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失敗しても、やり直せばいい! 未来を切り拓く力を信じる『ビルド・ア・ガール』

バイクのニュース / 2021年10月23日 15時0分

良くも悪くも混迷していた1990年代の音楽“ギョーカイ”を舞台に、少女が自身の存在価値を証明するために孤軍奮闘するポジティブ青春ドラマ『ビルド・ア・ガール』が、2021年10月22日(金)より全国公開中です。

■UKロック好きならば思わずニヤリ

 SNSはもちろんインターネットも普及していなった90年代は、テレビや雑誌が外の世界とつながる唯一の方法でした。映画『ビルド・ア・ガール』は、イギリスの片田舎で労働階級家庭に生まれ、鬱屈とした毎日を送っていた地味な高校生ジョアンナが、切れ味鋭い音楽ジャーナリスト“ドリー・ワイルド”として活躍し、やがてギョーカイの悪しきマナーに飲み込まれそうになりながらも夢を追い続け成長していく姿を描いた青春ドラマです。

 本作のベースは、脚本も手掛けているジャーナリスト、キャトリン・モランによるベストセラーとなった自伝的エッセイ。ジョアンナを演じるのは、『レディ・バード』(2017年)や『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019年)で“主人公のマブダチ”役に収まらない存在感を放っていたビーニー・フェルドスタインで、自立心旺盛な高校生を好演しています。また、ジョアンナと親交を深めるロックスター、ジョン・カイトを演じるのは『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011年~)などで知られるアルフィー・アレンで、姉のリリー・アレンも意外なシーンに登場するのでお見逃しなく。

 本作には80~90年代初めのUKロック好きならばニヤリとしてしまうシーンも多々あり、カーターU.S.Mやサルタンズ・オブ・ピン・F.C.といったパンクバンドから、モリッシーやマニック・ストリート・プリーチャーズ、ビョークなど有名どころも小ネタとして登場。マニックスに至ってはライブシーンで楽曲も使用されていて、まだ小さいライブハウスで演奏していた4人編成時代の激しいライブを疑似体験できるでしょう。

 本作における<D&ME>のような音楽メディアが、まだ絶大な力を持っていた時代。音楽オタクではなく、いわゆる“信者”でもなかったドリーは、自身の存在価値を証明するためだけに“ダークサイド”(現在で言うところの炎上商法のようなもの?)に飲み込まれそうになります。原作と脚本を手がけていながら、モランは自身の黒歴史も美化しません。純粋な熱意が空回りし、公私混同を批判されたことで、いつしか必要以上の“毒”に侵されてしまう……そんな苦い過去をユーモラスに描きながら、最後には見事に観る者をエンパワーメントします。

『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』(2005年)でエマ・トンプソンが乗った1942 Ariel W/NG 350

 原作にあったフェミニスト視点は映画版でも重要なファクターのひとつ。ジョアンナの“やったるぞ!”な心境を表すようにビキニ・キルの楽曲を使用したり、彼女の感情描写やセリフの中でフェミニズムを表現。ちなみに、幼稚で性差別的な音楽メディアを抜け出したジョアンナが出会うベテラン編集者を演じるのは、主演作『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』(2005年)でビンテージバイク(1942 Ariel W/NG 350)を乗り回していたエマ・トンプソンです。

(c)MONUMENTAL PICTURES,TANGO PRODUCTIONS,LLC,CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, 2019

 いまいち垢抜けないけれど、類まれな文才と不思議な魅力を秘めたドリー=ジョアンナが、世代を問わず夢を抱き続ける人々の背中にそっと手を添えてくれるポジティブな青春物語『ビルド・ア・ガール』は、2021年10月22日(金)より全国公開中です。

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