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ブレーキ界の大御所「ブレンボ」が大躍進! 自社初の研究開発拠点の開設やスペインのJ.Juanを買収

バイクのニュース / 2021年9月6日 17時0分

ブレーキシステムの開発・製造で世界をリードするブレンボが、自社初のCoE(研究開発拠点)をアメリカ・シリコンバレーに開設すると発表しました。

■ソフトウェア開発・データサイエンス・人工知能を強化

 ブレーキシステムの開発・製造で世界をリードするブレンボが2021年9月2日、自社初のCoE(研究開発拠点)をアメリカ・シリコンバレーに開設すると発表しました。

 新たに開設されるCoEの名前は「ブレンボ・インスピレーション・ラボ」。ブレンボが有するソフトウェア開発、データサイエンス、人工知能のノウハウを強化するための専門拠点です。

 このCoEの開設によりブレンボは、同社のめざすソリューションプロバイダーとしての信頼度向上へ一歩前進するとともに、2020年9月にダニエレ・スキラッチCEOが表明した戦略ビジョン「Turning Energy into Inspiration」の重点目標のひとつである、全社的なデジタル化の加速を図る計画としています。

ブレーキシステムの開発・製造で世界をリードするブレンボ。MotoGPなど、レースの世界でも絶大なる信頼を得ています

 スキラッチ氏はブレンボ・インスピレーション・ラボの開設に際し、次のように話しています。

「当社初のCoEをシリコンバレーにオープンできることになり、大変喜ばしく思っております。ハイテクとイノベーションで世界的に有名なこの地に進出して投資する背景には、自動車産業に影響を与える未曽有の課題に取り組んでいこうという明確で意欲的な目標があります。

 今はデータサイエンスと人工知能を活用する時代。これは当社の未来を構築し、技術的なリーダーシップを強化する大きなチャンスです。ブレンボ・インスピレーション・ラボで当社のデジタル文化を高め、いっそうお客様に寄り添った『メイド・イン・ブレンボ』の最新技術をお届けできるよう取り組んでまいります」

※ ※ ※

 ブレンボ・インスピレーション・ラボは、2021年の第4四半期にオープンする予定です。そして、ブレンボの今後のブレーキソリューションの開発に貢献する優秀な人材を、さまざまな産業分野から集結させる予定としています。

 そしてブレンボは、この新たなラボの開設によって国際的な存在感を拡大し、過去30年を超える北米での成長をさらに進めていく方針。製造の拠点は現在、ミシガン州、ニュージャージー州、メキシコ・モンテレイに配置されており、ミシガン州プリマスには、北米支社および研究開発センターがあります。

■J.Juan(ホタ・ホアン)の買収でグループ規模を拡大

 ブレンボは、バイク用ブレーキシステムの開発・製造を専門に手がけるスペインのJ.Juan(以下ホタ・ホアン)グループの株式を、100%取得する契約を締結。バイク用ブレーキシステムのソリューションの、さらなる充実を目指します。

スペイン・バルセロナ県ガバに本社を置くJ.Juan(ホタ・ホアン)

 ホタ・ホアンは、スペイン・バルセロナ県ガバに本社を置く1965年創業の会社で、工場をスペイン国内に3か所、中国に1か所保有しています。

 そこで生産されるブレーキホースは、ブレーキシステムの安全性にとって重要なパーツであるため、ブレンボのバイク用製品ラインナップがいっそう充実することになります。

 さらに今回の合意は、信頼性の高いソリューションプロバイダーをめざすブレンボにとって大きな前進となっており、ホタ・ホアンの買収によって、ブレンボグループが提供するバイク用ブレーキシステムのラインナップが拡充。ニーズの高まるバイク分野での、ブランドファミリーが増えることを意味します。

 ブレンボのアルベルト・ボンバッセイ会長は、今回の合意について次のようにコメントしています。

「ホタ・ホアンをグループにお迎えすることができて、とても光栄です。今回の合意は当社のグローバル戦略の一環で、直近の例ではデンマークのSBSフリクション社との締結がありました。

 当社の中核事業であるバイク分野の強化に向けて、今後も投資に力を入れていくつもりです。ユーザーの皆さまに質の高いソリューションをより総合的に幅広く提供していきたいという、我々のメーカーとしての方向性を強化していただけることになり、実に素晴らしい契機だととらえています」

 ホタ・ホアンのCEO、ホセ・ルイス・ホアン氏も、喜びを次のようにコメントしています。

「ブレンボグループに加われて嬉しく思っています。世界規模で事業展開する強豪メーカーに仲間入りできたことで、当社が発展し、社員一人一人が専門スキルを高め、良い製品を顧客に提供していくことにつながると期待しています」

※ ※ ※

 今回の合意では、買収の対価は現金払いで現在7000万ユーロと見積もられていますが、最終価格は同様の取引で想定される通常の調整を経て決定されます。

 企業価値は7300万ユーロ。買収は独占禁止法当局の承認を得たうえで、2021年後半に締結される見通しです。

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