【MotoGP第14戦サンマリノGP】中上貴晶選手は2戦連続の10位フィニッシュ
バイクのニュース / 2021年9月23日 17時0分
2021年9月19日、MotoGP第14戦サンマリノGPの決勝レースがイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれました。日本人ライダーとして唯一、MotoGPクラスに参戦する中上貴晶選手(ホンダ)は、10位でレースを終えました。
■デバイスに悩まされつつも10位フィニッシュ
サンマリノGPの開催地、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリはイタリアの東部に位置するサーキットです。MotoGPのスーパースター、バレンティーノ・ロッシ選手(ヤマハ)の故郷、タヴッリアがクルマで20分ほどのところにあり、多くのロッシファンがサーキットに駆けつけます。そして、サンマリノGPは中上選手が所属するLCR Hondaのホームグランプリでもあります。
サンマリノGPのレースウイークが始まる前には、MotoGPクラスに参戦する唯一の日本人ライダー、中上選手とF1に参戦する唯一の日本人ドライバー、角田裕毅選手(Scuderia AlphaTauri Honda)によるプレイベントが実施。2輪と4輪のトップカテゴリーに参戦する2人の日本人が、カートで対決しました。角田選手はその後、サンマリノGPでホンダのファクトリーチームやLCR Hondaのピットを訪れ、中上選手などのMotoGPライダーと交流しています。
そんなサンマリノGPのレースウイーク、中上選手は予選で13番グリッドを獲得。5列目からのスタートとなった決勝レースでは10番手、9番手を先頭とするグループでの走りとなり、アラゴンGPに続いて10位でフィニッシュしています。
レース後半、17番グリッドからスタートしたブラッド・ビンダー(KTM・#33)が中上選手に接近。中上選手はビンダー選手にかわされた
中上選手は金曜日のあと、バイクのフロント側に大きな変更を施します。コースに合わせ、ハンドリングのフィーリングを変えるためでした。今回のレースについて尋ねると、中上選手は「バイクのフィーリングは悪くなかった」と話しています。
悩まされたのは、「ライド・ハイ・デバイス」でした。現在、MotoGPでは全メーカーが車高を調整する「ライド・ハイ・デバイス」という装置を導入しています。フロント、リアのサスペンションを沈ませて車高を下げることで、ウイリーを抑え加速を上げるもので、当初は主にスタートで使用されていましたが、現在では、コーナーの立ち上がりでも使用されています。
表彰台を獲得したのは、フランセスコ・バニャイア選手(ドゥカティ/中央)、ファビオ・クアルタラロ選手(ヤマハ/左)、ルーキーのエネア・バスティアニーニ選手(ドゥカティ/右)
「とくにコーナーの立ち上がりでかなり遅れています。デバイスをコーナー立ち上がりで使用するとき、ほかのバイクは深く沈みます。でも、僕たちのバイクは車高が下がっても、十分ではないのです。簡単にかわされてしまい、反対に僕はパスするのが難しいので、レースでは作戦を立てるのがすごく難しかったです」(中上選手)
サンマリノGPの観客席は黄色いロッシグッズをファンでいっぱいになる
サンマリノGP後、9月21日、22日にはミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで公式テストが行なわれています。今回の問題はすぐに解決できるものではありませんが、残り4戦につながる改善に期待したいところです。
次戦、第15戦アメリカズGPは2021年10月3日に決勝レースが行なわれます。
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