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バイクに装備されているセンタースタンドの必要性とは?

バイクのニュース / 2021年5月20日 9時0分

バイクのスタンドには、バイクをやや斜めにして、つっかえ棒のようにバイクを支えるサイドスタンドとバイクを直立させるセンタースタンドがあります。バイクのなかには2種類のスタンド両方を備えたバイクがあります。使い勝手だけならサイドスタンドのほうが楽と言えるでしょう。では、両方備えるバイクのセンタースタンドの必要性とはどのようなものでしょうか。

■センタースタンドの必要性とは

 バイクに取付けてあるスタンドはサイドスタンドとセンタースタンドの2種類です。車種によってサイドスタンドだけのモデル。サイドスタンドとセンタースタンドの両方が付いているモデルに分かれます。両方付いているモデルはなぜ2種類のスタンドが必要なのでしょうか。

 センタースタンドは、サイドスタンドと違いバイクをテコの原理で立てるスタンドです。センタースタンドをかける、外すには手順とコツがいるため、バイク免許を取るときに教習所で教わる内容にもなっています。センタースタンドを別名で「メインスタンド」と呼ぶこともあります。

 特に排気量1000ccを超える大型バイクや、車体が大きいビックオフ、ツアラーでセンタースタンドをかけるとき、外すときは慣れが必要で練習がいると言えるでしょう。センタースタンドはバイクを地面に対して直立にして、後輪が浮くような形でバイクを立たせます。この状態がバイクを管理するとき、とても有用でセンタースタンドを後付けで付けるバイカーもいます。

 センタースタンドの必要性は、バイクをメンテナンスするとき実感できると言えるでしょう。ドライブチェーンで駆動するバイクは、チェーンの調整と確認、注油を日常的に行う必要性があります。特にチェーンのたるみ具合の確認と調整をするとき、センタースタントでバイクを立てるとジャッキアップの手間や専用の工具を使わず、作業が手早くできます。

センタースタンドが装備されていないモデルは、ジャッキアップやメンテナンススタンドなど利用し、メンテナンスを行いましょう

 サイドスタンドだけのバイクは後輪に関わる作業をするとき、ジャッキアップやメンテナンススタンドなどをしないと効率的に作業ができません。センタースタンドはジャッキの代わりをしてくれるスタンドと言えるでしょう。

 後輪が浮いているため、パンク修理もスタンドを立てるだけで作業に取り掛かれます。前後のタイヤでパンクしやすいのは後輪と言われており、センタースタンドを立てると、後輪が浮きパンク箇所探すことも、修理作業も簡単にできます。同じようにタイヤ交換も手早く取り掛かることができます。

 リアサスペンションの調整や交換、スプロケットの交換作業、ドラムブレーキのブレキシューの交換など後輪に関わる作業がセンタースタンドの有無で大幅に変わります。それ以外にも車体が真っすぐに立っているためオイル交換やオイルフィルター交換、ブレーキフルード交換など、自分でバイクのメンテナンスをしたいバイカーにとってはとても有用であると言えます。

 加えてバイクを長期保管するとき、センタースタンドがバイクの重量を支え、タイヤの負荷軽減になり、タイヤの変形やひび割れ防止にもなります。それだけでなく、センタースタンドは外すときに慣れとコツがいるため、盗難防止になるという意見もあると言われています。

センタースタンスタンドを使用しる場合は、平地の舗装路で立てましょう

 注意点はセンタースタンドをかける場所が未舗装地や傾斜している場合はサイドスタンドのほうがバイクを支えるには向いていると言えます。使い勝手だけならサイドスタンドのほうが便利です。しかし、センタースタンドには単にバイクを立てるだけの「スタンド」以上に役に立つスタンドと言えるでしょう。

■後付でセンタースタンドを取り付ける方法とは

 単なるスタンド以上の役割があるセンタースタンド。それを後付けするバイカーがいます。では、どのバイクにも後付けでセンタースタンドの取り付けが可能でしょうか。結論は全てのバイクにセンタースタンドの後付けはできません。

 しかし、後付けできるバイクはあります。純正オプションとしてセンタースタンドをラインナップしているバイク、カスタムパーツで取り付けの条件が揃っているバイクはセンタースタンドを取り付けることは可能です。

カワサキ「Z900RS」には、オプションでセンタースタンドを装着することができます

 純正オプションでセンタースタンドを用意しているバイクの例をあげると、英国バイクメーカーTRIUMPH「ボンネビルT100」「ボンネビルT120」「スクランブラー1200XC」。国内メーカーホンダ「アフリカツイン」「NC750X」、カワサキ「Z900RS」、スズキ「Vストローム650XT」などのいくつかの車種は取り付けができます。

 ほかにもカスタムパーツでセンタースタンドが発売されているモデルは、後付で取り付けができます。しかし、注意が必要です。カスタムパーツのなかには、無理をして取り付けをしているセンタースタンドもあります。

 取り付けが可能になる条件は、バイクのフレームにスタンドを取り付ける基部があることです。バイクのモデルによってはフレームを他のモデルから転用しており、それが理由でセンタースタンドを取り付ける基部が付いているモデルがあります。ただし、取り付け基部があったとしても、センタースタンドを畳んだときにどこにも干渉しないスペースが必要です。

 フレームを流用したモデルに無理やりセンタースタンドを取り付けようとすると、スタンドを畳んだときにエキゾーストパイプやスイングアームに干渉するということが起きます。加えて、センタースタンドは強力なスプリングで戻るため、ショック吸収用のダンパー取り付けも必要です。

オフロードバイクは、センタースタンドを無理やり取り付けると危険を伴う恐れがあります

 以上のような理由から、純正オプションで用意されている場合はセンタースタンドの後付けはできます。しかし、設定がないバイクにセンタースタンドを無理に取り付けるのは危険があると言ってよいでしょう。オフロードバイクにセンタースタンドを付けたいと希望するバイカーはいますが、取り付ける基部を持たないバイクに無理やり取り付けを行うのは危険です。

※ ※ ※

 バイクを支えるセンタースタンドは「スタンド」以上の役割と必要性があります。立てるときにコツが必要になりますが、その役割は日常のメンテナンス、修理、長期保管と大変有用なものと言えるでしょう。しかし、無理やり取り付けるのは危険なため止めましょう。

 もしバイクを購入するとき、純正オプションのリストにセンタースタンドがあれば、センタースタンドの有用性が体験できるでしょう。

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