バイクメーカー「KTM」と聞いて思い出すのは奇妙なレーシングカーだった ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.96~
バイクのニュース / 2021年6月2日 17時0分
レーシングドライバーの木下隆之さんは、オーストリアのバイクメーカー「KTM」と言えば4輪のレーシングマシンだと言います。どういうことなのでしょうか?
■速さこそが存在意義、圧倒的な個性を放つKTMの軽量マシン
4輪の世界にいる僕(筆者:木下隆之)には「KTM=レーシングマシン」という公式が刷り込まれている。とくに2018年から参戦してきた『ブランパンGTアジア』で各国を転戦していると、それが一層色濃く植え付けられた。年間12戦あるすべてのレースで、KTMと戦っていたからである。
そしてその公式には、こんな一文が添えられる。
「えげつなく個性的な軽量マシン」
ブランパンGTアジアに、僕はBMW「M4GT4」で戦ってきたのだが、ライバルにKTM「X-BOW GT4(クロスボウGT4)」がいた。クルマのモノコックはカーボン素材で作られており、基本的にはフォーミュラカーのようにバスタブ形状の骨格をなす。一応ルーフはあるのだが、フロント部の蝶番を支点にフロントガラスごとルーフが前方へ開く。つまり、ドライバーの乗り降りはサイドのドアではなく、フロントガラスをパカっと開けて行なう。サイドのドアはない。
ゴーカートでもない。遊園地やテーマパークにさえそんな特異な乗り物は見当たらない。じつに“奇妙なレーシングカー”なのである。
もはや、速く走ること以外にこのクルマの存在意義はない。乗り降りが困難であり、地べたに腰をおろすが如き着座点は低い。荒馬が先を急ぎたがるように、手綱を緩めればいきなり駆け出しそうなのである。
という強烈な体験から、僕の中に「KTM=奇妙なレーシングマシン」という公式が刷り込まれてしまったというわけだ。
とはいうものの、一方でKTMがバイク生産を源とするオーストリアのメーカーであることは耳にしていた。だからこそ、今回のKTM試乗には興味があった。そして改めて、KTMはえげつないほど個性的なバイクであることを知ったのである。
シート高830mmのKTM「125 DUKE(125デューク)」にまたがる筆者(木下隆之)
排気量はたかだか125cc以下のネイキッドバイクなのだが、低くないシートに跨がった瞬間よろけそうになり、ハンドルのグリップを握っていた右手首がクルリと返った。スロットルを開けてしまったのだ。クラッチを握り手綱を緩めてもいないのに、いきなり駆け出しそうになった。
スリムで軽量な車体、個性的な尖ったデザイン、刷り込まれたレーシングマシンの記憶……こいつはやばい。えげつないほどにやばい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
内燃機も電気も、モーターは冷やすことがキモ?
バイクのニュース / 2024年11月27日 17時0分
-
KTMのスーパースポーツ最大排気量モデル 「990 RC R」市販予定車公開
バイクのニュース / 2024年11月25日 16時10分
-
目がバグる! “超幅狭”ボディのトヨタ「スープラ」がスゴイ! “めちゃ速い”1人乗り仕様で182万円! 「GR スープラ Jr. ロードスター」の正体とは
くるまのニュース / 2024年11月12日 10時10分
-
名所であり最大の難所「オー・ルージュ」に挑む多くのツワモノたち
バイクのニュース / 2024年11月6日 17時0分
-
ドイツ暮らしで思う、ここはツーリングの理想郷ではないか!? しかし……
バイクのニュース / 2024年10月30日 17時0分
ランキング
-
1日本株に“トランプ・ショック”直撃か…「関税引き上げ」に国内経済界は戦々恐々
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月28日 16時3分
-
2「高齢で廃業」店内に放置された犬19匹、ふん尿にまみれ…荒稼ぎしたブリーダー業の末路に「胸が痛い」
まいどなニュース / 2024年11月28日 7時50分
-
3ホコリが積もると火事に…コンセント周辺の掃除をサボると危険! 確認すべき5つのポイント
オトナンサー / 2024年11月28日 20時10分
-
4「俺、無精子症だから」と避妊してくれない彼。生理が来ないことを告げると“まさかの反応”
女子SPA! / 2024年11月28日 15時47分
-
5年収1,000万円なんてこんなもん…42歳で部長に抜擢の〈大企業エリート〉。質素すぎる毎日に、部下「夢がない」「このままこの会社にいても」と絶望
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください