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これ違反じゃないの?バイクを押してあえて歩行者になるテクニックとは

バイクのニュース / 2021年7月1日 9時0分

信号待ちをしているとき、歩道でバイクを押して歩いているライダーを見たことはありませんか。そしてそのまま車道に入りエンジンをかけて走っていく。信号待ちをしている車には決してできない方法ですが、これは交通ルール上では違反にならないのでしょうか。

■歩行者になる条件とは

 信号待ちをしているとき、バイクを手で押しながら歩道や路側帯を歩くライダー。そのまま車道に入りエンジンをかけ走っていく。信号待ちをしている車には決してできない方法です。バイクを押して歩道を通り、車道に戻る。交通ルールでは違反にはならないのでしょうか。

 先に結論を一言「違法ではありません」。条件さえ守ればバイクを手で押しながら歩道を歩く行為は、道路交通法では違反ではなく「歩行者」として扱われます。

 道路交通法第2条第3項第2号には歩行者の規定があり「次条の大型自動2輪車又は普通自動2輪車、2輪の原動機付自転車…(中略)…が他の歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの及び他の車両を牽けん引しているものを除く。)を押して歩いている者」としています。

 つまり、ほかの歩行者を邪魔しないようにバイクを押しながら歩道を歩くのは「歩行者」ということです。注意すべきは「2輪車」となっている点です。サイドカーやピザの宅配で使用されるような3輪のバイク、ホンダ「ジャイロキャノピー」で同じことをすると違反となるため注意しましょう。

ホンダのジャイロシリーズは3輪バイクのため、エンジンを切り歩道を歩くと違反になります

 以上のようにバイクを押して横断歩道や歩道を歩いても違反ではないとされます。とはいえ、条件はいくつかあり、その条件を守っていないと「他の歩行者の通行を妨げるおそれのないもの」にならない可能性があるため注意しましょう。

 パトカーや白バイ、警察官に発見されたとき「歩行者の妨げ」になっていると判断されたら、それは違反になります。

 条件の1つ目はエンジンを切っている。厳密には歩行者の規定に「エンジンに関する」ものはないとされますが、エンジンをかけた状態ではバイクの後方へ排ガスを放出し続けます。「他の歩行者の通行の妨げ」として扱われたときは違反となる可能性が高いでしょう。

 次にバイクに乗っていない。エンジンを切ってバイクに乗ったまま「歩く」ことはできます。しかし、バイクに乗りながら移動するのは「歩いている」にされない可能性が高く、違反になるでしょう。そうでなくとも歩行者から見ると、バイクに乗りフラフラしながら歩道を進んでいく姿に不快感や不安をおぼえる可能性が高いといえます。

 まとめるとエンジンを止め、バイクから降りて手押しする状態であれば「歩行者」扱い。しかし、他の歩行者の妨げにならないという条件があるので、歩道の幅や歩行者の人数によっては歩道をバイクで押して通るのは避けるべきでしょう。

 エンジンを止めていても、マフラーやエキパイは熱を持ったままです。わずかに他の歩行者と接触するだけでやけどやケガをさせてしまうでしょう。とはいえ、原則として信号待ちでバイクを降りて、歩道や横断歩道を渡り右折や左折して、エンジンをかけて、再び車道に戻るのは違反ではないとされます。

■あえて歩行者扱いになるテクニックとは

 しかし、わざわざバイクのエンジンを止めて、車種によっては200㎏以上の重さがある車体を手で押すメリットはあるのでしょうか。ここからは「歩行者扱い」をしてまでバイクを押す便利なテクニック「右折左折・逆走・Uターン・歩道から追い越し」をご紹介します。

 想像しやすいのは左折か右折をする手前で信号待ちのときでしょう。特に信号待ちが長いと分かっているとき交差点で待っている時間でバイクを降りて、歩道や横断歩道を渡り、車道に戻って左折、右折ができます。

2段階右折や禁止されている交差点でも有効活用できる

 特に便利だと感じるのは、原付バイクを運転中に2段階右折をしなくてはならない交差点で、このテクニックを使うと信号待ちの時間を短縮でき、移動時間の短縮につながるため覚えておくとよいのではないでしょうか。この際にもエンジンを止めて、バイクから降り歩行者の邪魔にならないように配慮が必要です。

 続いて一方通行となっている道で「歩行者扱い」になると逆走が可能と言えます。基本的に「一方通行」は車両を対象としており、歩行者には適用されません。狭い一方通行が多い住宅街などで便利に使えるテクニックの1つといえるでしょう。何度も右折左折を繰り返し、回り道して目的地に着くよりも一直線で行くほうが近い場合もあります。そのときにバイクを降りて、押していけるのは大きな魅力といえるのではないでしょうか。

信号待ちの時間を利用して横断歩道を渡りUターンも可能です

 3つ目に信号待ちのUターン。信号待ちの時間を利用して横断歩道を渡り、車に注意しながら反対車線に入るとUターンが可能です。反対車線に入るときは、右折してくる車に注意しながら車道に入るようにしてください。大型連休などで長く続く渋滞のなかをすり抜けるバイクを見たことや実際にした経験もあるのではないでしょうか。同じように「歩行者扱い」で歩道を通り車列の一番前に出ることも可能です。

 ほかにも工事で車道が通行止めになっている道路の歩道を通り抜ける方法など、バイクを運転中に「歩行者扱い」を便利に使える場面があります。そのときは周りの車や歩行者に配慮をしつつ「歩行者扱い」になると時間短縮に役立つのではないでしょうか。

 エンジンを止め、バイクを降りて押すことで「歩行者扱い」になるバイク。自動車には決してできない魅力の1つといえるでしょう。バイクを選ぶときの判断基準の1つに「押して取り回しが楽か」という項目を追加しておくと良いかもしれません。

※ ※ ※

 バイクのエンジンを止め、降りて手で押すと道路交通法では「歩行者」扱い。信号待ちの時間を利用して歩道や横断歩道を通り、方向転換や左折、右折が効率的にできます。

 とはいえ100kg以上の重量物を動かすときは周りに十分な注意を払っておかないと、ささいな事で歩行者に迷惑をかけ、バイクにキズをつけ、最悪バイクを倒してしまうことにもなるので気をつけましょう。

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