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教習生の鬼門!一本橋とスラロームのコツとは

バイクのニュース / 2021年6月25日 9時0分

二輪免許の教習科目「一本橋」「スラローム」。バイクの運転に慣れていないと苦手意識と苦労する内容とされます。しかし、二輪免許を取得するためには必須といえる2つのコース。「一本橋」「スラローム」をパスするコツとはどのようなものでしょうか。

■アクセル操作とバランス感覚を鍛える2つのコース(一本橋のコツとは)

 二輪免許の教習科目「一本橋」と「スラローム」はバイクの運転に慣れていない教習生には苦手意識があるコースではないでしょうか。しかし、二輪免許を取るためには必須といえる2つのコース。「一本橋」「スラローム」をパスするコツとはどのようなものでしょうか。

 一本橋は幅30cm、高さ5cm、距離15mの細いコースを脱輪せず、既定の時間以上でゆっくり走るコース。このコースで求められるのは徐行速度でバイクを真っすぐ走らせるスキルです。結論を先にお伝えすると、一本橋をゆっくり脱輪せず走るコツは目線とニーグリップ、リアブレーキの速度調整、細かいハンドル操作です。

 具体的に説明すると視線はかならず遠くを見て下さい。バイクがフラフラすると脱輪が不安で前輪が気になり手元を見ますが、目線はずっと一本橋の終わりのところだけを見ます。

 続いてニーグリップは他のコースを走るときよりガッチリとタンクを挟み込んでください。ニーグリップがバイクの中心に重心を集め、バランスを安定させます。ゆっくり走るのだから、アクセルをできる限り使わず惰性でゆっくり走ろうとする初心者がいます。残念ながらとても難しい方法で一本橋をクリアしようとしていると言ってよいでしょう。

 一本橋でバイクのスピードを決めるのはリアブレーキです。フロントブレーキと違い、リアブレーキはブレーキを効かせながら前に進むことができます。アクセルで前へ進もうとする勢いをリアブレーキで引きずりながら低速にさせ、走るようなイメージです。

 加えて一本橋に進入するとき、ある程度の勢いがないと一本橋に乗りあがった段階でフラフラします。アクセルをあけつつ半クラでエンジンの動力伝達をコントロールするようにしましょう。一本橋を進んでいく途中で、少しずつバイクの車体が左右にぶれるため、細かくハンドルをきり進行方向とバランスを取ります。ハンドルをきると言っても「小刻みに動かす」という表現になるでしょう。「ハンドルプルプル」「ハンドルフリフリ」と呼ぶ人もいます。

 言葉で説明すると一本橋をゆっくり走るコツは以上です。しかし、言葉よりも実践と練習が一番の上達方法になるため、自転車を使えば一本橋の練習ができます。地面に一本の線を描き、その上を蛇行せずまっすぐ低速で走る。これだけでも十分にハンドル操作と目線の練習に効果的です。

 その反対に一本橋でやってはいけないのは、体を振ってバランスを取ろうとしたり、ゆっくり走るためアクセルを使わずに走ろうとしたり、手元ばかり見て運転すると一本橋の難易度を上げてしまいます。

 補足で試験中に脱輪してしまうリスクがあるなら、採点基準より早い時間で走り抜けてしまいましょう。脱輪すると失格ですが、早い時間で走り抜ければ減点だけで済みます。普通2輪は7秒以上、大型2輪は10秒以上とされているため、それより数秒短かったとしても脱輪せずにパスすることが重要です。

 後半のスラロームで使うアクセルワークを駆使すると、一度脱輪した前輪をもう一度一本橋のコースに内に戻すことはできます。おそらく教官には褒められますが、脱輪した段階で試験中止、失格になります。

■アクセル操作とバランス感覚を鍛える2つのコース(スラロームのコツとは)

 スラロームは一定の間隔で左右に配置された障害物(パイロン)を避けるコースです。すばやく左右にバイクをバンクさせ蛇行しながら、アクセルとバイクの特性を利用して進みます。スラロームを走るコツは、「アクセルのオンオフ」のタイミングと車体のバンクに慣れることです。

スラロームは一定の間隔で左右に配置されたパイロンを避けるコースです

 S字カーブのときは車体をゆっくりとバンクさせて走れますが、スラロームではすばやく右、左とバイクをバンクさせなくてはいけません。

 まずバイクの特性をご説明して、スラローム内でのコツとアクセル操作をお伝えします。アクセルをあけるとバイクは起きあがろうとします。車体を倒しバンクさせて曲がっている最中であっても、アクセルをあけるとバイクの車体は起き上がろうとするのは同様です。これが1つ目のバイクの特性。

 もう1つはバイクの車体を傾けると、傾けた方向に勝手にハンドルがきれる「セルフステア」です。自転車で試すと分かりやすく自転車のサドルを持ち、左右どちらかに傾けると自然と傾けたほうにハンドルは向くでしょう。

 スラロームはアクセルであけると車体が起きあがる特性とセルフステアの2つを使い、走り抜けます。具体的なスラロームのコツは1つ目の障害物を回避する進路を取る前にアクセルは完全に戻します。

 そのまま車体を倒すと勝手にハンドルがきれるため、ハンドルで曲がらず車体をバンクさせて1つ目の障害物を回避しましょう。障害物を回避したところで、すぐに少しだけアクセルをあけてください。すると倒れかけたバイクの車体が起きあがるため、すぐにアクセルを切ります。そして次の障害物を回避する方向に車体を傾けます。この動作を連続して行うのがスラロームの走行です。

 重要な点は、アクセルは車体を起こすためだけに使い、加速のために使うのではないということを覚えましょう。通常アクセルはゆっくりあけて加速し、減速のときはゆっくり戻していくように操作します。しかし、スラロームでは電気のスイッチを入れるようにあけて、すぐ戻す、あけて、すぐ戻す、を繰り返します。最初のほうで「アクセルのオンオフ」という表現を使った理由です。

 もちろん、アクセルをあけすぎると勢いがつき過ぎるため、あくまで車体を起こすためにアクセルは少しあければ十分です。加えてハンドルで曲がろうとせず、車体を倒しバンクさせて曲がるようにしましょう。

すばやいアクセル操作と車体を左右にバンクさせてスラロームをクリアしましょう

 スラロームをパスするためには障害物に接触せず、バイクの転倒、足を接地させず通過することです。通過速度が遅くても構わず、すばやいアクセル操作と車体を左右にバンクさせましょう。

 スラロームも一本橋と同様に目線は遠くを見ましょう。一本橋より動きが速く、障害物回避で手前を見てしまいやすいと言えますが、手前ではなく2つ先、3つ先の障害物(パイロン)を見るようにしてバイクを操ってください。

※ ※ ※

 教習所の鬼門とも言われる「一本橋」と「スラローム」。教習生にとっては苦手コースになると思いますが、自転車で練習できるハンドル操作や目線を遠くする練習は普段からできるため、あらかじめ練習をしておくと、2つのコースの上達が早くなるのではないでしょうか。

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