バイクガレージを選ぶ時にみるべきポイントとは?
バイクのニュース / 2021年6月15日 12時0分
趣味性の強いバイクを所有するライダーの憧れでもあるバイクガレージ。雑誌などに目を通していると、お洒落なガレージに整然と並んだ美しい工具を揃えて、愛車を思う存分愛でている……。そんなガレージに憧れを抱く方も少なくないでしょう。ですが、愛車とガレージは、単なる憧れの秘密基地のような存在なのでしょうか?
■そもそもバイクガレージの役割とは
確かに、バイク専用ガレージと聞くと、高価な設備を揃えた、一部の人にしか手が届かない設え、大人の遊び場という感覚があるかもしれません。その考えは決して間違ってはいませんが、決してすべてのガレージがそうだというわけではありません。では一体、ガレージの目的とは何でしょうか。
バイクはクルマとは異なり、エンジンや駆動系など剥き出し状態になっている部分が多数存在します。天気の変化や気温の変化など、外に置いたままにしておくと環境の変化を受け、経年劣化が進んでしまうことになります。それはバイクにとってあまり好ましい状況とは言えません。
バイクガレージを販売している企業のアトミックによると、バイクをガレージで保管することには6つの意味があるといいます。
まず、ひとつの大切な要件は「雨水や結露からバイクを守る」です。バイクには金属パーツが多数使用されています。それらが雨などで濡れたままの状態だと、どんどん錆びが発生してしまいます。愛車の見た目にもちろん影響しますし、なによりバイクそのもののコンディションにも関わってきます。ネジが錆びてしまい外すことができない状態などとなってしまうとメンテナンスをする際に非常に厄介です。濡れたまま放置するのは、バイク維持管理にとって最悪なのです。
ふたつ目は「紫外線やほこりによる劣化から守る」です。バイクを常に綺麗な状態を保ちたいのであれば、これ悩ましい問題かもしれません。紫外線を浴びると、バイクの外装はどんどんと劣化します。せっかくの綺麗な塗装が色落ちしてしまったり、焼けてしまったりもします。また、埃も? と思わるかもしれませんが、例えば埃や砂埃が付着したままバイクが濡れると、埃が付着したままの状態で固まってしまいます。それらがどんどん溜まっていくと、その部分の塗装などの劣化につながります。
ガレージには、工具やパーツを置くスペースも確保できます
3つ目はガレージなら「工具やパーツ置き場を確保できる」ことです。日々のメンテナンスを行うのに工具は絶対必要な用品です。ですが、どこに保管しましょう? ちょっとしたメンテナンスを行いたいからサッと取り出したいところですが、家の中だといちいち取り出さなくてはなりません。また、もし家に置くとなるとそれはそれで家族から邪魔者扱いされかねません。小さなお子さんがいる場合は危ないのでなかなか保管しにくいでしょう。そんな問題もガレージがあれば解決できます。帰ってきてバイクをガレージに納める。そのまま横に置いてある工具箱からすぐに工具を取り出してメンテナンスをする、ということが可能となります。
4つ目は「バイクを転倒から防ぐ」です。急な突風や台風が近づいてきている日、バイクが大丈夫か心配になったことはありませんか? バイクは重たいから大丈夫ではなく、倒れる時は意外に簡単に倒れてしまいます。また、そもそも駐車しているところが傾斜していて、バランスが不安定で倒れてしまうなんてことも起こるかもしれません。倒れてバイクが破損してしまえば予想外の出費にもつながります。安心して置いておける場所を確保したいところです。
5つ目は「炎天下や真冬の早期劣化から守る」です。寒暖が繰り返えされるとパーツに良い訳ではない。これは自明の理です。樹脂パーツなどはどんどん劣化が進み数年後にはボロボロで、新車時はピカピカだったのに、白っぽく劣化してしまった。雨上がりや炎天下にそのまま置いていたから雨の痕がそのまま残ってしまっている、なんてことになりかねません。そのような事象からも車体を守ってくれます。
最後6つ目は「盗難からバイクを守る」です。ガレージのメリットとして、真っ先にこれを思い浮かべるユーザーが多いのではないでしょうか。警視庁のデータでは、令和元年中に東京都内で発生したバイク盗難件数は1133件。そのうち住宅の敷地内で発生したのは52.3%、半数以上が家置いて盗まれています。また全体の4分の3は鍵をかけている状態にも関わらず盗難にあっています。要は家で鍵をかけておいてカバーをしている程度では、防犯対策として不十分だ、ということです。特に小さな車体だと少人数で軽々と持ち運べてしまうので、別にエンジンがかからなくても軽トラックに簡単に乗せてしまって、そのまま持ち去ってしまう、ということが可能です。なので、ガレージに保管できるというのは、重要なことのようです。
■バイクガレージを選ぶポイントとは
では、一概にバイクガレージと言ってもたくさんの種類があります。どのような製品を選べばいいのでしょうか。
ボックス型やコンテナ型を安心安全という観点から推奨されています
先ほどのアトミックは、ボックス型やコンテナ型を安心安全という観点から推奨しています。一般家庭用で考えるとボックス型でしょうか。ボックス型に関しては、加工なしのポン置きタイプと土間工事を必要とするタイプに分かれています。ポン置きタイプはその名の通り、ボックス型ガレージを置くだけのものです。大掛かりな加工を必要としないので、手軽に設置できるのが魅力的です。
反対に土間工事が必要なタイプは、敷地内にコンクリートの床などでガッチリとガレージを固めます。故に、基本的に一度場所を決めてしまうと場所を変えることはできません。ですが、完全に固めてしまうのでそうそう簡単に壊れることもありません。一生動かす予定もないというのであれば、土間工事をしてしまったほうが安心なのかもしれません。
更にガレージにはオーダーメイドできる設備も豊富にあります。オプションがたくさん用意されている商品もあり、ただ保管するだけの必要最低限の製品もあれば、電気やエアコンが設置されていて、まるで家のような設備の整ったガレージもあります。劣化を防ぐ点からすると、閉め切ってしまうガレージだと熱や湿気が籠りがちになるので、窓を付けるなどの対策が必要となる場合があります。自分の用途や住まいの環境に合った製品、オプションを選ぶといいのではないでしょうか。
また価格面では、本体だけで見るとポン置きタイプのほうが高い傾向にありますが、設置費用などトータルで見ると土間タイプのほうが高くなりますので、自身の懐事情と相談してみてください。
住居にガレージを設置できない場合は、レンタル倉庫を利用しましょう
中にはマンションに住んでいる、ガレージを設置するスペースがないという方もおられるでしょう。そのような場合はレンタル倉庫を検討してみてはいかがでしょう。家の近所の意外と近くにあるかもしれません。価格帯はさまざまですが、空調設備まで整った物件もあります。
※ ※ ※
ガレージは防犯のみならず、天候の変化などから大切な愛車を守ってくれます。もちろんご自身の環境によって、設置の可否はあると思います。ですが、何か起こってから後悔するのでは遅いので、レンタルも含めて、自分に合ったガレージを検討しましょう。
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