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ホンダ「Rebel 1100 DCT」の魅力は価格設定と振り幅の大きさ! 人気の「レブル」シリーズにラスボス登場でファン増殖中!?

バイクのニュース / 2021年6月5日 11時0分

2021年登場となったホンダの新型クルーザーモデル「Rebel 1100」は、先にクラッチ操作不要のDCTモデル、次いでMTモデルが用意され、人気の「Rebel」シリーズのなかで最大排気量となっています。兄弟モデルに共通する魅力と、大排気量ならではの特徴とは? 試乗しました。

■「レブル」シリーズ共通の魅力と、大排気量ならではの魅力

 人気の「Rebel(レブル)」シリーズに兄弟が加わりました。順番からいえば弟分になりますが、エンジンの排気量や最大トルクは長男の「Rebel 250」に対して4倍以上。デビューした「Rebel 1100」は、もはやラスボス。DCTモデルを2021年3月から発売し、MTモデルは同年5月13日発売と時差があったものの、ここまで販売は好調だというから「Rebel」人気おそるべしです。

 タンクやメーター、ハンドルなど、ライダーが跨がった位置から見る風景はレブルそのもの。シート高は「レブル250」や「レブル500」より10mm高くなったとは言え700mmしかなく、多くのライダーに余裕の足付きを提供するでしょう。確かに車重は250と比べると63kg重く(DCTモデル)なっていますが、それでも低重心な設計ゆえ、慣れたころにはビッグマシンとは思えない親しみやすさがあるのも特徴です。

 今回走らせた「レブル1100 DCT」を簡単に説明すると、ミッションそのものは6MTとメカニズムは同様ながら、クラッチ操作や変速操作を機械任せにできるのが特徴で、ふたつのクラッチを使うコトで、変速時の駆動の途切れが極めて少ないミッションなのです。

 クルマのオートマ同様にも扱えるほか、任意でマニュアルモードを選択すればシフト操作をハンドル左スイッチにあるパドルから操るコトも可能というもの。走らせるにもクルマ同様で、ニュートラルからドライブにシフト。あとはアクセルを開けたら動きます、という仕組み。

 ライディングモードが搭載されている「レブル1100」では、スポーツ、スタンダード、レイン、ユーザーの4つのモードで、アクセル操作に対するパワーの出方、エンジンブレーキの掛かり方、シフトプログラム、トラクションコントロールの介入度などが変化します。

 イメージとして、スタンダードを基準にすると、スポーツではより高いエンジン回転までシフトアップを行なわず、加速、減速にキビキビ感を出すほか、パワー特性もよりダイレクトなものに。また、エンジンブレーキもしっかり効かせる印象です。そしてレインモードでは、早めのシフトアップ、柔らかなエンジンパワー特性、エンジンブレーキもアクセルオフに対して弱めにスムーズな印象で、滑りやすい場面でも安心です。スタンダードはスポーツとレインの中間。ユーザーはそれらの設定を好みで変化させられるモードです。

身長183cmの筆者(松井勉)がシート高700mmの車体にまたがった状態

 走りだすと、ややワイドに開いた両腕、前方のちょっと高い位置にあるステップに足を乗せたポジションは意外にコンパクトで「レブル250」同様です。そこに1100のエンジンが繰り出すトルク感と鼓動感タップリのアウトプットが重なると、ダッシュ感がスゴイ! 市街地では走り出すたびに声が出そうです。

 発信時にライダーを緊張させるエンストの不安や、めちゃくちゃ焦るギア抜けがDCTにはありません。まずここが大きなプラスです。そして加速、減速時の変速もまさにプロ級。私(筆者:松井勉)の場合、クラッチ操作とシフト操作を「巧くやろう!」という意識から解放されただけで、心にこんなにも余裕がでるのか! をDCTに乗る度に体験しています。

 走りの話にもどします。加速力を例えると、まるで自分以外の動きが止まったかのようなワープ感が「レブル1100」の持ち味。こう書くと荒くれ者か? と思われるといけないので補足しますが、お尻でバイクに乗るようなポジションなだけに、加速のGで後方へ引っ張られないよう、腹筋に力が入ります。やや上体を前傾させると、実際に速い加速感が2割から3割増しになるようなマジック……これなのです。

 わずか3000rpm程度でもこのダッシュ力、普段ゆったり流すには2000rpm周辺でシフトアップするDCTは、極めてジェントルかつスムーズに走ってくれます。この多面性(と言ってもバイクの特性ではなくライターの右手次第ですが)という引き出しの数も嬉しい。

排気量1082ccの水冷直列2気筒OHC4バルブエンジンを搭載(写真はDCTモデル)

 ドカっと後輪の斜め前に座っていることもあって、減速ではリアブレーキの効き具合が活躍します。勿論フロントブレーキもしっかりと効くタイプですが、教習所ですり込まれた「前7:後3」という割合など気にせず、イメージ半々くらいで扱うと調和した感じがします。

 キラキラさせたくない、という理由からリアショックやフロントフォークのインナーチューブもコーティングして暗色にしていますが、これがサスペンションの動きにも効果を出しているようで、マイルドに路面の衝撃をいなしてくれます。市街地からツーリングなど、どこを走っても乗り心地が悪くない。それが好印象につながります。

 なにより走りが軽快なのは「レブル250」同様で、ハンドリングに自由自在さがあるのです。普通のスポーツバイクから乗り換えたら、ポジションが独特で最初は慣れる必要があるかもしれませんが、馴染んで肩の力がスッと抜けた時、「レブル」との対話が始まります。

 クルーザーなのですが間違い無くスポーツバイクとしての楽しさを内包する「レブル 1100」は、走るもよし、弄るもよし、消費税込みで121万円という価格はこのクラスとしては高くはありません(MTモデルは110万円)。

ホンダ「Rebel 1100 DCT」(2021年型)カラー:ボルドールレッドメタリック。フロントフォークのインナーパイプには酸化チタンコートが施されるなど機能部品はブラックアウト化。スポーティな印象に

 コスパ目線で見たら、ツーリング仕立てにもカスタム仕立てにもできる振り幅の大きさがあります。と言っても、ツルシで相当楽しめるのが嬉しい! 今年は休日に各地で「レブル1100」の姿が増殖しそうな予感です。

※グリップヒーター、クルーズコントロール、ETC2.0車載器も標準装備。

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