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人気すぎて今や入手困難となったヤマハのSR400ファイナルエディションに、初心者ライダー高梨はづきが乗ってみました!

バイクのニュース / 2021年7月9日 12時0分

43年もの長い歴史を持つヤマハのシングルスポーツSR400が、2021年でとうとう生産終了。今では入手困難となっています。バイク初心者で舞台女優、声優として活躍する高梨はづきさんが試乗。長年愛され続けたスタイルや足つき、取り回し、乗り味をチェックしてみました!

■43年、愛され続けてきたヤマハのシングルスポーツSR400

 ヤマハのシングルスポーツSR400は、1978年に初代が発売。プレーンなネイキッドスタイルで、シングルエンジン独特の鼓動感と操作性のよさ、そしてキックスターター方式のみといったシンプルさが人気で、初心者からベテランまで、老若男女を問わず幅広いユーザーから支持されてきました。

 基本の車体構成とデザインを受け継ぎながらも、排ガスや騒音などの環境問題にも時代とともに対応。生産終了と再販を繰り返しながら進化を続けてきましたが、いよいよ2020年にユーロ5同等の排ガス規制強化に伴い、2021年モデルで生産終了することになりました。

 2021年3月にSR400ファイナルエディションと、カラーリングやエンブレムなどに特別仕様を施した1000台限定のSR400ファイナルエディションリミテッドが3月15日に発売。限定モデルは瞬く間に完売し、ファイナルエディションも生産計画台数5000台に達してしまいました。現在、残るは販売店の在庫のみとなっているそう。

 そこで、クラシカルなバイクが好きという高梨はづきさんが試乗。スタイルから足つき、取り回し、乗り味までチェックし、長年愛され続けたSR400のヒミツを探ります!

■クラシカルなルックスとカラーリングがお気に入りです

 みなさん、こんにちは! 高梨はづきです。今回、試乗するヤマハのSR400は、私が大好きなクラシックスタイル。私の愛車は昨年の春に購入したカワサキのエストレヤなのですが、実は当時どちらにするか迷いました…。

クラシカルなスタイルがバイクのイメージだったと言う高梨はづきさんは、SR400も気になる一台

 私の中で「バイク」のイメージがクラシカルなスタイルだったのです。それに私はメッキ部分の多いバイクが大好き。SR400はまさに自分好みのスタイルです。その最後を飾るエディションに乗らせてもらえるなんて、バイクのニュースさんでお仕事させてもらって本当によかった!

SR400のサイドカバーにはホワイトで「Final Edition」のグラフィックが施されています

 ファイナルエディションのカラーバリエーションは、ダークグレーとブルーの2色。今回は海のように鮮やかで深い色合いのブルーカラーへ試乗します。サイドカバーにはホワイトで「Final Edition」のグラフィックが施されています。

 前後のフェンダーやミラーなどにメッキパーツがちりばめられ、フローティングディスクブレーキのインナー、リアサスペンションのスプリングにブラックカラーを採用していて、足元が締まっている印象です。若々しさも感じつつ、渋さもあり、たまらないカラーリングだと思います! それに、メーターもお気に入りポイント。メッキカバーにオフホワイトのメーター盤がレトロ感を醸し出しています。

身長158cmの私で着座姿勢がとても楽チンで足着きもいい感じのSR400

 またがってみたところ、身長158cmの私で着座姿勢がとても楽チンで足着きもいい感じです。ムリのない姿勢でハンドルも切れます。タンクがシャープなティアドロップ型をしているので、ニーグリップしてもガニ股にもならないのがいいところ。どこから見られても、カッコよくキレイな乗車姿勢が取れている気がします。

 SRのステップ位置が足を地面に下ろした少し後ろ側くらいで、ステップに足を乗せても腕に負荷がかかることがない場所なんです。前傾になりすぎなくて、私のような身長がそこまで高くない女性にとってはウレシイ仕様です。軽快にサクサクハンドルが切れるというよりも、適度な重量感でバイクに任せながら取り回しするという、人馬一体な感覚があります。

■トコトコとした鼓動感と加速の伸び、ワインディングロードが楽しい!

