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言われてみれば…なぜ白バイは白色を採用しているのか

バイクのニュース / 2021年7月2日 9時0分

バイクを運転している最中に、気がついたらそばを走っている白バイを見かけて緊張感をおぼえたことはないでしょうか。そもそも論としてなぜ白バイは白く塗ってあるのでしょうか。警察のパトカーは黒と白のツートンカラーです。「白バイ」と呼ばれる理由となった「白色」にはどんな意味があるのでしょうか。

■白バイが白色をしている理由とは

 バイクを運転している最中に見かけて何も悪いことをしていないのに、いらぬ緊張感をおぼえる白バイ。まずそもそも論として、なぜ白バイは白く塗ってあるのでしょうか。警察のパトカーは黒と白のツートンカラーです。真っ白ではありません。「白バイ」と呼ばれる理由の「白色」にはどんな意味があるのでしょうか。

 最初に結論を言うと今の白バイの「白色」は法律で規定があるからです。それ以前の白色は「目立つ色だった」からとされます。しかし、目立つだけなら他の色でもよいのではと感じたかもしれません。

 実際その通りで、警察がバイクの使用を始めた1918年(大正7年)当時は「白バイ」ではなく「赤バイ(青バイであったと言う説もあります)」であったとされます。そう呼ばれた理由は車体が赤色に塗られており、赤色になった理由も大正時代の当時では赤色で塗られた自動車が少なく、目立つ色だったのが理由だそうです。想像すると消防署のバイクのようにも見えますね。

 余談ですが、現在にも別の「赤バイ」存在しています。消化や救助、災害対策用に2019年に名古屋市消防局が導入しています。

消防用車両として開発された「赤バイ」

 1936年(昭和11年)に赤色だったバイクが白く塗られるようになり「白バイ」と呼ばれるようになったそうです。バイクの車体を白色にした理由がヨーロッパやアメリカ警察のバイクの色にならったものとされています。加えて白色にはいくつかの意味があり、愛知県警察のWebサイトには「白色は平和と清潔を表す色であり……(後略)」となっています。

 では、見本にされたヨーロッパやアメリカでは警察用のバイクは全て白いのでしょうか。答えはノーで国によっては白色ではなかったり、ストライプであったり、国によって違いがあります。日本の白バイに近いのがアメリカになりますが、なぜアメリカでは警察用のバイクを白く塗ったのでしょうか。

 諸説あるようですが、アメリカは実利的な理由だったようです。当初アメリカでは警察用の車もバイクも白ではなく、全て黒塗りだったとされます。

イタリアの警察で使用されるバイクは、白ではありません

 黒塗りだった理由は「塗料が早く乾き、納期が早く、安かった」そうです。そこからより目立つ色の組み合わせとして黒と白のツートンカラーとなり、白くなっていったそうです。しかし、アメリカの白バイでは白と黒のツートンカラーのハーレー・ダビットソンはいまだに現役で使用されており、映画などにも出てきます。

 とはいえ、日本の現在の白バイは法律で色に対しての規定がされており、道路交通法施行規則第6条(通行区分の特例を認められる自動車)に「その車体の全部を白色に塗った大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車…(後略)」と色について決められています。もし白バイの色を変えようとすると法改正が必要になるかもしれません。

■白バイの車種や仕事内容って何?

 白バイに使用されているバイクで、頻繁に目にする車種をあげると4種類と言えるでしょう。

白バイのベース車両になったスズキ「GSF1200P」

 それぞれの都道府県で多少事情や配備数が異なるとされますが、およそ白バイに使用されているのはホンダ「CB1300P」「VFR800P」、スズキ「GSF1200P」、ヤマハ「FJR1300AP」などがあり、警察用に使用されるバイクは型式の後ろに「P」が付きます。

 当然の流れとなりますが、白バイが創設された当初より排気量の大型化がされており、全て大型バイクで扱いやすい4気筒エンジンを積み、中高回転域でパワーがでる車種です。

 この4種類以外にも白バイには要人警護やイベントなど特別な場面で使用されるホンダ「ゴールドウィング」をベースにした白バイやサイドカー仕様の白バイもあります。加えて一部少数ですがBMWの電動スクーターを白バイとして導入しており、記事やニュースメディアで取り上げられました。

BMWの電動スクーター「C evolution」を警視庁に導入

 白バイの特徴として市販車に取り付けられていたリミッターなどはないとされ、白バイ隊員はバイクの性能を全開にできる仕様であると言われています。加えて、スピードを測定するインジケータや測定結果を印字する専用のプリンターなど装備されています。一般的なバイクではまず逃げ切れないため、逃げようとは考えずに安全運転で走行し、何らかの指示があった場合は素直に指示に従いましょう。

スピードを測定するインジケータや測定結果を印字する専用のプリンターなどを装備

 長野県警察のWebサイトには「白バイ今昔物語」と名前の付いたページがあり、かつて白バイに使用されていたバイクの種類が一覧となっています。昭和30年代に使用されたカワサキ「メグロ500」、昭和47年から白バイに使用されたホンダ「CB750」など今までの白バイの車種の歴史を確認できます。

 運転中に白バイと見かけるとついついスピードメーターの確認をしたりしませんか。白バイは指名手配犯の捕捉や道路交通違反の取締りを担当。一般的にはスピード違反、シートベルトの非装着 無免許運転、飲酒運転、一時停止違反などを担当しているイメージがあるのではないでしょうか。他にはマラソンやイベントなどの先導車としても加わることもあります。

 普段はパトロール以外にも、バイク特有の車体の小ささを有効利用して交差点の死角や高速道路のインターチェンジやジャンクションの目立たない場所に待機しており、対象となる車両やバイクを見つけたら追い付いて指示を出します。気が付いたらいつの間に白バイが後ろにいて「止まってくださいね~」と指示を受けた人もいるのではないでしょうか。

 白バイ隊員には高い運転技術が必要とされるため、バイク操縦に関して技術力を披露する全国白バイ安全運転競技会が開かれ、隊員が白バイを使い曲芸に違い操縦技術を披露します。

※ ※ ※

 白いから白バイと呼ばれる警察のバイク。その「白い」理由は今では法律で規定があるものの、最初の理由は目立つ色だったからとされます。もし白い色の車や乗り物が多く、目立つ色として判断されなかったら、別の呼び名で呼んでいたかもしれません。

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