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梅雨の季節がやってきた…バイク乗りが雨の日に注意すべきこととは

バイクのニュース / 2021年6月26日 9時0分

降雨時のバイク運転は、晴れた日とは全く違うと言ってもよいかもしれません。特に運転のしかたは雨が少し降っただけで変えなくては危険です。雨の日に注意すべきこととはどんなことでしょうか。

■同じ道路でも雨の日はまるで別の道

 降雨時の運転は晴れた日とは全く違うと言ってもよいかもしれません。雨の日の運転で注意すべきこととはどんなことでしょうか。雨の走行で注意することを一言で表現すると「慎重に運転する」。極端な表現かもしれないですが、これだけと言ってよいかもしれません。

 具体的に項目をあげると速度、車間距離、バンク角、身体の冷え、視界不良、加えて雨の日に注意すべき道路上のモノについて説明します。

 まず速度は道路標識で表示されているぐらい控えめな速度で走りましょう。雨でブレーキの制動距離が伸びるため、車間距離も余裕をもっておきます。バイクは2つのタイヤの接地面だけで道路の上を走っています。タイヤ1つの接地面は「ハガキ1枚分」という表現がされるくらい、タイヤ全体に対して実際に接地している面積は小さいものです。バイクの場合「ハガキ2枚分」の接地面で濡れた路面を走っていると言えます。

タイヤ1つの接地面は「ハガキ1枚分」と言われています

 そのどちらかのグリップを失うとスリップや転倒につながります。雨ではタイヤが空転しないようにアクセル操作を穏やかに行ってください。ブレーキ操作も同様です。道路とタイヤの間に常に水の膜があると意識しながら運転するといいかもしれません。

 加えて、雨の日に車体をバンクさせ深く角度をつけて曲がろうとしていけません。グリップを失い転倒する可能性があり危険です。ハンドルを使い、普段よりバンクさせないように曲がりましょう。

 バイクは自動車と違い、雨を運転者が直接受けます。レインウェアを着ていても体温を失い、体は冷えていきます。寒いと感じる前に休憩をしましょう。長時間冷えた体で運転していると思いもしないアクセル操作やブレーキ操作でミスをしたり、見えているはずの車や通行人を見落としたりする場合があります。

 ほとんどのバイクは自動車のようにフロントガラスやワイパーがありません。ヘルメットシールドやゴーグルで視界を確保しており、その視界は雨の日は湿度で曇るのは日常茶飯事と言えます。すぐに視界を確保しないと危険なため、シールドは曇るものと思っておきましょう。シールドを上げると直接雨が顔に当たり視界が狭くなります。可能であれば曇り止めや曇り止めフィルムを使いましょう。

 続いて、雨の日は特に気をつけるのはマンホールと白線、黄色線です。これらの上を走り抜けるときは特にスリップをしやすい箇所になります。信号待ちでマンホールの上から加速しようとして、スリップするというのは自動車学校の教本のなかで例にされるくらいよくある話です。

 まとめると雨の日の運転では、いわゆる急な操作は避けるべきです。急加速、急減速、急停止、急旋回、バイクは前後合わせてハガキ2枚分と言われる接地面で道路を走っています。どちらかのグリップを失うだけで転倒、事故につながる可能性があります。

■バイク乗りにおすすめの雨天時の服装とは

 体の冷えに関わる内容に補足として、雨の日のおすすめの服装についてもお伝えします。この記事ではゴアテックスや耐水圧、透湿性の内容は触れません。

 理由はゴアテックスでなくても作りがしっかりした雨具は十分に水の浸入を防ぎ、その反対に大雨の中を高速道路で走るような状況ではカタログ性能が優れていても雨は浸入して濡れます。なので、一式揃えておくと便利なおすすめ雨具について概略を解説します。まず基本中の基本ですが、雨具はバイク用のものを選びましょう。

 理由は一般的なレインコートやレインウエアはバイクの走行風と雨を受けるように作られていません。普通のレインコートやレインウエアを着ても、雨がジッパーの間や首まわりや手首から入り、濡れてしまいます。

バイク用レインウエアを着用することをオススメします

 バイク用品でレインウエアと言われるグッズには上下セット(ツナギのようなタイプもあります)と上下がバラバラのレインジャケットだけ、レインパンツだけの製品に分かれています。最初は上下セットの雨具を揃えましょう。雨具のジャケットとパンツでは一緒に着ていても消耗度合いが違うため、どちらかの買い替えが必要になったら、消耗したほうを買うという選択もできます。

 季節が限定されますが、冬秋用ライディングジャケットで防水仕様のウエアはレインジャケットの代わりに使用可能です。その一方で夏のライディングジャケットはメッシュ生地が多いため、夏の長雨対策でレインウエアは必須といえるでしょう。

 次にレバー操作に関わるレイングローブは、普段使うグローブとは別に用意したほうが便利で、防水効果が高いと言えます。しかし、防水機能を優先すると厚手のグローブになる傾向があり、レバー操作やアクセル操作の邪魔にならず、防水機能が高いグローブを選ぶのに一苦労するかもしれません。

 普段使っているグローブに薄いカバーをかけるグローブカバーもあります。グローブカバーであれば、レバー操作の感覚が厚手の防水グローブよりも分かりやすいとされます。余談でビッグスクーターに乗っているバイク乗りは防水仕様のハンドルカバーを取り付けると、手の周りの雨具装備は解決できるでしょう。

 続いてシューズカバー、ブーツカバーです。バイク乗りでないとまず必要とされない道具かもしれません。普段のライディングで使用している靴をしっかりカバーできるサイズを用意しておかないと、靴と足だけ水浸しになります。特に走行で水を跳ねあげやすいバイクに乗っているバイク乗りには無いと困る道具ではないでしょうか。防水仕様のレインブーツを別に用意するのも選択肢の1つですが、突然の雨降りに対応するために常にバイクにブーツを常備する必要があります。

 以上が雨の日のバイク乗りおすすめの服装でした。問題になるのは選び方。ネットで検索すると似たようなレインウエアが次々とヒットします。バイクの雨具の選ぶコツの1つとして、バタつき防止ということでジャストサイズを選ぶと雨具を2着、3着と買う必要が出てくるので、ワンサイズ大きなサイズを買いましょう。

 夏の雨ではジャストサイズのレインウエアで良いかもしれません。しかし、気温の上下がある春、秋では上着を着て、その上からレインジャケットを着るときがあり、少しゆとりを持ってワンサイズ大きい雨具を買ったほうが、季節が変わっても使いまわしができます。

 ポンチョ型、レインコート型の雨具はありますが、スクーターで低速で走るという条件がない限りはレインジャケットとレインパンツの組み合わせが良いでしょう。最後に雨具は携帯性の高く、小さく畳めると荷物が少なく、常にバイクの備えておくには便利です。防水性の高いバッグやリュックサックも用意すると一式をまとめておけます。

※ ※ ※

 雨の日のバイク運転は気持ちを引き締め、運転には十分なゆとりを持ちましょう。雨具も運転中の環境をつくる重要な道具です。事前準備として着心地や操作感覚の違いに慣れておきましょう。

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