ヘルメットが臭い…ヘルメットの正しい清掃方法とは
バイクのニュース / 2021年6月6日 11時0分
お気に入りのヘルメットは、使用する回数に比例して、「汚れ」や「におい」が増していきます。いつも被っているからこそ、日々の汚れには気づきにくいのかもしれません。言われてみれば最近なんだか臭う気がする・・・という人のために、夏に向けて、今回はヘルメットの清掃からメンテナンス方法について詳しく解説していきます。
■ヘルメットの正しい清掃方法とは
まず、ヘルメットが臭くなる原因は、内装の汚れからくるものなので、内装を綺麗にすることで解決できます。ヘルメットの清掃方法としては、シールドなどの部品分解から始めていき、内装パッド類を脱着して清掃していきます。
ヘルメットの内装には、脱着が可能なものとそうでないタイプのものがあり、インナーライナー・チークパッド・センターパッド・ネックパッド・ウインドプロテクターなどヘルメットによりパーツは異なります。脱着が可能なものは、それぞれを外したあとに丁寧に手洗いしていくか、洗濯ネットに入れて洗濯することで綺麗になります。
内装が固定されている際は、中性洗剤を薄めたものを使用して、内装を拭きながら清掃していきますが、汚れがひどいときや臭いが気になる際には、除菌タイプの洗剤を利用して、汚れとともにその原因を取り除き、乾燥させるときには風通しのよい日陰で「陰干し」を行うと良いでしょう。
生乾きの状態になってしまっては、せっかくの清掃も水の泡。再び、臭いを発する原因になってしまうため、完全に乾いた状態で利用するようにしてください。
発泡スチロールのライナーは、ヘルメット構造の中で重要なパーツです
衝撃吸収材でもある発泡スチロールの「ライナー」は、ヘルメットの構造において重要な役割を果たすパーツですが、熱や溶剤に弱い部分になります。そのため清掃時は、傷つけないよう丁寧に拭き掃除を行い、使用する洗剤は強力なものを避けるようにしましょう。また、誤って強く擦ってしまうと、ライナーを固定する接着剤が剥がれてしまい、そのヘルメットは使用できなくなってしまうので注意が必要です。
常に、ヘルメットを綺麗に保つためには、内装のほかに帽体(シェル)と呼ばれる外装部分やシールドの清掃もしておくと、よりヘルメット本来の機能を発揮することができます。
ほかにも、外装は常に外気に晒されているため、雨や風の影響でついた汚れを落とすことだけでなく、保管時のホコリや走行中の飛来物(ゴミや小虫の死骸など)でベンチレーション部分の目詰まりも起こります。シールドの汚れで視界を悪くしないためにも、清掃をしながらメンテナンスも怠らないようにしましょう。
■内装以外のメンテナンスについて
ヘルメットの帽体(シェル)のメンテナンス方法についてはどうするべきでしょう。ヘルメットには、プラスチック・FRPなどいくつかの素材が使われているため、ヘルメットメーカーのSHOEI(本社:東京都)によると、内装の清掃以外にもそれぞれメンテナンスが必要であるとしています。
SHOEIヘルメットクリーナー
ヘルメットの本体である「帽体(シェル)」は、ヘルメットクリーナーやプラスチッククリーナーで汚れを落としていき、ワックスで磨いて仕上げていきます。汚れがひどい部分にコンパウンド(研磨剤)を使用するときには、関係ない部分のクリアー塗装を痛めて、全体のツヤをなくしてしまわないように、必要な部分にだけ限定的に使うようにしてください。
マットカラーは、一般的な艶のあるクリアー塗装に比べて塗装面が柔らかいため、中性洗剤を薄めたもので汚れの部分を優しく拭く程度にしましょう
マットカラー(ツヤ消し)のものは、一般的な艶のあるクリアー塗装に比べて塗装面が柔らかく、中性洗剤を薄めたもので汚れの部分を優しく拭く程度にし、強く擦ったりしないようにしましょう。クリーナーや研磨剤を使用することは、部分的なツヤやシミの原因にもなるため注意しておきましょう。
また、ヘルメットの「ふちゴム」が剥がれているときには、瞬間接着剤で貼り付けるだけで問題ないです。シールドやふちのゴムに「白い粉」のようなものが付着しているときには、ゴム成形の際に使用した添加剤が浮き出ただけですので、水で濡らして固く絞ったウエスなどで拭くことで簡単に落とせます。
プラスチック製品は中性洗剤を薄めたもので汚れた部分を洗いましょう
「シールド・プラスチックパーツ」のメンテナンスについては、プラスチック製品は中性洗剤を薄めたもので汚れた部分を洗ってから、流水ですすいで洗剤を完全に落としていき、ベンチレーション部分は使わなくなった歯ブラシや綿棒を使って中のゴミを掃き出しましょう。洗浄後は、作動性を上げるために可動部分に少量のシリコンオイルを塗っておくようにしてください。
洗浄には必ず「中性洗剤を薄めたもの」を使うようにしておかねばならず、酸性・アルカリ性のものや、ガラスクリーナーの石油系溶剤・有機溶剤を使用すると、素材そのものを劣化させる恐れがあり、プラスチックパーツが簡単に割やすくなる原因になってしまいます。
洗浄中や分解中も含めて、シールドに傷をつけてしまったときは、夜間のライト反射で視界を遮る恐れがあるので、安全のためにも早めに交換するようにします。内装が劣化して清掃しても綺麗にならないときや、取り外したときに破損があるものについては、ヘルメットはシールド以外にも「内装交換」が可能なものがあるので、各ヘルメットメーカーやバイクパーツ量販店などから、専用の交換部品も販売されていないかチェックしてみましょう。
各メーカーは、メンテナンスを毎月1回行うことを推奨しています
国産大手ヘルメットメーカーのSHOEIやAraiでは、メンテナンスは、毎月1回行うことを推奨しており、両メーカーともSGマーク(製品安全協会の救済制度)の有効期限である「購入から3年」を目処に新しいものとの交換することを促していますので、購入時期やモデルによっては内装交換部品がすでになく、新しいヘルメットを購入するしかない場合もあります。
※ ※ ※
お気に入りのヘルメットをより長く使用したい場合は、内装部品やシールドの専用部品が販売されているうちにストックしておくこともひとつの手段としてあります。
ただし、被った状態で転倒した際に、ヘルメットの内部構造に大きく損傷を与える衝撃を受けたものや、被っていなくとも帽体(シェル)に同等の衝撃を受けたものについては、ヘルメット自体を新しいものと交換するようにしてください。
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