マフラー音をもっとかっこよくしたい!その交換方法とは?
バイクのニュース / 2021年9月9日 9時0分
マフラーの交換は性能を向上させるだけでなく、排気音を自分にとっての理想的な「かっこいい音」にすることもできるカスタムです。そんなマフラー交換について、その方法や交換する前に知っておきたい規制をご紹介します。
■バイクのマフラーとは?
バイクに付いているマフラーの役割は、排気効率良くして、エンジンの性能を引き出すことや、三元触媒の効果により一酸化炭素などの有害物質を浄化して、有害な排出ガスを低減することによる環境性能の向上が挙げられますが、一番代表的な役割は騒音の軽減です。
高圧力・高音の排出ガスをそのまま大気に放出してしまうと、膨張作用により大きな音が出てしまうので、マフラーのパイプをとおし、膨張室で圧力と温度を下げることや、サイレンサーと呼ばれる消音器での消音作用で、音を小さくしています。
そして、バイクのマフラーを社外品などに交換するメリットとしては、排気効率を上げることでの高回転域でのパワーアップや、見た目のドレスアップ、音の大きさや質がかっこよくなるという点が挙げられます。
マフラーを交換する方法は、サイレンサー(消音器)部分だけを交換する「スリップオン」方式と、エンジンからつながっているエキゾーストパイプ(配管)など、すべてを交換する「フルエキゾースト」方式の、どちらかを選択することが可能。
さらに、スリップオン方式で交換さきる「サイレンサー(消音器)」にも構造や素材に違いがあり、それらは音質に影響するだけでなく、重量にも関わっていきます。
「ストレートタイプ」はシンプルな貫通タイプで、構造も簡素なため軽量で排気効率も良くなりますが、消音効果が低くて公道では使えないものが多い一方で、「隔壁タイプ」はサイレンサー内部に隔壁を設けることで消音効果が高められていますが、その分、重量が増すというのがデメリットを持っています。
素材の違いも音質だけではなく、耐久性や重量にも影響する要素で、「スチール(鉄)」は加工コストも安く済むため比較的安価ですが、ほかの素材に比べて錆による腐食に弱く、耐久性が落ちることや重量が重くなることがネックとなります。
そのため、バランスの取れた「ステンレス」素材は人気が高く、錆などの腐食にも強いだけでなく、スチールよりも軽量であることで、純正部品だけでなくアフターパーツでも多く採用されています。
また、航空機に使用される炭素繊維の「カーボン」は軽量で強度もありますが、熱に弱いという弱点から、サイレンサー部分だけで使われるのが主流。カーボンマフラーの接合部にも利用される「チタン」素材は、金属素材のなかでは最軽量ではありますが、カーボンやチタンはその特殊性から素材自体も高価で、加工も専用の機材を必要とするためコストがかかり、販売価格がかなり高くなるというデメリットがあります。
ホンダ「CBR1000RR-R」の純正マフラーは、AKRAPOVIC社と共同開発のチタン製を採用
このような素材ごとの特徴の違いは、錆などへの耐久性や重さの違いだけでなく、排気音の変化にも大きく影響するため、交換することで同じバイクでもまったく違う排気音を聞くことが可能となります。
■マフラー交換時の注意点とは?
メリットの多いように感じられるマフラー交換ですが、出していい音量には基準があり、基準を遵守しないと「整備不良」による違反や、車検にとおらなくなる可能性があります。
マフラー交換した時には、出していい音量に基準が設定されています
年式により測定基準は異なりますが、現在、音量を確認する方法として用いられているのは「近接排気騒音測定方法」。測定は音の大きさを示すdB(デシベル)数値を確認するために、測定器を消音器(サイレンサー)と同じ高さにして、後方45度の角度で50cm離した場所に置いておこなわれます。
2010年4月以前に生産されたモデルの測定方法としては、最高出力の発生が5000rpmを超えるバイクはその半分、5000rpm以下のバイクは75%の回転数で測定。50cc以下の原付は84dB、50cc超125cc以下のバイクは90dB、125ccを超えるバイクは94dBを超えてはならないことになっています。
2010年4月以降に生産されたバイクは、輸入車を含め音量を規制する内容に「加速騒音規定基準」が設けられています
また、2010年4月以降に生産されたバイクは、輸入車を含めて音量を規制する内容に「加速騒音規定基準」が加えられ、停止時だけでなく加速をする際の音量についても制限。第1種原付車(50cc以下)近接:84dB(A)・加速:79dB(A)、第2種原付車(50cc超125cc以下)近接:90dB(A)・加速79dB(A)、軽二輪自動車(125cc超)近接:94dB(A)・加速82dB(A)などと、細かく決められています。
さらに、「バッフルタイプ」のインナーサイレンサーが、ネジなどにより任意で取り外せる状態のものは、たとえ基準を満たしていても認められないので注意が必要です。
どのマフラーが基準に適応しているのか心配な場合は、近隣排気騒音基準値を用いたJMCA(一般社団法人全国二輪車用品連合会)適合のものを選択すれば、社外品のマフラーでも「JMCA認定」の証明証や刻印が、音量規制に適合している証となります。
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