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『高梨はづきのきおくきろく。』 タンデムの極意を実際にパッセンジャーとなり体験

バイクのニュース / 2021年11月18日 13時0分

毎月8の付く日は『高梨はづきのきおくきろく。』の掲載日です。今回は、以前から気になっていたタンデム走行に挑戦。しかも、私はパッセンジャーとなりモータージャーナリストの伊丹孝裕さんの運転でタンデム走行の極意を習得します。

■タンデム走行に必要な知識とは?

 皆さんこんにちは、高梨はづきです!

 今回は私の念願が叶う回!
 それは”タンデム”をすること!

 バイク乗りの人たちには聞き馴染みのある言葉タンデム。なんとなく使っていた人も実は多い気がして、その意味をGoogle大先生に聞いてみた。英語表記は【Tandem】。直訳だと直列二頭立の馬車のことを指す意味で18世紀末から使われている単語だそう。”直列配置”という意味がいつの間にか薄れて”二者が協力して~”などの意味が先行して浸透していったみたいだね。バイクはもちろん、自転車やジェット機やカヤックなどの乗員が縦列に並ぶような二人乗りの機械や乗り物でも使うそうなんだけど、同乗者が並列になるサイドカーなんかではタンデムとは呼ばないみたい。

 なるほど。また一つ賢くなってしまった。

 そしてタンデムについて、教習所で習ったことがあると思うけど、これもやっぱり案外忘れていたりするかも。注意事項を上げていこうかな。

・51ccの排気量以上のバイクであること。
・普通自動車二輪免許を取得してから一年以上経過した者。
・高速道路は普通自動二輪免許を取得してから三年以上経過していて、尚且つ20歳以上の者。(首都高一部二人乗り禁止)

 道交法に関わることなので当然かもしれないけれど、みんな覚えていたかな?
ちなみに高速道路を走れない排気量のバイクはピンクナンバーの125cc以下。あれ?125だっけ?150だっけ?となりがちな部分なので定期的におさらいしたいね!

 さて、話は戻って、私はタンデムの経験をしたいわけなんだけど、今回は私が誰かを後ろに乗せて走るわけではなく私が誰かの後ろに乗ってみたかったの。ちなみに後ろに乗ることを「パッセンジャー」と呼ぶそうなので以降はパッセンジャーと書くね。

モータージャーナリストの伊丹孝裕さんに、パッセンジャーに必要な心構えをお聞きします

 タンデムをするにあたってパッセンジャーは同乗者としてどんな配慮が必要なのか、あまり考えたことがなかったんだけど、今回わたしのタンデムバージンを奪ったのはモータージャーナリストの伊丹孝裕さん。

 伊丹さんはバイク雑誌「クラブマン」の編集長を務めたり、世界各国のレース出場経験も持ち合わせている二輪業界では有名なお方…!実はそれを聞いた時「なんか優しそうなおじ様」なんて呑気に思っていた私は驚いた。そんな方になら私の初めてを捧げたい…!(言い方)

一気に後席に座ろうとするとライダーがバランスを崩してしまう可能性があります

 パッセンジャーになる人の乗り方として、車体の左側に立ち、タンデムステップに左足を掛け、後ろから足を回して跨ぎ、右足をステップに置きゆっくり座るのが基本。

 車格の小さいバイクだと、車体左側に立つところまでは一緒だけど、地面に左足を着けたまま右足を車体右側のステップに足をかけて座る。というのもあるね。

 でも、なんで車体右側からではないんだろう?と素朴な疑問について考えてみた。

 多分それは、バイクのブレーキ類(フロントブレーキ・リアブレーキ)が右手右足にあるからなんじゃないだろうか。運転手の片足は左側の地面に着いているのが基本だから、パッセンジャーにも左から乗ってもらった方が安定するというのと、多くのバイクは右側からマフラーを取り回しているため火傷の危険を回避する必要もありそうだ。バイクの種類によっては、両側にマフラーが付いてる車両もあるし一概にはいえないのだけど、左側からステップに足をかけて座る方法が安全な乗車のベーシックというのは間違いなさそう。

乗車する際は、運転手とのコミュニケーションを取ることが重要

 乗車する際は「乗るよー!」「いいよー!」など運転手とのコミュニケーションを取ることがめちゃくちゃ重要だ。実際に声に出してみると、伊丹さんも意識して身構えてくれるから絶対必要なことだと知った。

 それでも、最悪な事態が発生することもある。以前、コンビニで若いカップルらしき二人組がタンデムをして駐車場を出ようとしているところ、女性がまたがった瞬間に立ちゴケしてしまったのを目撃したことがある。その二人組が前述のように意思疎通を取っていたのかは定かではないが、惰性がない状態でバイクに人間1人の体重が加わるというのはそれだけバランスを取ることが難しいというのを知った。普段乗る車体の足付きが不安定な人には、足付きのいいバイクでタンデムすることをオススメするよ。

