャグニャします。劣化を避けるために、ハンドルにはあまり負担をかけないほうがいいかも。

大柄な車体ながら跨ると両足がベッタリ着きます

 走りに行ったのは新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の前ですが、密閉空間、密集場所、密接場面の3密を避けて多摩川沿いを走って郊外へ向かいます。セルボタンでエンジンスタート。バッテリーの調子もばっちりで、トコトコとした小気味いいエンジン音を奏でます。

 キックスターターでもエンジンを始動できますが、基本はセルスターターを使用。キックアームによる不具合が出やすいのであまり使用しない方がいいとアドバイスされたこともあり、キックスターターはエマージェンシー的に使うことにしています。

最近の2サイクルエンジンオイルが優秀なのか、マフラーからは白煙が出ませんでした

 ちなみに2サイクルエンジンといえば、もうもうと白煙を吐き出す印象ですが、最近の2サイクル用オイルが優秀なのか、マフラーから気になるような白煙は出ません。よくみると淡く白い煙が確認できる程度です。低煙タイプの2サイクルオイルもあるらしいので、いろいろ試してみたいところです。

 アクセルを開けると初動はゆっくり。ちょっと力を溜めるようにしてから緩やかに進み始めます。2サイクルエンジンはピーキーなイメージだったのですが、意外なマイルドさに最初はビックリしました。スタートは非力ですがスピードが乗ってくると時速60キロは普通に出せます。

 赤信号から青信号に変わった時、バイクならではのスタートダッシュはできませんが、青信号になった途端にアクセルを開ければ、クルマに煽られない程度には頑張って加速してれます。体重のある人と厳しいかもしれませんが、少しふくよかになった私くらいなら大丈夫です(笑)。

フワフワとした乗り味は快適で楽しく走ることができます

 トコトコと小気味いいエンジン音、空気ばねのフワフワした乗り心地が快適で、とても楽しく走れます。ブレーキの効き目はあまり良くありません。グググ~っと粘り強く聴いてくる感じなので、早めのブレーキングがコツです。メリハリのあるコーナリングは不向きのようです。

 カーブは攻めずに滑らかかつ確実なコーナリングを心がけます。前後8インチの小径ホイールのヒヨヒヨ感もありますが、緩やかにジワ~ッと利き目を発揮するブレーキ、思い切りアクセルを開けてもなかなかスピードに乗らないエンジン…などの特性を考えると、スポーティさよりもスムーズさを目指した方がよさそうです。

コーナーでは、エンジンに負担をかけずに走ることが重要です

 コーナー前でほどよい減速、慣性を生かしつつエンジンに負担をかけすぎないように緩やかに加速…という感じでしょうか。現在の200ccクラスに比べたら非力ですが、一般道でも交通のジャマになるほどスピードが出ないワケではありません。急がなくていい分、牧歌的な気分でほっこりします。いかに普段は焦ってバイクに乗っているかに気づかされます。

 車両が古いと「こんなものなのかなぁ?」と考えがちですが、いろいろ情報を集めたところ、トルクコンバーターやキャブレターを整備、調整すると加速が改善することもあるそう。感覚的な疑問を持って、それを調べたり、改善したりするのもおもしろい。そして新しい発見もあったりします。これから走る以外の楽しみも増えそうです!

■富士重工業 Rabbit Superflow S601
全長×全幅×全高:1900×750×1000mm
軸距:1330mm
最低地上高:145mm
車両重量:168kg
最小回転半径:1.7m
エンジンタイプ:空冷2サイクル単気筒
総排気量:199cc
内径×行程:65.0×60.0mm
圧縮比:6.5:1
最高出力:11ps/5500rpm
最大トルク:1.6kgf・m/4000rpm
燃料タンク容量:6L
タイヤ:前4.00-8、後4.00-8

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