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バイクで巡る歴史遺産 千葉県「富津岬」から東京湾海堡を望み、公園に眠る遺構を訪ねた

バイクのニュース / 2021年9月5日 11時0分

日本各地に残る歴史的な遺構の中でも、明治時代に建設されたものは姿形を色濃く残していることがあり、その時代を思い浮かべることができます。千葉県富津岬には何があるのでしょうか。

■千葉ツーリングの定番スポット、歴史的な遺構も楽しめる

 千葉県のツーリングスポットのひとつとして、訪れるライダーも多い「富津岬」(千葉県立富津公園)には、岬の先端に昭和48年に建設された「明治百年記念展望台」があります。その特徴的な姿は日本の環境デザイナー、池原謙一郎氏による五葉松をかたどった前衛的なデザインとなっており、夕日に映え、展望台の頂点からは富士山も望むことができます(天気が良ければ、のハナシです)。

 展望台から沖を眺め、今回注目するのは「東京湾海堡(とうきょうわんかいほう)」です。近代日本で最初に作られた人工島と言われ、外国の軍艦からの守備を目的に3つの海堡が建設され、実戦には使われなかったそうですが、砲台としての役割を担っていました。

 建設が始まったのは日露戦争(明治37年、1904年から明治38年、1905年)以前のこと。第一海堡は明治14(1881)年から明治23(1890)年、第二海堡は明治22(1889)年から大正3(1914)年、第三海堡は明治25(1892)年から大正10(1921)年と、長い年月をかけて建設されました。

 緊迫していた情勢における砲台建設といえば、江戸時代のペリー来航を受けてのお台場が有名ですが、ここ富津岬から望む東京湾海堡は、明治の近代日本の建築工事の歴史として残されているのです。

写真では分かりづらいが、右側奥にあるのが第一海堡、正面の第二海堡は肉眼でははっきり確認できた

 このエリアには砲台だけでなく、戦時中の遺構が色濃く残されています。千葉県立富津公園も、元は旧陸軍の軍用地で公園の付け根に当たる部分には「中の島展望塔」がありますが、ここは旧日本陸軍技術本部富津試験場として試験射撃などが行われていたとのこと。駐車場からは少し離れているため、その存在に気づく観光客は多くないかもしれません。

 展望台から眺めると、周囲の地形からかつて要塞であったことが想像できます。堡塁跡(敵の攻撃を防ぐために構築した堀や土塁)もしっかり残っており、写真映えしそうな「明治百年記念展望台」に比べると実用本位の展望台といったところ。

「中の島展望塔」へは徒歩で。バイクは近くの駐車場に停める必要がある

 また、富津公園内にはそれ以外にも軍事関係の遺構が残されており、徒歩で散策する人もいるようです。小銃などの試射に使われた監視所や、砲弾の着弾を確認するための警戒哨などもいくつかあるようです。今回はその中でも有名な監視所跡を見つけることができました。

少しわかりづらいが、公園の中には遺構が多数眠っている。武器の試験を行うための監視所跡など、生々しい遺構は時の流れを感じさせてくれる

 身近な観光地にある歴史的な遺構。バイクで訪れ、ちょっとした冒険気分で散策するのも良いかもしれません。

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