 乗り方がわかったら次は手の置く場所をどこにするか問題。よく漫画やドラマ、映画では、運転者の腰に手を回してピッタリくっつく、などのシーンがある。それもケース(恋の成就など)によっては正解なのかもしれないが、背格好の近い大人ふたりがタンデムした時、運転手のヘルメットに自分のヘルメットがぶつかってしまう問題が発生したりする(人間の頭はとても重い)。そういうアクシデントでより不安定になる可能性もあるからなるべく避けたい。

手の置く場所は手の置く場所は両方とも肩、あるいは片手は腰で片手は肩が最適解

片方は腰(肩)、もう片方は車両にグラブバーなどがあればそこを掴みます

 なので、手の置く場所は両方とも肩、あるいは片手は腰で片手は肩が最適解だろう。その他に、片方は腰(肩)、もう片方は車両にグラブバーなどがあればそこを掴む。

 両方とも車体の掴む場所でもいいかな?と思うけど、グラブバーの場所って結構変なところにないだろうか?バーを握っているから大丈夫と過信していると非力な女性の場合などは特に後ろに落ちてしまう可能性も。坂道を下る時やストレートだけならいいかもしれないが、やはり両方とも車体を握るのは危険。運転手の邪魔にならない配慮としては、上記のどれかのパターンがベストだと思う。

パッセンジャーもニーグリップは大切です

 そして大切なことは他にもある。それは”ニーグリップ”。忘れがちだけど、パッセンジャーもニーグリップ(太腿で挟みこむ乗車姿勢)は大切。運転手のお尻を自分の内ももでしっかり挟んであげることで、自分自身がグラつかなくなるし、運転手の運転の安定にも繋がる。免許を持っていないパッセンジャーを乗せることも多いと思うけど、事前に運転者がニーグリップを教えてあげるといいかも。

 という感じでかなり長くなってしまった事前講習はここまで…。いざ出発!

ここからは運転する人の技量だけが大切になってくると思いきや、まだまだパッセンジャー側に配慮が必要なことがある。

 ひとことで言うなら…”運転手と一心同体”になること。

パッセンジャーは自分で運転するより遥かに楽!しかし、パッセンジャーはライダーを焦らせるような無責任な動きは禁物

 パッセンジャーは自分で運転するより遥かに楽で、誰かが運転してくれるバイクでスイスイ進むのってとっても気持ちのいいものなんだけど、後ろで左右をキョロキョロ、不用意に手足をフラフラ動かしたり、楽しくなってピョンピョンはしゃいでしまったりと無責任になってはいけないのだ。そこは運転手と自分の安全のためにグッと堪えよう。想像するとわかると思うけど、後ろが重心を少し変えただけでどれだけ上手い運転技術の持ち主でも後ろに目はないのだからバランスを崩してしまうのは当然のこと。気をつけようね!

クネクネとした道や高速道路などいろんな場面でタンデム走行を体感

 今回、伊丹さんとは一般の公道や、富士山の下(五合目に続く道)のクネクネしたカーブ道、高速道路といろんなシュチュエーションでタンデムさせてもらったよ!

 事前講習のおかげで支障なく乗り降りできたし、Uターンとカーブも「私ソロで乗ってるんか?」くらい自然な走行で、全く恐怖心が湧き出てこなかった。伊丹さんと一心同体になることで、ステップのバンクセンサーが削れるくらい倒しても安定して走行してくれる伊丹さん(ほんとすごかった!)。この感動は伊丹さんのパッセンジャーだったからなのかもしれないなぁと思ったよ。

ライダーの安定感は、パッセンジャーにもダイレクトに伝わってきます

 そこまでの領域にいくには、レーサー並みの運転技術と相当の気遣いをしてくれているから。普通の人は自分の力量に応じた運転を心がけて、ゆっくり、安全に、パッセンジャーのことを想って走行することが大事だと思う。

 きっとパッセンジャーがいるタンデム走行ってソロで走るより運転者は神経削られるよね。それをなんて事ない表情でこなしてしまう伊丹さんが凄すぎて、体験できたことに、降りてから武者震いがきた。優しそうなおじ様とか思ってすみません。とても頼もしすぎてこのまま連れて帰ってほしいくらいだった。危ない危ない(笑)。とっても楽しかったです!ありがとうございました!

AT車は、MT車両と比べて乗り心地も良く挙動も少ないけど、気を抜かないように気をつけよう

 パッセンジャーのあり方、これはMTのバイクに限らず、ATのスクーターなんかでも同じことが言えるんだ。クラッチ操作がなくてギヤの繋ぎが滑らかなAT車は、MT車両と比べて挙動を頑張って抑える苦労こそ少ないし、広い着座面で居心地が良いぶん気が抜けそうになるかもしれないけど、どんなバイクにも責任を持って後ろに乗るようにしたいね!

 免許を取得してから1年間は、道交法上タンデムが出来ないけど、その間に自分の運転技術を向上させて自信をもって安全に走行できるようみんな頑張ろうね!

 一年経ってからも、ゆっくりちょっとそこまでを繰り返して、慣らしてから! バイクは車と違うからね。運転者もパッセンジャーも責任を持ってタンデムを楽しみましょう!

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