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バイクの洗車はどこですべきか…場所ごとのメリット・デメリットとは

バイクのニュース / 2021年6月4日 9時0分

バイクは車より洗車するとき、気をつかう乗り物と言えるでしょう。理由はキズや水に弱い部分がむき出しになっているからです。そんなバイクをどこで、どのように洗車するのが良いでしょうか。

■バイクの洗車はどこですべきか

 キズがつきやすいタンク、水に弱い灯火類、スイッチ類、そういった箇所に気をつけながらバイクをどこで、どのように洗うのが良いでしょうか。

 バイクを洗うとき「大量の水が必要」というわけではありません。もちろん水洗いするときは水が必要です。しかし、バイクの洗う箇所によっては水で洗わず「拭き掃除」で洗車作業は十分にできます。

 拭き作業で洗車作業をする場合は、マイクロファイバータオル、ブラシやウェスにクリーナーを吹きつけて、汚れを落とし、拭き取り、ワックスや注油を行います。「拭き掃除」で洗車作業する場合は、駐輪場やガレージで作業が行えるのがメリットです。
しかし、水を使う洗車をしたいときは水を運んでこないといけません。

 では、水を使い洗車をするときは、自宅か洗車場で水洗いをすることになるでしょう。どちらの場所でも、洗車作業を始める前に行うことは同じです。水濡れに弱い部分には防水対策をしてから、洗車作業に入りましょう。自宅で洗車する場合、洗車道具を自分の好みの物で洗えます。加えて、洗車時間を確保でき、水分の拭き上げまで、しっかりできるのがメリットです。

 続いてデメリットは、コイン式の洗車場などに備えられている洗車ガン(フォームガン、クリーニングガン)のような特殊な洗浄器具がないことです。今は高圧で水を放水する便利な洗車グッズが販売されていますが、備えている自宅は少ないでしょう。さらに水を大量に使うため、水道代がかかることです。

 ちょっとした注意点でバイクに乗らなくなる冬場、長期保管する前にバイクをキレイにしておこうと洗車することがあります。地域によって事情は異なりますが、夕方にバイクの洗車で水を使い、使った水が夜の間に凍結。翌朝に転倒したという事例もあるため、洗車作業が終わった後にも注意が必要です。

ガソリンスタンドやコイン洗車場は、主に自動車専用です

 次にガソリンスタンドやコイン洗車場など、外部の設備で洗車するときのメリット、デメリットです。メリットは手っ取り早く洗えます。加えて、コイン式の洗車場では、洗車ガンから水、洗剤、水という順番で放水されるため、洗剤を買わなくてもバイクの洗浄ができます。バイクの販売店のなかには、バイク用洗車場を備えている店舗もあり、そういった洗車場では、一通りのバイク洗車道具が揃っている場合があります。

 しかし、バイク専用の洗車場はとても珍しく、普及している洗車場は自動車用です。そのため、他の自動車の洗車作業中には一定の配慮が必要になります。備えられている洗車場の洗車ガン(フォームガン、クリーニングガン)は高圧で、勢いが強くそのままバイクに放水するとキズ、塗装剥がれ、電装部品に水の浸透、バイク自体が水の勢いで転倒するなど使い方に注意が必要です。洗車ガンを使うときは、水の勢いが弱まる距離をとり、バイクを洗いましょう。高圧の水流を直接あてて洗うと、エンジン不調の原因にもなります。

 こだわりを持ってバイクを洗車したいときは、あらかじめ拭き掃除などを済ませて、水洗いする部分だけを洗車ガンで洗うようにするのがよいと言えます。

■バイクを洗車する際の注意点

 洗車を始める前にメーター類、灯火類、鍵の差込口、スイッチ類、サイレンサーの排気口など水が入ると不調の原因となる部分をマスキングテープやラップでカバーします。
メーター類、灯火類、スイッチ類は基本的には拭き掃除で済ますつもりで洗車作業をしたほうが、トラブルを避けることができます。

 防水対策を行った次に、バイクの上から水だけで汚れを落とします。最初からスポンジやブラシで擦ることは避けます。理由は水の水流だけで落ちる汚れは水だけで落とすためです。基本的に擦れば擦るほどバイクに細かなキズがつくと言ってよいでしょう。このときに、強い水圧で汚れを落とそうとしないことが大切です。洗車ガンなどを近づけて、高圧の水をかけないようにしてください。高圧の水がバイクのパーツの深い部分に浸透し、サビや故障の原因となります。

 次に洗う順番ついて、バイクの上部からスクリーン、カウル、タンク、シートなどを洗い、その後に下部、ホイール、チェーン、ブレーキキャリパーを洗うという手順です。このとき、バイクの上部を洗うスポンジと下部を洗うスポンジと分けるのが良いでしょう。理由はバイクに付いている汚れが違うからです。

スクリーンは水と洗剤の泡だけで洗ったほうがよいでしょう

 具体的に洗う方法は、スクリーンは基本的に水と洗剤の泡だけで洗ったほうがよいと言える箇所です。スポンジを使わずに済むなら、細かなキズが付かずに済みます。擦る場合は、キズがつきにくいスポンジを使い、擦る回数も最小限にするように洗車しましょう。

 次にカウルなどの外装パーツもできることなら、水と泡だけで洗い、擦るときは専用のスポンジを使いましょう。タンクも同じ扱いで洗うと細かなキズが防げます。

 シートは皮製である場合が多いため、水洗いはサッと済ませて、その後にバイクシート専用の洗剤かクリーニングペーパーでふき取りましょう。

チェーンは、泥や土汚れがひどく付いているときだけ、水をかけて洗い、それ以外はクリーナーで汚れをふき取りましょう

 チェーンはサビやすい箇所のため、泥や土汚れがひどく付いているときだけ、水をかけて洗い、それ以外はクリーナーで汚れをふき取り、注油します。水をかけて、ブラシで擦る洗車はしなくてもよい箇所と言えます。

 ホイールに付いた汚れは水洗いのあとにブラシ、スポンジを使い、細かい場所は歯ブラシで汚れを落とします。バイクの他の箇所に比べて、ブラシで擦っても良いですが、ブレーキキャリバーとブレーキディスクには注意が必要です。ディスクに付いたブレーキパッドのカスや油膜を専用の洗剤とブラシで磨いて落とし、洗い残りがないように丁寧に洗い流します。

 エンジン回りは高圧の水をかけて洗うのは避ける部分です。特に外車や年式の古いバイクは水に弱い構造をしており、プラグキャップに隙間があったり、エアクリーナーの吸気口に水が入ったりすると、不調の原因になります。タンクの上から水を流すだけに留めて、奥まったところはクリーナーで拭き掃除をしたほうがトラブルを避けることができます。

全体についた残った水を拭き取り10分~20分軽く走行し、水分を乾かして、サビや接触不良の発生を避けましょう

 洗車後は残った水を拭き取ります。そのあとに10分~20分軽く走行してください。もし、それが出来ないなら暖気運転だけでもする必要があります。理由は拭き取れた水はあくまで、表面上で至る所が濡れているからです。それを軽く走ることで水分を乾かして、サビや接触不良の発生を避けることにつながります。

※ ※ ※

「バイクの洗車は軽整備」と言われることがあります。バイク全体を勢いよく水洗いして、ブラシで擦る洗い方は避けたほうがよいでしょう。

 キズが付きやすい箇所には専用のスポンジ、クリーナーで洗浄し、水に弱い箇所は拭き掃除で洗車するという使い分けが必要になります。

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