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原付二種って何?必要免許やメリットとは

バイクのニュース / 2021年6月21日 12時0分

いま原付に代わって、原付二種が人気を伸ばしています。一般的に、原付と言えば原付一種のことで、排気量が50cc以下のバイクを指しますが、これとは別に原付二種という区分のバイクがあります。原付二種とは排気量が50cc超え125cc以下のバイクで、ナンバープレートの色は、排気量50cc超え90cc以下が黄色、90cc超え125cc以下がピンクと決められています。原付一種のナンバープレートの色は白ですので、原付一種と原付二種では、排気量とナンバープレートの色が異なります。そのほかに、どんな違いがあるのでしょうか。どんな免許が必要で、どんなメリットがあるのでしょうか。

■原付二種とは一体何?

 原付二種とは、道路運送車両法によって定められているバイクの区分です。正式には第二種原動機付自転車といい、排気量が50cc超え125cc以下のバイクがあてはまります。大型二種や普通二種のような、旅客自動車を運転するための第二種免許と混同されやすいですが、原付二種は排気量によるバイクの区分ですので、運転免許にある第二種免許とは関係がありません。

 また、同じバイクでも法律によって区分が異なり、呼び方が変わります。たとえば、道路交通法では、原付二種という区分がないため、原付二種は、排気量が50cc超え400cc以下という区分で普通自動二輪車の中に含まれます。そのため、原付き一種は車の運転免許を持っていれば運転することができますが、原付二種は車の運転免許を持っていても運転することはできず、普通二輪免許を取得しなければなりません。ただ、普通二輪免許には、原付二種だけを運転できる小型限定普通二輪免許があるので、免許の取得は比較的容易です。

 さらに交通ルールも原付一種と原付二種では異なります。たとえば、原付一種では認められていない2人乗りが、原付二種では可能です。また、原付一種に定められた30km/hの最高速度や2段階右折が原付二種には適用されないため、一般道では法定速度が60km/hですし、右折時も右側の車線を通行してそのまま右折するなど、大型のバイクや車と同じように運転ができます。ただし、高速道路や自動車専用道路の通行はできません。

原付一種とは交通ルールも違う原付二種

 一方で、税法や保険関連法では、原付一種と同じように扱われます。たとえば、重量税はかかりませんし、自賠責保険と任意保険は原付きの区分です。また、車の任意保険に設定されるファミリーバイク特約も契約することができます。軽自動車税については、排気量90cc以下が2000円、排気量90cc超え125cc以下が2400円となっていますので、原付一種と原付二種では、その差はわずか400円です。

 まとめると原付二種は、原付一種とは異なり車の免許では運転できないため、原付二種のための小型限定普通二輪免許を取得する必要がありますが、大型のバイクや車と一緒に一般道路を走行することができます。その一方で、税金や保険については、原付一種と同じ区分が適用されるので、経済的に優れた乗り物と言えます。

 さて、原付二種は、一般道では大型のバイクや車と同じような走行ができ、税金や保険の観点からは、経済的に優れていることを説明しましたが、原付二種のメリットをさらに詳しく見てみましょう。

■原付き2種のメリットとは

 まず、一般道では大型のバイクや車と一緒に走行できるとあって、排気量が50cc以下の原付一種とほとんど変わらない軽量・コンパクトなボディながらも、ほかの車両と一緒に走行するのに十分な走行性能を持ちあわせています。排気量が125ccのバイクであれば、排気量が50ccのバイクと比べて2倍以上の排気量がありますので、パワフルに加速ができますし、スピードも十分に出ます。原付き1種ではできない2人乗りをしても、原付二種ならパワーに物足りなさを感じることはありません。

ヤマハの原付二種スクーター「アクシスZ」

 次に、経済的に優れているのは、税金と保険だけではありません。燃費性能も優れています。たとえば、排気量が110ccのホンダ「Super Cub 110」は、燃料消費率(定地燃費値)が62.0km/Lですし、排気量が125ccのヤマハ「アクシスZ」も、燃料消費率(定地燃費値)は58.0km/Lです。原付き1種と比べれば燃費は落ちるものの、原付一種とは違ってバイクや車と同じように走行できますので、そのことを考慮すれば、とても経済的な移動手段です。

 また、原付二種には、バイクや車にはない気軽さがあります。原付二種は軽量・コンパクトな車体であることから、保管する場所も小さなスペースで済み、ほとんど自転車に乗るような感覚で、街へ出掛けることができます。一方で、原付一種と比べた場合には、高い走行性能と原付き1種にある30km/hなどの規制がないため、行動できる範囲が広がります。通勤や買い物で利用するだけではなく、高速道路を利用できない制限はありますが、長距離を走る郊外へのツーリングも十分可能です。海辺の道を走ったり、峠を越えてみたり、解放感を味わいながらのツーリングが楽しめるでしょう。

 4つ目のメリットは免許についてです。原付二種を運転するための小型限定普通二輪免許は比較的簡単に取得できます。教習所に通って免許を取るのが一般的ですが、既にクルマの免許を持っていれば、AT小型限定普通二輪免許の取得にかかる時間は、学科教習1時間と実技教習8時間(みきわめを含む)です。以前は、1日に3時間までしか技能教習を受けることができませんでしたが、2018年に法律の改正があり、いまは1日に4時間まで技能教習を受けることができます。そのため、教習所がみきわめと同日に技能検定を実施していれば、最短2日間で卒業することができ、仕事を休まずに土・日曜だけでも免許の取得が可能です。

※ ※ ※

 以前は人気の高かった原付ですが、いまは原付に代わり、原付二種が注目されるようになりました。通勤や通学バイクの購入を検討しているのであれば、まずは原付二種を検討してみてはいかがでしょうか。原付二種なら免許の取得時は教習所を最短2日間で卒業できますし、税金や保険料などの維持費も原付き並みに安くて済みます。

 通勤や買い物など、街中での近距離の利用を検討されている方でも、2段階右折が不要であったり、法定速度60km/hで走行できたりするのは快適ですし、街中だけではなく郊外へツーリングに出掛けることも楽しめてしまいます。そして、燃費性能に優れているのも嬉しいポイントです。

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