 ロングセラーとなったSRがここまで愛され続けてきた理由のひとつに、時代に流されず現代まで残し続けてきたキック始動方式があるんじゃないでしょうか。エンジンをかけてみれば小気味よく響く単気筒エンジン独特のトコトコ音。この音を聞くためなら、女性には特に大変な作業と思われがちなキックの作業もなんのその! ですね。

低速は車体がブレることもなく安定した走り出しです

 ゆっくりアクセルを開けていくと、トットットット…ドコドコドコと気持ちのよい中低音が響きます。低速はブレることなく安定した走り出しです。私的には低速から少しスピードを出したあたり。ここが一番SRのよさが実感できるところだと思います。

 SRのよいところは加速の伸び! ストレートで速度が上がってくると「俺が主役だー!」感(個人の見解です)が出てきます。とってもノリノリで、いわゆる調子がいい感じです(笑)。コーナー前でギヤを落とすとエンブレがグググっと効いて、速度をしっかり抑えてくれるのもとても楽しい。素直にコーナリングしてくれるので爽快で楽しいです。

SRのコーナリングは、素直に車体が向きを変えてくれるので爽快で楽しい

 しっかりとした重量感のある足まわりだけど、停車時に左右に振ってみる分にはなんの弊害もありません。女性でも安心できると思います。押して歩いてもフロントが大きくなくスリムな車体な為、密着することができバランスを崩すことなく怖くありません。フロントブレーキ、リアブレーキは共にしっかり効いてくれます。

 ひとつ気になるところといえば、クラッチレバーを握ると少し重いかなと感じる部分でした。長時間運転していると左の握力がなくなってくるのを感じるので、適度な休憩が必要かも。停車時はギヤに入れたままレバーを握りっぱなしではなく、ニュートラルに入れたり疲労軽減対策の工夫をするのがおすすめです。

 SRはまたがった状態でも乗車中でも、ほどよく車体の重量感が感じられるため、バイクに乗ってる感が強く感じられるところが好きです。それからカスタムも楽しめます。たとえばカフェレーサーにするなら、SRが一番カッコよくなるかもしれないなぁと思っています。

SRでトコトコゆっくりワインディングロードを走ると実に楽しいです

 SRに乗って高速道路を走って秩父まで行きましたが、楽しいのはやはり山道ですね。軽快に走り抜けられるワインディングロードは特に最高でした! SRのトコトコゆっくり走る感覚と風景が最高にマッチします。

新緑の中にSRを停めると鮮やかな山の緑が車体に映りこんで、とっても美しくて感動します

 バイクの写真を撮ろうと思ってバイクを途中で停めてみたのですが、新緑の鮮やかな山の緑がメッキのフェンダーに映りこんで、とっても美しくて感動しました。もちろんクラシカルで上品なので、オフィス街にも絶対似合うと思います! SR400…生産が終了してしまったのは寂しい限りですが、本当に魅力的なバイクです。

■YAMAHA SR400 Final Edition
全長×全幅×全高:2085×750×1100mm
軸距:1410mm
最低地上高:130mm
シート高:790mm
車両重量:175kg
エンジンタイプ:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
総排気量:399cc
内径×行程:87.0×67.2mm
圧縮比:8.5:1
最高出力:18kW(24PS)/6500rpm
最大トルク:28N・m(2.9kgf・m)/3000rpm
始動方式:キック式
燃料タンク容量:12L
タイヤ:前 90/100-18M/C 54S、後 110/90-18M/C 61S(前後チューブタイプ)
ブレーキ形式:前 油圧式シングルディスクブレーキ、後 機械式リーディングトレーリングドラムブレーキ
懸架方式:前 テレスコピック、後 スイングアーム
フレーム形式:セミダブルクレードル
■メーカー希望小売価格:68万7500円(消費税10%込)

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